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復讐、始めました。  作者: 中島(大)
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20話 雌雄!流星と正義

 セカンドロットのII(ダブルワン)が逃亡した。すぐに追え。委員会から下された命令に流星レイズナーは従う。空間制御を嗜んでいる流星ならば、その空間に起きた現象を即座に把握することができる。そうやって委員会の秘密基地から逃亡したIIの逃走経路を探る。秘密基地の出口周辺の空間に起きた空気の流れや温度、湿度、密度の変化を捉え、10歳くらいの少女が動いた経路を見つける。そして到着した辺鄙な場所に立つ家、その内部を探ると…いた。


「さすが委員蟹の切り札と言われる流星ね。こんなにあっさり見つかるなんて」

「…」


 流星は考える。魔王を打ち亡ぼす委員会の真の切り札、II。彼女を捕らえることができるだろうか。今はまだ成長途上とは言えその力が流星の創造以上であれば、殺す気でかからねば負けるかもしれない…。


(まぁ負けても良いんだけど)


 流星は魔王を討伐して自らが勇者になるということを別に望んでいるわけではない。別の強者が魔王を倒してくれるならばそれでいい。ここでIIの実力を見極めて敢えてリリースすることも選択の一つである。ただ一つ気になる点。勇者の長男トッシュと一緒にいることだ。昨日救出した蜂王ザ・ビーの話だと元魔王軍だと言っていたが、それが真実なのかはわからない。同時刻、わりと近い場所でイクスシェイドと名乗る魔王軍幹部を東方不敗ロードゼファーが見つけてることも考えると、もしかしたら彼はまだ魔王軍と繋がっているかもしれない。IIが魔王軍へと連れていかれでもしたら…。


(俺だよなぁ…)


 委員会で表向き切り札と扱われている自分が魔王とガチらなきゃいけないとなると困る。流星の考えている生存計画はIIを魔王にぶつけて倒してもらう、自分は死を偽装して逃げる。その偽装のために同じ遺伝子を持つ四つ子の兄弟の死を偽装し、後に彼らの誰かに流星として死んでもらうのだ。


(だからここは全力で奪還しなきゃ。よし、がんばろう)


 一方のコードネームIIことジャスティス(幼)。彼女は流星が魔王と戦うために育てられていることを当然知っている。実感はないが自分の子でもある。ここでつぶし合うことは避けた方がいいだろう。というより委員会の背後に存在する先代魔王グランガイザス。その存在を教えれば一緒に委員会と戦ってくれるかもしれない。


(けど…証拠がないのよね。時間魔術を使ったってことはほぼ本人でしょうし。なんか若いサンがいるってことは時間魔術でサンを連れてきたってことだろうけど、なら目的はアレだろうしともすれば間違いなくグランガイザスなんだけど…死体の首を見たと時間魔術だけじゃ説得力に欠けるわね)


 戦闘は避けたいが、目の前の息子はえらくやる気満々だ。自分がジャスティス本人だと言えば信用度が上がるだろうか?いや、それなら委員会への恨みがマッハなわけだし余計拗れることは目に見えている。


(ハァ…追い払いますか…)


 マユの家の前で睨み合う10歳くらいの幼女ジャスティスと13歳くらいの男の子流星レイズナー


 見守るは10代後半のトッシュ、10代半ばのサン、そして30代前半のマユ。


 ジャスティスと流星がガチンコしているところを駐在さんに見られでもしたらマユが怒られそうだ。アンタ保護者だろ何してんの、って。幸いここは田舎のさらに田舎なので人の行き来もあまりないので心配はないだろうが。そう思っているときに限って来たりするものである。マユは正直ハラハラしていた。


「戻らないのなら力づくで連れ戻す!」

「帰らないのなら力づくで帰宅させる!」


 二人のお子たちのガチンコが開始!先手はジャスティス!速攻で飛び上がり繰り出す飛び蹴り!


「シューティングボンバー!」


 迎え撃つ流星、いつの間にやら左手に持つ赤い布がヒラヒラと揺れている。ジャスティスのシューティングボンバーを布で撫でるように躱し流星は距離をとる。まるで闘牛士のようだ。


(流星は空間魔術使い。私を異空間の檻にとらえるつもりでしょうけど)


 着地と同時に反転し、背後に回り込んだ流星を追う!


(術式展開はさせないんだから!)

(あーもう、こっちの狙いは読まれてるか!)


 空間魔術は時間魔術と比較して習得難度は低い。時間魔術が漢字検定1級だとすると空間魔術は熊本・観光文化検定程度、というようなものだ。注意してほしいのはこれはあくまで相対的な評価である。実際の時間魔術はこの世で行使できるものがいないというレベルなので、それと比較するとどうしても評価は落ち込んでしまうが空間魔術もかなり高難度の魔術である。


 そして時間魔術ほどではないが空間魔術も行使に時間がかかってしまう。周辺の空間の把握程度ならばいざ知らず、異空間転移や空間跳躍などはさもありなん。空間跳躍をなんの用意もなしにできるだけで空間制御検定黒帯モノなのだ。


 つまり流星の異空間転移を阻止されていたのだ。そう、阻止されていたのだ。が、お忘れではないだろろうか。彼が流星であることを(いや知らねぇし)。


「ハイパーカッター!」


 鋭いジャスティスの手刀!しかしひらりと躱されてしまう。そのときだ。ジャスティスに差し込む日差しが遮られた。何かが自分と太陽の間にある。流星の手には先ほどまでの赤い布がなくなっていた。上をちらりと見ると、自分にふわふわと布が舞い降りてくる。さきほどまではお風呂の足ふきマット程度の大きさだったその布が、今はタオルケット並みの大きさに広がっている。バサッとジャスティスを包み込むと、その布は地面に水平に着地した。


「は!?」


 ギャラリーの3人は驚いた。本来であれば犬の顔にバスタオルを落としたときのようにジャスティスがタオルケットをのかそうとじたばた藻掻く…というのはさすがにバカにしているか。中に人がいるはずなのに、人がいるような膨らみが無いのだ。流星が布を回収すると、そこは無人。ジャスティスの姿はどこにもなかった。


「回収完了」


 王国のとある辺境、人の往来も滅多にない山奥の秘境。先代魔王討伐後に設立された王国の秘密組織、通称【委員会】の本部が設置されているこの地から、一人の検体が脱走した。コードネームII(ダブルワン)、10年ちょっと前に生み出された、将来王国の最高戦力、そしてさらなる勇者を生み出す母体として育てられた最高傑作体である。


(そんなIIが逃げ出したら大騒ぎだよねぇ)


 委員会はすぐに東方不敗ロードゼファーを追手に差し向ける。焦る委員たちの中に一人、妙に落ち着いた壮年男性がいた。名をフィリップという。彼の元に念話による通信が入って来た。


「失礼、ちょっと席を外しますよ」

「フィリップ委員、緊急時だというのになぜそんなに余裕なのですかな?」

「なぁに、流星レイズナーが向かったのなら大丈夫ですよ。いかにIIといえどもまだ10歳の少女ですし。では失礼」

「待ちたまえ!」

「まぁ良い。我らにできることは流星の仕事を待つのみだしの」


 彼らの中心と思わしき老人になだめられ、委員たちは黙り込む。彼らのやりとりを背にフィリップは屋上へと上がり、通信を開始する。ちなみにこの通信は念によるものなのであり声には出ていないので盗み聞きもできない優れものである。


「やっぱり生きてたか、俺が投資してんだ、簡単に死なれちゃ困るしな」

『まぁね。流星が助けてくれたんだ』

「ほう、一体なにがあった?」

『魔王軍の幹部を見つけてな、イクスシェイドって奴だったけど強いね。…流星と同じ能力だった』

「へー、流星と同じなら別に負けることはなかったんじゃない?」

『まぁ…そうなんだけどさ。ギリギリまで隠しとかなきゃじゃん』

「つまり流星に感謝だね」

『その流星だけどな。…あいつ気付いたみたいだ」

「…!そうか、で、流星は何と?」

『潜伏しとけ、だって。俺だけじゃなくて蜂王ザ・ビーも一緒だ。今は見つけた悪者の巣をぶっ叩いてそこで一晩泊まった』

「そうか。じゃあしばらくは流星のいう通りにしといてくれ」

『そうしたいんだけど…それでな、一つ聞きたい』

「何だ?」

『傭兵って、どうやったらなれるの?』

「…」

 ・

 ・

 ・

 バチィ!と音が鳴る。気付いた時には流星と言う名の少年にマユが接近戦を繰り広げていた。ジャスティスの姿が消えた瞬間、マユは動きだした。


(速い!まずい、この場を離れなきゃ…!)

(させないさ!)


 流星はマユの動きについて行くのがやっとである。攻撃を躱すことで手一杯だ。そしてサンもマユに続いて雷速で動きだす。二人の雷電の如き体術裁きにトッシュは攻撃に参加することができない。年齢差はあれど同一人物であるマユとサンだから可能なコンビネーション、下手に挟まろうとするものなら邪魔にしかならない。


 しかし雷速は長時間可能な技ではない。自らの肉体に電流を流し肉体を強制的に動かすその技は、肉体が持つエネルギーを大量に消費する。人間が持っている鉄製の物体に電線が触れたとき、人間は物体を持つ手に力が強制的に入ってしまい離せなくなってしまう。そのまま時間が経過し肉体が持つエネルギーを全て消費したとき、肉体を動かせなくなり、つまり手が離れるのだ。


(長期戦は不利、なのにあの二人の攻めを捌いている…俺も雷速真似したいとこだけど…)


 トッシュは禁戒山を出てから八卦の技が全く使えない。禁戒山は霊脈レイ・ラインが間近に流れているパワースポットだからだろう。町の土産で見かけたパワースポットカードに禁戒山があったから知っている。トッシュは自分の知っていることなら何でも知っているのだ。だからだろう。それ以外の場所、つまり霊脈の影響が微弱な場所では周囲の気が薄く、トッシュはうまくアクセスできない。


 トッシュは表に出る前のジャスティスの言葉を思い出す


「あいつは空術を使うからあんたたちは手を出さないでね」


 空術の行使には時間がかかる。イクスシェイドでさえも例外ではなく、敵を迎え撃つ場合は事前に穴を開けている。


(…なんであいつはそうしなかった?なんでわざわざ呼び出した?いや、察知するから呼び出されなくても出て行くか…じゃあ事前に穴を用意しておくことは無理だとわかってたから呼び出した?んで空術を使えるギミックを持つあの布で…いやあの布はあからさますぎるし…と考える逆を突いた?んー…)


 いまいち考えが纏まらないトッシュ。こうしている間にもマユとサンが限界を迎えてしまうが、下手に突っ込んでもじゃ何しかならないから考えることしかできない。


(あの布がギミックの正体だろうとなかろうと関係ないか。とにかくジャスティスは事前の準備なく穴を開けることを知っていた…それで自分一人で行く?他の誰かが空間に閉じ込められたらどうしようもないが、自分ならなんとかなるってことか?)

 ・

 ・

 ・

「んー、何にもない空間だわ。水も食べ物もチーズケーキもないだなんて長居はできないわね。とりあえず準備しなきゃ」


 流星の次元の檻に囚われたジャスティスは脱出の準備に取り掛かる。その間、ジャスティスは考えていた。昔読んだ漫画の、男の子の母親が転生したあの話を。


 あの母親は最後、転生する前の記憶を消してただの一人の子供として男の子の前から姿を消した。男の子は母親との別れを二度も経験した。なんと残酷な話だろうか。もちろん漫画の展開としてそうする方がイイハナシダナーになるからその結末はわかる。ただ、もし自分がそうなったら。自分は絶対に子供の前から消えたりはしない!なぜなら母だから!子を育み、未来を繋ぐのが母なんだ!


 そのジャスティスの思いが、光となる!水も食べ物もチーズケーキも何もない空間を光が満たす!そしてその空間が許容できる光の量を超えたとき、次元が割れた!

 ・

 ・

 ・

(くぅ、もう限界…!)


 限界を超えた雷速駆動にサンがとうとう動きを止める。その瞬間を狙って流星の赤い布がサンへと襲い掛かる!このままではサンも囚われてしまう!そのときだ!ビリビリ~!と赤い布の内側から光が溢れ布が千切れる!その光こそ勇者の光!聖拳の勇者ジャスティスだ!


「攻めと光を司る右の聖拳!ハートキャッチ!」


 ジャスティスの掲げる右腕が発光する。


「守りと癒しを司る左の聖拳!ハピネスチャージ!」


 そして横へ広げるジャスティスの左腕も発光。


「振るう私はスプラッシュスター!さぁ流星レイズナー、覚悟なさい!」

 ・

 ・

 ・

 魔王軍は会議での情報、そして会議中にもたらされたイクスシェイドの情報により方針を決定する。敵は先代魔王グランガイザスの力を持つ者と、そして勇者ジャスティスの血筋を戦力として保有する、光と闇が備わった最強の集団!


「魔王軍6大軍団長よ!奴らの拠点が判明し次第全軍で攻撃を開始する!」


 サガの号令により各々の軍団長は決戦に備える。しかし一つ、軍団長が不在の軍団がある。不死の軍団である。軍団長ギャミはあわよくば自分が軍団長にならないか期待していた。かといって自分から言い出すと怒られそうなので言い出せずにいた所、ギャミに協力してくれた軍団長が指摘してくれた。


「フェフェフェ、サガ様。不死の軍団長が不在でありますがね、どうなさるおつもりで?」

「確かにそうだ。…イクス様、軍団長の穴埋めはどうなさいますか?」

「フ、パルパレオスよ。貴公がわざわざ言い出したのだ。提案があるのだろう?」

「えぇ、それはもう」


 ギャミはいよいよ自分の出番化と胸がどきどきする。軍団長になれば給料も上がるし何より軍団長年金にも加入できる。4年軍団長を務めるだけで死ぬまで年金が支給されるのだ。そんなギャミを横目でチラっとパルパレオスは眺め、そして魔王へ提言する。


「差し支えなければこの者を軍団長に任命していただきたいのです」


 いよいよ自分の名前が呼ばれる!すぐに返事をしなければ!ギャミはきちんと返事ができるように喉に意識を集中する。


「新たな軍団長候補ラン!この場に現れよ!」


 はい!と返事しそうになるギャミは、なんとか発声を抑え込む。というよりなんで自分じゃないのかがっかりするギャミは、その場に召喚された者の姿を見て絶句する。なぜまた人間なんだ、と。


「お初にお目にかかります魔王イクス様。私の名はランと申します。以後お見知りおきを」

「ふざけるなァ!」


 我慢できず異を唱えるギャミ。またも人間が自分の上官になるのか!しかもこの人間は先日ラムザ砦で捕虜になった負け犬ではないか!魔王の前でこれは問題行動ではあるが不満!言わずにはいられない!


「そのガキが魔王軍の軍団長だって!王国騎士団長の小姓じゃねぇか!捕虜になった負け犬じゃねぇか!」

「ふむ。パルパレオスよ。我が魔王軍の方針は知っておろう。その者、軍団長の器か?」

「フェフェフェ、力ある者ならばその生まれは問わない。ちょうどギャミが不満たらたらのようですし…ここはひとつギャミとランで力試しをしてもらうというのはどうでしょうか魔王様」

「よかろう。ギャミよ、自分が軍団長たる器と思うならばわかっておろうな」

「もちろんです魔王様!見ててくださいこのギャミがあのガキを秒殺しますとも!」


 ぶっ殺してやる!という殺気まんまんのギャミを前に、少年ランの心は…平静であった。


(フフフ…楽しみだなぁ。この力、はやく試したいなぁ)


 いや、平静ではなかった。少年ランもまた、やる気満々であった。

 ・

 ・

 ・

 次元を超えて現れたIIことジャスティスの姿に流星は驚きを禁じ得ない。それどころかあの勇者ジャスティスの力そのものを発現させているのだ。これではまともな勝負はできないだろう。ジャスティスの力そのものであるならば、今の空間割りは偶然ではない。ジャスティスの拳は全てを砕くと伝えられている。


「まいったな…そこまで成長してるなんて。俺の負けだ、ここは逃げさせてもらうよ」


 流星はポケットから取り出した毛布のような布に包まる。その布はくるくると流星を巻き込んでどんどん小さくなっていき、そしてジャスティスの目の前から消え去った。


「逃げたのかい…?」

「そのようね。今のうちに私たちもこの場を離れましょう」


 雷速可動を続けてもなお余裕のあるマユと、あの時と変わらない聖拳を見せるジャスティスの姿にサンは自分も頑張らないといけないと意する。このままじゃジャスティスを守るなんてできない、と。だからこのまま倒れとったらだめだ、強がりでも今は立ち上がらなきゃサンは気合を入れ、二人の会話に参加をする。


「えぇ…お、お姉さま、どこに行きましょうか?」

「あぁハイハイハイ!提案がありまぁす!」


 行先ならばトッシュには当てがある。トッシュは左手で腋を隠しながら右手を上げアピールをして注目を集める。


 一方そのころ、途方に暮れていた東方不敗ロードゼファー蜂王ザ・ビーもまた、今後の指針を考えていた。


「というわけで、俺たちもここから出るとするか」

「何がというわけなんだ。意味がわかりません説明なさいゼファー」

「おっ、さっそく偽名つかってるねビィ。さっき思いついたんだ。傭兵じゃなくてもっとのんびり潜伏したほうがいいと思ってさ」


 東方不敗ロードゼファーはゼファー、蜂王ザ・ビーはビィと偽名を名乗ることにした二人は、この悪者の根城でしばらく寝泊まりするつもりだったがゼファーがどうやら妙案を思いついたようだ。実際は思いついたではなくてフィリップからの提案だったのだが、フィリップとの関係は内緒の話なのでビイには打ち明けない。


「それができるならそれに越したことはないですが、どうやって食べていくんです?」

「ふふふ、君は知らないよね。実はもういるんだ。…すでに潜伏している奴がね」

「!…そうか、あのトッシュが生きていたということは、あいつも生きているのか!」

「そういうこと。じゃあ行くか」


 ほぼ同時刻に、二組のパーティーは行先が決まる。


「行先はローシャ市!俺の連れのいる町に行こう!」

「行先はローシャ市!俺たちの弟のいる町に行こう!」


 二組の勇者の子たちは同じ勇者の子のいる街を目指す。

 ・

 ・

 ・

「ば、ばかな…」


 血みどろになりぶっ倒れるギャミ。ランの力を半信半疑だったパルパレオス以外の軍団長、そしてサガはその力に驚いていた。そして誰よりも驚いていたのは軍団長イクスシェイド。ランの力には既視感があった。その力はまるで…。


「うむ。勝負ありなだ。では強き者ランよ。この魔王軍不死の軍団長の証である魔王のメダルと受け取るがよい。期待しているぞ」

「お任せください。僕なら、きっと切り札になりますよ。フフフ」

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