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復讐、始めました。  作者: 中島(大)
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90話 奪回、テッサイの誇り③

 ~時は遡りテッサイ宅カチコミの翌日~


「もうデカ美おちょくるのやめようや」


 お友達(手下)にいきなりイジメ止めよう宣言をかます主犯のテッサイ、これには周囲もびっくりである。


「なんで?突然どしたの?」

「テッサイがやらせてたことじゃん今更イモ引こうっての?」

「あの女を輪したら楽しそうだったのにー」


 とまぁ非難続出である。


「いやまぁ俺らも高2の冬休みなわけで、今後の進路を考えるとね、アレじゃん」


 アレという便利な単語を使って濁しつつ、理解をしてもらうと頑張るテッサイ。元々このイジメはデカ美を怒らせて暴れ狂わせるための高度な策略であった。そうして生まれた悲しきビッグモンスターをタイマンで討伐しかつての屈辱を晴らそうとしていたのだが、当の本人はいじめられているとすら思っていなかったという、これではまるで道化である。足元でアリが騒いでもゾウは何とも思わない、その程度の意識しか持たれていないというパワーの差。紆余曲折あってデカ美とタイマンできることになったのでイジメする必要もなくなったわけで、大して意識されてなかったとしても正々堂々と戦いたいから余計な茶々を入れるのはテッサイとしてもよろしくない。


「だからまぁあんなのに構わず将来を考えよう。せっかく王国で一番偏差値の良い高校なわけじゃん俺ら」

「ほー、今を生きる明日なきアウトローぶってたテッサイの分際で言うじゃん。どっか受験するの?」

「まだ具体的には決めてないけど…」


 何気にハイスクール黒森峰、勉強もできて喧嘩も強いオールマイティな生徒がちょいちょいいたりする。1年のナイトウ然り。しかしテッサイの勉強のレベルは…他の高校なら上位だろうが、この高校では残念ながら下層であった。


「まぁそんなわけで、俺は将来の為冬休みの間合宿するから。お前らもしっかり勉強しろよ」

「一番勉強しないといけないのテッサイじゃんー」

 ・

 ・

 ・

 そして終業式当日、さっちゃんの結婚してください発言後のハイスクール黒森峰。そこにはぼーっとしてる表情ばかりだったさっちゃんが満面の笑みを隠しきれずに帰ろうとしていた。その時。さっちゃんを取り囲むテッサイの取り巻きたちが現れた!


「ヘイ!機嫌良さそうじゃねーのデカ美ちゃんヨオ!」

「何かいいことでもあったのかなぁ?アタシらもちょっとご機嫌ナナメちゃんなの…」


 二人目が喋ってる途中で、さっちゃんがカットイン!


「そうなんです!すごい幸せなんです!えへへー!聞きたいですか?聞きたいですか?」


 普段とあまりにも違うさっちゃんの様子に取り巻き一同もえっ?マジで何が起きたの?と興味が湧いてくる。


「あたしてっちゃん…テッサイくんと結婚しますー!きゃー!」


 ざわ…!


 一同に奔る動揺。そして追いついてくる納得感。取り巻き一同の心の中で叫ばれるだからか!という言葉。すべてに合点がイった。


「あぁ~!だからイジメるなって…そういうことか!」

「アレだよな!好きな子に嫌がらせする小学生みたいなアレだよな!」


 アレとは便利な単語である。それでなんかニュアンスが伝わる。ロシア語でいうдавайみたいなもの…とはニュアンスが異なるか…な。


「なるほど~!だからえっちなことはNGだったのね」

「ていうか告白したのはどっちなの!?」

「えぇ~…アタシ、かなぁ…」

「あらやだ!この子積極的ー!」

「おい、じゃあ俺らがやることは一つだな!」

「そうね!」


 全員が目を合わせ、頷く。


「デカ美、今までごめん!owabiに二人の門出を皆で祝いたいけどどうかな…?」

「え、う、うん。ありがと…」

「てっちゃんと次いつ会うの?」

「えっと、冬休みの最終日にローシャ城跡で…」

「だからか!」


 冬休みの合宿とか宣ってたけどそうじゃない!アイツきっとデカ美に対してなんかサプライズの準備してるに違いない!と一同の心が一つに染まる!


「よし!てっちゃんにサプライズ返しよ!アタシたちもローシャ城跡に集まっててっちゃんをびっくりさせよう!いいよねデカ美ちゃん!?」

「え…えっと…てっちゃんに確認を…あっ、学校終わってすぐ行っちゃったからもう連絡取れないや…」

「何言ってんのよ確認取ったらサプライズにならないでしょ!よし皆アタシたちも用意するわよ!」

「おー!」

「アハハ…」


 今までアリとしか思ってなかった取り巻きたちに、初めて気圧されるさっちゃんであった。しかしさっちゃん、やはり我が強いのは間違いない。完全に決闘に勝つと確信してしまっている。二人の決闘の行方は一体どうなる!?待て次回!

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