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復讐、始めました。  作者: 中島(大)
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88話 相談、次の戦に備えて④

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 あーでもない、こーでもない。堂々巡りを続けるフォーゲルと謎のロボットの戦略会議はすでに40分も経過していた。いつヴァイスランドの軍勢が攻めてくるかもわからないこの状況、いざとなったら単騎で突っ込んで真正面から叩き潰す覚悟である。いかにドラゴンの鱗と言えども吠える神器から繰り出される弾丸には容易く砕かれ、肉を抉り、骨を砕き、臓腑に達する威力。竜を保護するNPO法人「竜の一族」の代表理事として、竜の為に戦うフォーゲルにとって竜を前線に出すことはできない。そして兵を出せばその命は弾丸が奪い去る。


「フム、意見ガ纏マラナイ。貴様ノ竜ヤ兵ヲ使ワヌトイウ方針、理解デキナイ」


 当然、謎のロボはフォーゲルの判断に首をかしげる。


「私は戦わずに済むのならそれが一番良いと思っている。しかし、あの連中は完全にやる気満々マンだからな。被害は最小限に抑えたい。最低限の犠牲で穏便な統治、それが魔王国の方針でもある」

「…ナラバ、モハヤ手ハ一ツシカアルマイ」

「意外だな、私の方針を尊重してくれるとは」

「我ハアクマデ手伝イニ来タニ過ギナイ。コノ軍ノ指揮官ハ、ウヌデアル」


 そしてフォーゲルとロボは同時に口を開く。


「私が単独で連中を突破し頭を叩く」

「我ノパワーデ大地ヲ砕キ足止メスル」


「…ん?」

「…ン?」

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「…宇宙海賊への殴り込み、これを実行するには問題がいくつかあるが…まずはあの子だな…」


 黒森峰高校での昼休み。トッシュは、まず第一の問題をどう攻略するか考慮する。おそらく魔王軍でも屈指の戦闘力に加え、隠密能力も並ぶものはなしの魔王軍のニンジャ、トッシュを護衛するためにこの学校にも今なお潜伏をしているライゾウくんである。


「護衛っていうか監視役でもあるよなぁ…宇宙海賊殴り込み用の宇宙にまで行ける移動手段をなんとかしたいけど、それを誰に相談するにしても絶対ライゾウくん見てるし、そしたら間違いなくチクられるし、最悪ライゾウくんに実力行使されかねない…どうしよう」


 宇宙海賊本船への殴り込み、この方法自体にはとりあえず相談してみようと思っている相手はいる。解決するかどうかは未知数であるが、この黒森峰学園において相談するなら彼らしかいない。だがライゾウくんの目を盗んで彼らに接触を図ることはまず不可能だろう。ライゾウくんが拒否しなければ彼はニンジャマスターになっている男である。…彼とか男とか言ったら怒られそうだ。ライゾウくんに起こられたら怖い。まじで。ベロチューされるかもしれない。


「ちっくしょーまたダブリやがった」

「ナイトウくん運悪いなぁ」

「これで何個目だっけ?」

「5個目だよ!5連続でクリアーだよ!全塗装はなんでこんなに出ないんだよ!」


 ナイトウが開けているのは昨晩ゲームセンターで取ってきたフィギュアの箱である。ゲームに勝てばフィギュアが貰えるのだが、箱はブラインドで中は全塗装、単色、クリアーの3種類がランダムで入っている。案の定、塗装工程でコストがかかる全塗装は全然出てこないわけだ。単色やクリアーを塗装すればいいのだが、塗装するにはスキルとそれ以上に環境と道具を整える必要がある。それらがなければ練習すらできないのだから。


 …塗装すれば、同じ…。


 ナイトウの無様を心の中で嘲笑していたトッシュに名案が浮かぶ。短期間とは言え八卦龍拳の特訓をしていた経験が、今生きる!

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