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復讐、始めました。  作者: 中島(大)
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87話 飛翔、音速の翼①

「ゲギョー!なんか知らんが好き放題暴れろとのカズミ様の命令だゲギョー!テメェらやるぞゲギョー!」

「おー!喰らえゲギョ!電磁波攻撃ー!」


突如王都を襲う怪人集団!夜の帳の中、まだ公開されたばかりの海賊の戦闘員たちの電磁波攻撃が混乱する民を襲う!


「きゃああああ!頭が痛いいいい!」

「バケモノだー逃げろー!」


逃げ纏う民たち、そして取り残され怪人たちに囲まれる少女が一人、その毒牙にかかろうとしていた。


「ゲギョゲギョ!いいメスだゲギョ!くせ毛にメガネにそばかす!目の下のクマも実にいい!このメスの良さはゲギョだけが知ってるゲギョ!」

「何を言っているゲギョ!ゲギョだってこのメスが実はいい女だと知ってるゲギョ!」

「ゲギョ!?このメスの価値はゲギョだけが知ってると思ったゲギョ!」


 宇宙海賊の末端であるC級戦闘員のこいつらは個性がない。数だけを揃えるためにコピペされた人格データが入ったナノマシンを王国の下水に生息しているドブネズミたちのエサに混ぜ込んで投与して増やしたお手軽戦力である。故に性癖は皆同じであり、数だけはいっちょまえだが戦闘能力もそこまで大したものではない。が、こんな醜い連中に輪姦でもされようものなら、普通の女の子ならあっという間に廃人となってしまうだろう。そんな少女の危機に、英雄ヒーローはやってくる!

「死ねオラァン!」


 伊集院英雄がちゃんとヘルメットを被ってCBX1000で駆け巡り、左手の長ドスでネズミ怪人を切り伏せる!そのまま少し先の方で停車し、伊集院、長ドスを右手に持ち替え少女のもとへ向かう。


「ゲギョ!野郎よくもやりやがったゲギョ!みんな!やるぞ!」

「ゲギョー!」


 ネズミ怪人たちに埋め込まれたナノマシンは、その体細胞や血液を素材に生体兵器を作り上げる。ちっちゃいナノマシンにはそのサイズから詰んでる思考盗聴器や電磁波攻撃装置の性能は極めて低い。が、怪人たちみんなで力を合わせれば性能は倍化する!強化された低性能電磁波が、伊集院を襲う!しかし!


「効かんわハゲどもが!」


 伊集院、電磁波攻撃をものともせずネズミ怪人たちを切り伏せる!ゲギョーという断末魔と、不潔な体液血液まき散らし絶命する。


(ザグマーのおかげで電磁波は無効だな)


 宇宙海賊から出奔したザグマーは知っていた。思考盗聴、電磁波攻撃への対策。それは頭にアルミホイルを撒くことで宇宙海賊毒電波を弾けるのだ。ザグマーは伊集院のヘルメットの内部にアルミホイルをこれでもかと敷き詰め、怪人の主兵装を無力化した。…しかしネズミ怪人の集団はこれだけではない。王都のあちこちで同時多発に発生している。他にも救助を求める人たちはいる。


「大丈夫か?…いや、悪い。大丈夫じゃなくても死にたくなかったらあっちに向かって走って逃げるんだ」

「ひ…一人で…?」

「死にたくないなら行くんだ」


 ガタガタ震える少女に告げる伊集院。彼が指さす方向は、王城。緊急事態に対応し王都は避難所としてその機能を民へと解放した。王城から走ってきた伊集院は道中のネズミ怪人たちを処理しているので、今なら安全だと判断し少女に一人で逃げるように告げる。非情かもしれない。しかし、多くの人を救うためだ。


「大丈夫、魔王軍の兵達も来ている。行け!」

「は…はい…!」


 魔王軍の兵達も当然カズミの筋弛緩剤にやられているため、まず治癒魔術を使える兵を伊集院が治療し、その兵がまた兵たちを治療するというやり方で準備を整えている。動ける者から出てくるだろう。


「さて…」


 伊集院は他のネズミの怪人たちの処理へと動く。

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