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復讐、始めました。  作者: 中島(大)
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83話 強盗、狙われた黒森峰③

 ざわ・・・ざわ・・・。黒森峰高校全体で昨晩の強盗が話題に上がっている。それもそのはず、狙われたのは1件ではなかった。50件ほどの強盗が、予備校帰りの黒森峰の生徒から模試の判定書を奪っていったのだ。噂では黒森峰以外の生徒も被害にあっているらしいが、一番被害件数が多いのは黒森峰。二位の学校にダブルスコアをつけているほどだ。


「ナイトウは狙われなかったの?」

「あー、俺は予備校はおろか模試すら受けてねぇし。1年から予備校に通ってるマジメくんはすごいねぇ」

「嫌な奴…ふん、どうせボクはナイトウより頭が悪いよーだ」


 ナツキも予備校には通っていないが、それでも王国最強の進学校黒森峰で中位以上の成績を持っている。ガチれば校内でも屈指の偏差値(戦闘力)に昇るだろう。ただ、今はある程度の成績を維持できればいいと考えている。彼女ほどの知能の持ち主なら後からガチれば十分に追いつける。頭が良い子はそれができるから。


 塾や進研ゼミなどで先の勉強を事前にしてるからいい成績を出せているのを自分の才能だと勘違いしてる子は、頭が良いわけではない。予習で先を知っているからこその、いわば弱めのカンニング状態故の成績であり、100%自分の力ではない。さらにはその状態で自分は勉強ができるからと増長し授業中寝てたりするならばもう大変。ふと授業の終わり間際に目を覚ましたら見たことの無いΣという記号を目にして、理解が追いつかずついていけなくなり。挙句の果てに1年では上位の成績だったのに赤点を出すようになるくらいに落ちぶれてしまうのだ。継続は力なり。途中でやめないようにしよう。


「おはよ…」


 黒森峰最弱の偏差値の持ち主トッシュがギリギリの時間に登校してくる。朝が本当にダメで、本気で帰りたい。しかし魔王(ボス)の命令だから是非も無し。トッシュは午前中の授業は全部寝て過ごしていた。どうせ起きてても全然理解できないのだから。しかし無策というわけではない。ミズキからまずは中学レベルの勉強を教えてもらっている。今は精々調子に乗るがいい、いずれ追いついて見せると考えているトッシュだが、授業中寝ている時点でそれは夢でしかない。いや、寝ているからこそ夢を見ているのは自然ではあるが。


 午前最後の授業、4時間目の残り時間が半分になるころ、それは現れた。


「動くな!手を上げろ!」

「な、なんだね君たちは…うごふ!」


 教室にズカズカと入り込んでくる機械で強化された3人の兵士たちが高校教師の鳩尾にボディーブロー!たまらず悶絶倒れる高校教師。その手や背中には王国に伝わる神器のような武器を、ほぼ全員が携えている。ズガガガガガ!武器から炸裂する轟音、穴が開き細かい砂の様な破片がポロポロ生徒たちに降り注ぐ。


「死にたくなかったら貴様らの持ってる宝…偏差値を寄越せ!」

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