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復讐、始めました。  作者: 中島(大)
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77話 集結!四天王!②

 犯されてできた子供。


 胎内に侵略した敵。


 暴力の果ての結果。


 そして、私の子供。


 その結果の受け止め方は人それぞれだろう。私は、ただこの子を愛おしいと、そう思った。深い理由なんてない。愛に理由は無い。愛し合った結果生まれた子を愛さない親もいるのだ。その反対だってある、それだけのことだ。


 それを『彼』に、そのまま伝えた。さっきまで興奮していた『彼』は、その短い話が終わることにはとても冷静になっていた。『彼』は言った。自分は愛されていなかった、母の愛を知らなかった、と。こんなにも美しいものがあったのか、と。


『彼』の世界がどういったものなのかはわからない。私は私の世界にとってごくごく普通のことを答える。母の愛はこの世界にありふれたものだと。暴力の子でも愛する母も、この世界に私一人だけではないだろう。もちろんその逆もあるだろうが、母の愛はこの世界にごくごくありふれた、しかし子供にとって特別なかけがえのないものだ。

 ・

 ・

 ・

「…うん、決めたよ。僕はこの愛に溢れたこの世界を守りたい。この世界が荒廃してしまっては美しい愛が失われてしまう。僕が四天王になったのは美しい物を守るため。守れないならば四天王は辞めよう。ネオデビルクロス四天王は残り四人だ」

「そんなあっさり、信用できないっての」

「それが普通の判断だろうね。ま、そう思われるだろうから僕は武装の類は一切持って来てないし、僕の知るネオデビルクロスの全てを話すよ」

「武装持ってきてないって、都合よすぎて胡散クセー。嘘を言うかもしれないし。グランガイザスみたいに心を読む力があればいいけどランはまだグランガイザスパワーを使いこなせてないしなぁ」


 信用してもらいたいザグマーと、信用できないゼファーがうんうんと対話をしている。アカネは上腕の途中から失われている腕を上げて、二人の会話に混ざる。


「四天王の一人がここに来て裏切り者!死ねィ!って展開があればわかりやすいのにね」

「それも芝居の可能性もあるだろ」


 すぐさまゼファーが揚げ足を取る。いや確かにそうなのだが。悩んでると、玄関の鍵をガチャリと開ける音が。


「ただいまー」


 アルがお仕事を終わらせて帰宅、3人が囲むちゃぶ台のある居間にやってきた。


「おかえり。あれお客さん?」


 上座に座っていたのはアカネ。扉から入って来た見知らぬ厳つい男性が自然と目に入る。今にやってきた客人の存在を感知して、入り口に背を向けているゼファーとザグマーが振り返る。


「おーアル、おかえり」

「おーオーラ、おかえり…ん?」

「おーザグマー、ただいま…ん?」


 アルが連れてきた客人、ネオデビルクロス最高幹部四天王の一人、雷魔将オーラと、アカネを訪ねてきたネオデビルクロス最高幹部四天王の一人、海魔将ザグマーが鉢合わせ。二人がいつもの感覚で挨拶をしたあと、今この場に二人がいる理由を、お互い察知して同時に叫ぶ。


「オーラてめぇ俺の裏切りを察知して始末に来たのか!…え?」

「ザグマーてめぇ俺の裏切りを察知して始末に来たのか!…え?」

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