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復讐、始めました。  作者: 中島(大)
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76話 出現!ネオデビルクロス最高幹部③

「勝ったぞ!その首貰ったァ!」


 アルの防御する剣をすり抜けるレーザーソードの光!もはや1秒もせずにこの高熱を帯びた光の刃がオーラに勝利を導く!勝利を確信し吠えたオーラは、その貧しい輝きとサウナの如き高熱は、次の瞬間オーラの全身に巡り渡る衝撃に変化したことを、その後に気付いた。


「バカな!…一体何が起きた…!?全身が痛い…体が動かない!」


 オーラの視界の端でぶらんぶらんとちんちんのように揺れているサンドバッグ。それは先ほどまではミノムシのようにおとなしくぶら下がっていた。というか、それは先ほどまでオーラの背の方にあったはずだ。


 なんとか首を動かし、前方へと目を向ける。どうやら激しい衝撃で吹き飛ばされたことに気付く。自分が先ほどまでいた地点、その地面が黒く焦げ、そして割れている。そこにいた決闘相手の少年は、彼もまたオーラと同じように壁に激しく背をぶつけていた。


「ぐぐ…避けられないと判断し…妖術による爆発の衝撃で逃れたというわけか…!面白い!」


 オーラの推理通り、アルはこのまま自分だけ灼かれるのは嫌だったので、どうせなら痛み分けにしたろと爆発魔術を久々に使った。聖剣ハヤブサを爆発させる方法もあったが、そっちだと自分もくちゃくちゃの挽肉になるので、魔術の方で実行した。以前のアルならば魔力の加減が効かず、くちゃくちゃの挽肉になってたが、感情を取り戻したことで精神エネルギーである魔力の制御が可能になったからできた芸当だ。


 しかし、それでもノーダメとはいかない。骨や内臓への深刻なダメージはないが、体格的にオーラより小さいアルの方がダメージは大きい。よろよろと立ち上がる両者。アルは聖剣ハヤブサをうまく投げる体力がないため、再びインパルス・ストリンガーを展開する。オーラを切断はできなくとも拘束はできるはずだ。一方オーラは、レーザーソードによる近接戦を捨て、レーザービーム形態へ右腕…性格には右腕に装着しているデビルクロスバスターを変形させる。


「ハァッ!」


 デビルクロスバスターの銃口をアルに向けるオーラ!直後、アルはインパルス・ストリンガーでその右腕を絡め上方向へ向ける。ビィンと放射されるビームは倉庫の天井に届かず、霧散する。危ない平気なので射程は短く設定されているためだ。


「クッ!」

「…!」


 両者の一瞬たりとも気の抜けない死闘の最中、またも響く爆発音。それは、アルの魔術…ではかなった。すぐにビー!ビー!ビー!とけたたましく警報が鳴り響く。その爆音と警報の音源は、オーラが設置したモニターからだった。


「なにィ!猫のおうちが!」

「え!?」


 オーラが保護した猫たちが過ごす隣の倉庫、その中に置かれているネオデビルクロスの侵略機材が、あろうことが爆発炎上を起こしたのだ!この機材は、コンセントのない王国ではバッテリーで運用するしかないが、このリチウムイオンバッテリーってのがまた爆発を起こしやすいのだ。無論、通常使用では問題はないが、さきほど野良猫の川原くん(♂1歳)がおしっこをこの侵略機材にぶっかけてしまってたのがまずかった。


「いかん!猫を助けねば!」

「あっおい!」


 すぐに隣の倉庫へ向かうオーラ、そしてアルも追従する。リチウムイオンバッテリーは一度爆発すると一気に火が広がる。救助まで時間が無い…が、それは救助を放棄する理由にはならない!二次災害を起こさずに、急いで救助する!


 二人が突入した倉庫はもう煙が立ち込めて視界がよろしくない状況!開けた扉から猫たちが逃げていくが、ケージの中で保護してる猫はそうはいかない。すぐに救助しなくては!


「くっ!一度に運べるケージは5つ!おいてるケージは30はある!間に合うか!?」

「なら時間を稼ぐよ」


 アルが闘気を用いて、炎上する侵略機材を密閉する壁を作りあげた!必殺インパルス・ファイヤーウォール!


「お前!」

「長くは持たない!急げ!」

「サンキュ!」


 密閉するが故にその内部の圧力はどんどん上昇する。いかに頑丈で軽い闘気物質といえども、限界を超えたダメージには破壊されてしまう。オーラがばたばたと猫を運び出す間にも圧力と、さらに熱によるダメージが徐々にインパルス・ファイヤーウォールをみしみしと痛めつける!先ほど逃げ出した猫たちすべてにインパルス・ストリンガーをひっつけてるのもあって、ファイヤーウォールに全力が注入できないのもまずい。


「うく…そろそろ限界かも…」

「終わったぞ!」

「うおお!」


 その救助完了の声に気が抜けたのか、一気にバキンと割れるフィアヤーウォール。内部に込められた圧力と熱気が一気に倉庫を焼き尽くす!


「はぁ、はぁ、危なかった…逃げた猫たちが心配だが…」

「ふぅ…糸をつけてるから逃げた猫たちの所在地はわかってるよ。龍之介くんも無事だ」

「…くく、便利だなぁお前の妖術は」

「アンタらの道具もすごいじゃん」

「へへ、残念ながら俺はできた機材を貰ってるだけでな、一から作ることはできねンだわ」


 空を仰ぐオーラ。ネオデビルクロス本陣に帰るための転移装置やその他の便利機材は今の火災でぶっ壊れてしまっている。手元に持っているネオデキルクロス通信機も、バッテリーが切れてしまっている。充電するのを忘れていた。つまり、彼にもはやネオデビルクロスに帰る手段はもうないのだ。


「どうすっかな…」

「…じゃあさ」

 ・

 ・

 ・

「君…誰さ!?」

「フフ、君は僕のことを知らなくても、僕はよく知ってるよアカネくん」


 アルの帰りを待つアカネの所へ突如出現した謎の男!


「はじめまして、ネオデビルクロス最高幹部、四天王の一人、海魔将ザグマーだよ」

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