68話 拷問、悔い改めて②
月が照らす夜の街、ナイトウを支えながらナツキはナイトウのアパートを目指す。最初は病院を目指そうとしたのだが、その提案をナイトウが拒否したためだ。曰く、金が無い。傷は深くなく、クラブでパクって来た酒で消毒しながら治癒魔術を使ってくれたら大丈夫だという。確かに全身に負った傷からの出血は止まっており、体力の消耗で動けなくなったに過ぎないとのことだ。
「へへ…ここが俺ん家よ」
ナイトウの家は平民である。しかし家人たちは皆頭が良く、父は弁護士、母は公務員、祖父は医者である。ナイトウの兄たちもそれぞれが学問の道に進む中、ただ一人素行の悪いナイトウは追いだされるようにアパートで独り暮らしをするようになった。
「変なこと考えてないだろうね?」
「おいおい…こんだけケガしてんだぜ無茶言うなや。とりあえず治癒たのむわ」
「ボクの治癒魔術は平均よりちょっと下だからそんなに効かないけど文句言わないでよね」
ベッドで横になるナイトウの傷に、酒を霧吹きに入れて吹き付ける。傷に染み込む酒が収まった痛みがズキズキと呼び覚まされる。
「うっ…」
その後、ナツキは治癒魔術をじわりと行使する。ほのかにぬくもりを感じるナツキの魔力が作り出す淡い光が、ナイトウの体を照らしながら傷を癒していく。
「ふぅ…」
口ではあぁ言っていたが辛くないわけがない。治癒されているナイトウは、その疲労と傷を癒すようにいつの間にか眠っていた。
「あの大人数の中に突っ込んで、危ないぞナイトウ。…でも、うれしかった…ありがとう…」
そして、ナツキも深夜という時間に加え、魔力の行使による疲労でいつのまにかナイトウのベッドにうずくまるように寝落ちした。
一方、ナツキが治癒魔術を行使しているその頃のトッシュたちは。
「うおおおお!あんの狭い穴に突っ込んで、危ねぇぞクラウス!でもすげぇ!ていうかやべぇ!」
「ふぐうううううう////!!!」
ライゾウくんに抱えられ、後ろからガンガン掘られるクラウスの様子を撮影しながらトッシュは妙なテンションになっていた。別にホモではない、ホモではないのだが、何なんだろうかこれは。自分でもよくわからない。しかしクラウスもまんざらじゃないのだろうか。その男性器はピンと反りあがっていた。つまり和姦になるということだ。
「クラウス先輩!ライゾウくんに入れられてるのとライゾウくんに入れてるのどっちが気持ちいいっスか!?」
「うぐぐぐぐ///!!!」
ライゾウは筋肉がモリモリしてヒゲが生えていて、同じように胸とか股間とかあちこちにも毛がジャングルのように生い茂ってて、その辺の男よりよっぽど逞しい男性器を備えているが、くノ一である。ライゾウは女の子として、四肢を拘束したクラウスの男性器をその縦に割れているおしりの穴できゅっと迎え入れている。そして…クラウスはライゾウの中で果てた。やはりこれは和姦にあたる。
そして、今は立場が逆転している。世の中には彼氏のおしりを掘りたいと思っている女の子もいるので、なんらおかしいことではない。そのままライゾウくんの動きに耐え切れず、クラウスくんはまたも果てた。トコロテンである。もう誰も文句が言えないくらい和姦なのは間違いないだろう。
「うへぇ、えっぐいもん撮れた~。…クラウス先輩、これ、バラまかれたくなかったら悪いこともうしたらダメですからね。しゃぶり合って入れて入れられて、こんなの他の人に知られたらまずいっスよネ。あと今まで同じように撮影してきたブツ、明日処分しに来るから用意しとてくださいね」
クラウスへ今まで女の子たちをレイプしてきた証拠映像や画像を処分する予定を、クラウスの反省の具合を図るためにあえて時間の猶予を持たせてトッシュが告げた。明日、クラウスが証拠品を複製して隠しているようなら、もう一度、するつもりだ。
「さて、ライゾウくん。クラウスの手下どもの昏倒を3分後に解こうか。俺らは帰ろう」
「うす」
ライゾウが両の掌をパンと叩く。これでおよそ3分後くらいにクラウスの手下や学友たちが目を覚ますだろう。その時の反応が楽しみだ。
そしておよそ180秒後…目を覚ました剣聖Jやフォアダイスくんたちが目にしたものは。
「汚れてしまったー!僕は汚されてしまったー!」
一同、皆が思った。一体何があったというのか…と。実はそのうちの一人、ロリエンタール排泄爵の息子は意識を取り戻してその惨劇に聞き耳を立てていたのだが、自分も起きていることがバレたら陵辱されるかもしれないので寝たふりでその場を乗り切っていた。まぁトッシュにはバレていたのだが、あえて気付かないふりをした。トッシュはその方が面白くなりそうだから、と。