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序章『終わりと始まり』5

「大和、こっちこっち」

[あ〜あ!ケイアス、待って〜ぇ。すぐには投げられないよ]


 ケイアスは、青龍の塔の近くで子龍の大和と玉遊びをしていた。そこへ…


「こんにちわ」


 緑の髪の青年が後ろから声を掛けてきた。


「おじさん、誰?」

[誰?誰?]


 顔に見覚えない為、二人はさらりと聞いた。

 しかし…良く見てみよう。彼の顔を――


(お…おじさん?)


 明らかに引きつっている…どうやら、相当堪えているようだ。


「き、君…ケイアス=ブライアンッツ君だよね?」

「そうだけど…?」

[ねぇ、おじさん誰なの?]


と、今度は大和のみ同じ事を聞く。

 それにプチッとキレたのか…緑の髪の青年は、大和を鷲掴みにした。


「ケイアス君、この子龍ちょっと借りるよ?」

「う…うん…」


 そして、そのまま少しケイアスから離れ、物陰に入っていった。


[ねぇ、離してよ〜ぉ]


 大和が駄々をこねていると――


「おい…いつまで幼児になってやがる」


 人が変わったかのように、ドスの利いた声でそう言った。


[な、何の事〜ぉ?]

「ほ〜ぉ…まだ恍けるつもりなんだな?んじゃ…」


 青年はそう言いながら、腰に掲げている短剣に手を伸ばそうとした。すると――


[だあ〜ぁぁぁぁぁっ!]


 大和は慌て始め、体を光らせ、一瞬にして銀色の髪に翡翠色の瞳の青年になった。


「お、脅しは()して下さいよ!アルベルト」


 その口調は、子龍の時とは全く違って大人の感じがした。恐らく、これが本来の大和なのだろう。


「ふん…分かってるなら、さっさとあのガキの報告をしな」

「は…はい…そ、それより…」

「何だ?」

「その口調、そろそろ直しませんか?」

「何でだ?」

「見てますよ?ケイアスが…」

「!?」


 アルベルトは、大和が指差す方向へと振り返った。

 そこには、真ん丸く点にしてこちらを見ているケイアスの姿があった。



 ☆・☆・☆



 話は戻り…


「あ、あの人!?」


 ケイアスは、恐怖を見たような顔で聞く。


「そうだよ。ちょっと二重人格的なとこがあって変わってるけど、結構優秀なんだよ」


 ミカエルの言葉に、


(どこが優秀なんだよ…おい)


と、ケイアスは心の中でひそかに疑った。しかし――


「顔に出てるよ」


と雷鳴に言われ、彼は慌てふためいたが、すぐに落ち着かせた。


「だ、だけど…修行なんて聞いてないぞ!?」

「つまりじゃ。神族は一〇歳になると能力測定をし、その能力に応じた種族で修行を一〇年するという決まりがるのじゃよ・・・」

「ふ〜ん…じゃあ、何で光族なんだ?」

『…!?』


 ケイアスの言葉に三人は驚いた。

 驚くのも無理は無い。神族の中で、能力を見て種族を見抜くものは数少ないのだ。例に出すと、あのアルベルトがそうである。


「(雷鳴がまだ能力を見せてないのに見抜くとは…)教えて欲しい?ケイアス」

「そりゃ…ここまで話を聞いて、聞かない奴は居ないぞ?」

「ミカエル様、そろそろ勿体振らずにおっしゃったらどうじゃ?こやつが何故光族で修行をせねばならぬかを…」

「そうだよ。ミカエル」

「仕方がない。クェス殿がそう言うのだったら話すよ…」


 三人に言われ、ミカエルはため息を深く吐き話し始めた。


「それじゃあ…まずは、君の能力から話そうか」

「俺の能力?」

「そう、君の能力…それは――」

序章はまだ続きますが…ここまでは過去の話です

次からは6年後…ケイアスが15歳、つまり誕生日の前の話となります

お楽しみに…

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