表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/17

序章『終わりと始まり』3

「これはこれは…お忙しい中良くいらっしゃいましたなぁ…おや?」


 ばあばもまた、茶髪の青年に気付いた。


「そちらの方は?」

「あ…ああ、彼かい?彼は、えっと…」


 金髪の青年が思い出そうとすると――


「僕の名前は、神雷鳴(じん らいめい)といいます。クェスおばあ様」


 茶髪の青年――雷鳴が口を開いた。


「お〜ぉ…貴方が、あれの息子でしたか。あれから良く聞いていましたよ」

「あ…あれ…?ああ…父さんからですか…すいません。父さんが不甲斐ない迷惑をかけてたみたいで…」


 どうやら知り合いだったようで、自然と話が弾んできていた。

 それを見て――


(何の話なのか全然分からねぇ…!)


 ケイアスは、その中へ入り込めず、ただただそう思いながら見ているだけだった。

 そこへ――


「君がケイアスかい?」


 金髪の青年が、横から声をかけてきた。


「そ…そうだけど…(ちょ!え!?)」

「今、一瞬狼狽えたでしょ?」

「え?」


 金髪の青年に言われ、ケイアスは何が何だか分からず、間の抜けたような声を出した。


「気を付けなきゃ駄目だよ?私達神族は、『神眼』という霊視能力が備わっているんだからねぇ…いつ誰に視られてるか分からないよ?」

「あ、アンタは一体――」


 青年の言葉に、彼は不思議に思い、名前を聞こうとすると――


「ミカエル!」


 茶髪の青年がその名を呼び…


「み、ミカエル!?って事は、アンタはあの聖王・ミカエルなのか!?」


 ケイアスは大声で驚き…


「くら〜ぁ!」

「イッテ〜ェ!何すんだよ!?ばあば」


 孫の言葉にイラッときたのか、クェスはケイアスの頭に鉄拳を食らわし、彼は涙目で聞いた。

 言い忘れていたが…名前から見ても分かるかと思うが、ケイアスはクェスの孫にあたる…らしい。

 と言うのも…実はのところ、彼の出生には謎があるのだが…この話を後程改めて話す事にするのをお許し願いたい。


「お前の喋り方が悪いから殴ったまでじゃ!」

「んなくだらない事で殴んじゃねぇ!」

「くだらん事とは何じゃ!?くだらん事とは!」

「拳で言うんじゃなくて、口で言いやがれ!」


 ケイアスとクェスは、目と目で互いに火花を散らす。


「あ…あのぉ…」


 そこへ落ち着かせようと雷鳴が口を挟んだ。しかし――


『何!?』


 二人は、ギロリと睨みながら聞き返し、口喧嘩を続けた。

 それに嫌気を指したのか…彼は――


「ちょっと良いですか?」


と改めて言った。


『だ・か・ら!な――に…ぃ…』


 ケイアスとクェスは、雷鳴に同じように言おうとする。が、彼を見た時、二人の周りの空気は一瞬にして氷付いた…ような気がした。


「口喧嘩は良いですけど…僕達も忘れないで下さいね?」

『は…はい…』


 何やらドス黒い気配を漂わせる雷鳴に、二人はもうそう言うしかない。

 何故なら…逆らうと何があるか分からないからである。


(あ〜ぁ…また始まった。ライトの悪い癖が…)


 それを見ていたミカエルは、心の中で密かに呆れていた。が――


「ミカエル…今の僕の事呆れたでしょ?」

「べ、別に…」

「顔に出てるよ…顔に」

「あ…(しまった)」


 そんな思いなど、雷鳴には通用しない。

 彼は、顔を見るだけで心が読める特技を持っていたのだ。


 こんばんわ

 公式HPを開設しました

 まだ仮OPENなので、近々こちらと相互リンクを設置します

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ