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王子なんかいない!  作者: 伊住茉莉
3/4

犬系彼氏

さらさらの茶髪

小さな顔

シュッとした輪郭

ぱっちり二重の目

スッと通っている鼻筋

緩やかに上がった口角

すらっとした体型


 自分が世間ではいわゆるイケメンに分類されると分かったのは高校の時だった。チョコは山ほどもらったし、部活の大会には相手チームが呆れるほど女の子が応援にきた。

 1週間に1回は告白され、振ってみたり付き合ってみたり。いいなと思って付き合っても飽きたら捨てる。やることはクズそのもの。しかし結局は顔だという女の子もいて告白の列が途切れることはなかった。

 時に嫉妬され、女の子に襲われそうになることもあったがそれもこの顔でことなきを得てきた。


 大学生になった今でも、女の子からひっきりなしに言い寄られている現状は変わらない。流石に高校ほど閉鎖的な世界ではないので頻度は下がったが、今でも出会った子に惚れられてしまうことは珍しくなかった。


 色んな女の子と付き合った。頼りにしてくれる後輩系もいいし、色んなイベントを全力で楽しんでくれるノリノリ系も悪くない。何か物足りなさを感じているときに付き合ったのが大学の先輩だった。

 それまでになかった落ち着きと甘えられる環境に堕ちた。だからといって、付き合いが長く続かなかったが。

 短くて2週間、長くて6ヶ月の歴代の彼女たち。最初どんなに好きでも数ヶ月経つころには飽きてしまう。自分から振ることもあれば、飽きを感じ取って自ら身を引く子もいた。

その度に、察しが良くて優しい子は損が多いのかもな。など思った。「お前が言うな」と思ったらその通りである。


 今の彼女は同じ歳の社会人。合コンで出会った。同じ歳の大学生で組んでいた合コンに、数合わせで参加させられていた。当日になって欠員が出て、女の子側の幹事の友達だった彼女が仕事終わりに呼び出されたそうな。

 正直、歳上に魅力を感じ始めた自分にとって大学生との合コンに興味が湧いていなかったので好都合だった。合コンに乗り気じゃないもの同士意気投合し(たように見せかけ)て、その合コンを抜け出した。

 最初こそ「大学生はなぁ〜」と渋っていた彼女だったが、培ってきた経験値の差で向こうが落ち、無事彼女となった。


 彼女の職場と自分の家が近いため、仕事終わりに寄ってくれたり、仕事前日に泊まりにきたりと順調に付き合っている。こんなことを考えている今も僕は彼女の太ももに頭を預けてスマホをいじっている。

 付き合い始めて2ヶ月。いつもだとそろそろ飽きが来る頃だなとぼんやり考える。僕に膝を貸している彼女は手にしていた本の最後の1ページを読み終えてパタリと本を閉じた。


「面白かった?」

「まぁそこそこね」


 彼女が読んでいた本は、僕と付き合い始めた頃から読み始めた。僕の家に来るたびにちまちまと読み進め、ようやく読了したようだった。彼女が本を読んでいる間はずっと膝を貸してくれるので、僕にとっては幸福の時間だった。それが終わるとなると寂しい。

 読み終えた本をテーブルの上に置いたのを見計らって、彼女の腰へと手を回した。


「する?」

「しない」


 ピシャリと突き放されてしまった。いつもは「いいよ」とか「しょうがないな」とか言って応じてくれていたのに。

 彼女は「ごめんね」と言いながら僕の頭をそっと1度撫でてから、膝の上からどかした。その行動に驚きながらも頭をどかす。お馴染みになっていた「いつまで乗せてるの?」「気が済むまで」というやり取りもない。

 なにか急いでいることでもあるのだろうか?今日は日曜日で、泊まっていく日のはずなのに。


「別れようか」


 そう言い放った彼女の表情は穏やかな笑顔だ。


「えっ...と、どうして?」


 いつもだったら、その言葉に笑顔で分かったと答えられるのに。不意を突かれたせいかすんなりと言葉が出てこない。


「別れたいからだよ、悠太くんと」


 嘘をついていない真っ直ぐな瞳に、望みをかけて曇りを探してしまう。戸惑いながら見つめ返す僕をみていっそう笑みを深めた。なんでそんなに綺麗な笑顔なのだろうか。

 何も言えずに呆然としていると、彼女は立ち上がって帰り支度を始めた。コートを着て、マフラーをつけて、そしてカバンの中に先程読み終えたばかりの本をしまった。


「ま、待って。すごく急じゃない?」

「うん、言うのはね。でもずっと考えてたの」


 別れたくない。そう思ってしまった。今まで起こらなかった感情が急に湧き上がった。しかし、今まで振ってきた側の人間の僕。振る側だという実績を投げ売ってまで「別れたくない」と口に出す勇気は出ない。言ってしまいそうになる衝動を抑えながら彼女の手首を掴む。

 彼女は笑顔のままで「どうしたの?」と僕に問う。その笑顔は先ほどと変わらないと言うべきか、いつもと同じと言うべきか。穏やかなままだ。


「まだ知らないことだっていっぱいある」

「全部知らなくたってわかることもあるよ」


 分かること? 一体何のことだろうか。僕と彼女の性格が合わないかもしれないと言うことか? それとも僕がクズだと言うことか? 彼女が指している“分かること”を考えているうちに、彼女に手首を振り解かれた。


「一方的でごめんね。でも気持ちは本当」

「僕が何か嫌なことしちゃった? だったら直す」


 事実上の別れたくない宣言だ。そんなことも気づかないほど彼女を引き留めるのに必死だった。それでも彼女は穏やかに微笑んだまま。


「直せないと思うよ。今の悠太くんじゃ」


 そう言った彼女は、玄関へと歩いていく。展開が急すぎて、縋り付く気力は僕には残されていなかった。せめて何か絞り出そうと、何か彼女を引き止めようと玄関へ向かう。

 何か、何か一つでも話題をとフリーズ寸前で言葉を捻り出した。


「僕といて楽しくなかったの?」


 か弱い声だ。いつもに比べて小さすぎる声で彼女に聞いた。思い出の全てが本当だったのか分からなくなっている今だからこそ、聞いておかなければと思ったのだ。


「楽しかったし幸せだったよ」


 先ほどと同じ真っ直ぐな瞳で彼女はそう告げた。嘘じゃないと安堵しているうちに「ただ、」と彼女は付け加えた。


「悠太くんって、私の苗字知らないでしょ」

「は? そんなわけ」


 ない。と、言えなかった。確かに聞いたはずなのに、肝心な時に出てこない。焦っている僕に「いいんだよ、分かってるから」と彼女は言った。


「じゃあね、ありがとう」

「ゆりちゃん!」


 僕の呼びかけに応えることはなく、ゆりは僕の部屋から出ていった。1人残された玄関で立ち尽くしていた。

 さすがにいつまでも玄関にいたら体が冷えてきたので部屋へと戻る。暖房が効いていて温かいはずの部屋も、居て欲しい人が居なくなったせいか寒く感じる。

 今まで知らなかった喪失感にうなだれることしか出来ない。ほんの少しだけ希望を抱いて「家に無事に着いた?」とメッセージを送ったが、返信がなく既読がついただけだった。


 僕は知っている。

 彼女の名前が立花ゆりだと言うこと。同じ歳の社会人だと言うこと。会社では事務系の仕事をしていること。隣町に住んでいること。携帯のホーム画面がデートの時に撮った写真であること。それから...。

 考えてもそれ以上のことが出てこなかった。全て確かな情報なのに、情報の輪郭が全てぼんやりしている。自分の中ではゆりの事を指す全ての情報が、誰にでも当てはまってしまうことに気づいてしまった。


 ゆりと外で待ち合わせてデートしたのは一度きり。そのデートのあとにゆりは「待ち合わせだと寒いし、やっぱり私がお家に行く方がいいよ」と言った。自分からすれば、来てくれる方が楽だしお金もかからない。そう思ってゆりの提案を受け入れていた。

 ゆりの勤めている会社と家が近いこともあって、ゆりの家には1度も行ったことはない。行きたいと言っても「また今度ね」と毎回はぐらかされていた。

 それに加えて、ゆりはあまり自分のことを話したがらなかった。何か質問してみても、軽い返答が来てすぐに僕の話に話題が切り替わっていた。


 思えば不自然だった行動はたくさんあった。その証拠に、この家にはゆりが居た証明になるものがほとんどない。

 泊まるときに使っていた歯ブラシは毎回使い捨てだったし、泊まりにきてもゆりは絶対に物を置いて帰らなかった。化粧品だって毎回必ず1つも忘れずに持ち帰った。

 唯一ここに置いて帰っていたのは1冊の本だった。それもつい先程読了して、いつも定位置だったテーブルの上には置かれていない。



 最初からゆりちゃんは僕と別れるつもりだった。



 どうしてここまで気づかなかったのか。自分の鈍感さ加減に呆れてしまう。

 自分だってゆりとはいつか別れる心算だった。ただ、僕よりゆりの方が飽きるのが早かっただけ。そう、ただそれだけ。心を落ち着かせようと思ってそう考えてみても、「飽きる」と言う言葉がどうしても腑に落ちない。


 「おかえり」と言ったら「ただいま」と嬉しそうに返してくれたときも。料理に失敗して一緒に笑った時も。感動する映画で泣いた時も。寒いからと手を繋いで寝た夜も。

 あのときに共有した気持ちが嘘だとはどうしても思えなかった。もし、別れたいと言ったあの瞳が真実なら思い出の中の感情は本物だ。


 ここまで考えて、今までの自分では考えられないほどゆりの存在が大きかった事を再認識した。

 いつも以上に付き合い方が緩やかだったこともあってか、この時間が永遠に続くように僕は思っていた。お互いそこにいるのが当たり前である時間が。


 たった2ヶ月で僕の当たり前になってしまったゆり。

 今まで僕は手放す側だった。それのバチが当たっているのかもしれない。もうゆりが僕の彼女に戻ってくれる事はないのかもしれない。


 でも、どうしようもなくもっとゆりのことを知りたい。

 どうしようもなくゆりが恋しい。

 僕の彼女はゆりがいい。


 もう1度ゆりに会おう。そう心に決めた。ゆりの「別れたい」という言葉が本当だとしても、そこに至るまでの過程を聞いていない。僕にはそれを聞く権利があるはずだ。たとえ結果が変わらなかったとしても。


 ゆりにもう1度だけ会って話したいとメッセージを送る。すると、先ほどとは違い返事が返ってきた。「いいよ」のたった一言だけではあるが。

 メッセージではいつ返事が来なくなるか分からないと思い、すぐに電話をかけた。日曜日だからといってゆりは早く寝ないことを僕は知っていた。


「もしもし?」

「どうしたの?」

「会いたい。今から。ゆりちゃんの家に行ってもいい?」

「今日?それに家はちょっとな...」

「じゃあ迎えに行く。会わないとちゃんと話ができない」

「...わかった」


 思ったよりあっさりと了承を得られた。恐らく、一方的に別れを告げることに申し訳ないと思っていたのだと思う。

 程なくしてゆりから住所が送られてきた。住所を確認し、急いで外に出る身支度をする。


 外に出て、駐車場に置かれている車に乗り込んだ。車はおじいちゃんからもらったもので、形見でもある。

 ゆりにその話をしたら「大切な思い出が詰まってるんだね。尚更大事にしなきゃ!」と言ってくれたことを思い出した。今までの彼女には「古い」とか「かっこよくない」とか言われてきて、初めて褒めてくれたのがゆりだった。


 彼女の中には僕を勝手なイメージの枠組の中にはめこんで、理想の中の僕と付き合おうとしている子もいた。けれど、ゆりは僕をそのまま受け入れてくれていた。ゆりが目の前から居なくなろうとしてから気づくことばかりだ。

 今度からは真っ直ぐゆりと向き合いたい。いつか別れる未来を想定して動くのではなく、今のゆりと向き合った先に未来があって欲しい。


 ゆりの家の前につき電話をかける。


「はい、もしもし」

「ゆりちゃん、着いたよ」


 程なくして、部屋から女性が出てきた。きっとあれがゆりなのだろう。慣れた動きで鍵を取り出して、ドアに鍵をかけている。ここにゆりの日常があったのだ。


「車で来たんだね、珍しいね」

「ゆりちゃんに会うなら、大事な車で来なきゃと思って」

「ふぅん、キザだねぇ」


 ゆりはそういって緩やかに笑った。つい先程、僕を拒絶したと思えないくらいいつも通りだった。


「じゃあ、どこか移動しようか」


 ゆりに車に乗ろうと提案すると、ゆりは首を横に振って「乗らない」と静かに言った。ここで話をつけるつもりなのだと悟った。きっと無理に乗せるのは悪手になるので、車の前で話すことにする。

 せめて体を冷やさないで欲しいという思いから、車の中にあったブランケットをゆりにかけた。ゆりは「ありがとう」と小さく呟き、服の袖を小さく握った。


「ゆりちゃん、別れたいっていうのは本当?」

「本当」


 そう言って僕を見つめる目は真剣で、強い意志を感じる。


「どうして別れたいの?」


本当はもっと言いたいことも聞きたいこともたくさんある。言い出したらきりがない。でもきっと僕のすべての疑問を解決させてくれるような時間を与えてくれることはないのだろう。


「最初から別れるつもりだったからかな」

「最初から?」

「うん、最初から」


 僕たちが恋人になった時にはもうこの結末が決まっていたという事実に動揺を隠せない。始まりは確かに僕も遊び半分だったが、少しずつ時間を重ねて変わっているというのは思い込みだったのだ。

 なんと言葉を返すのが正解なのか。ゆりに憤ることが正しいのか、悲しみを伝えることが正しいのか。正しい反応を見つけることが出来ないまま、ゆりを見つめることしかできない。その間もゆりと目が合うことはない。

 ゆりは「最低でしょ?」といって笑った。それに対して僕は間髪入れずに「そんなことはない」と返した。最低度でいったら僕の方がどう考えても上だ。なぜなら僕も別れるつもりはあったのだ。しかし目の前の現実を受け止めることが出来ず、ここまで追いかけてきた。ただの往生際の悪い男だ。

 無言の時間が続く。さっきまでたくさんあった聞きたいことも、なんだか輪郭がぼやけてしまってはっきりとしない。さっきと一緒だ。思いは沢山あるのに、言葉にならない感情ばかりで相手に伝えることが出来ない。というより定まっていない言葉を相手に届けることへの恐怖に勝てないだけなのだが。


「私ね、結婚がしたいんだ」

「結婚?」


 初めて聞いた話だった。付き合う前、付き合ってからも恋愛の話は沢山してきたはずなのに結婚願望どころか結婚のけの字も出なかった。


「悠太くんはさ、結婚したい?」

「結婚、は...したいとは思ってるけど」

「今じゃないでしょ?」


 図星だった。まだ働いてもいないのに結婚なんか考えられるはずがない。


「待っててくれないの?社会人なんてもうすぐだよ」

「悠太くんと結婚することも考えたんだけどさ」


 ゆりはその先の言葉を伝えることをためらうように口をつぐんだ。

 その先を知ることを一瞬怖く感じたが、もうその恐怖心も今更だと思い直して「考えて、どう思ったの?」と先を促した。ゆりは、いいの?と言いたげな表情で僕を見つめてきた。もうどうにでもなれだ。ゆっくりと僕は頷いた。


「考えてね、悠太くんじゃなきゃいけない理由が見つからなかったの」

「僕じゃなきゃいけない理由?」

「悠太くんと一緒にいて楽しいと思えることは確かにあったけど、支え合えないなと思ったの」

「支えあう...」

「終わりがわかってたから楽しめた。もし、そうじゃなかったら一緒にいることも楽しめなかったって、そう思ってるの」


 嘘偽りのない言葉たちに僕は言い返すことが出来なかった。


「もうこれで大丈夫?」


 なにも大丈夫なことはない。結局したかった質問だって全然できていない。これでは、ここまで出向いた意味もないとわかっていても言葉は出てこない。

 ゆりは、僕の無言を了承と受け取ったのか、これ以上話すことはないと判断したのか、背を預けていた車から体を離して僕の方を向いた。


「ブランケットありがとう。最後に話せてよかった」


 ブランケットを僕に押し付けてエントランスへと歩いていく。


“待って”

”行かないで“

“もっと一緒にいたら変わるんじゃないか”

”君についてもっと知りたい“


 結局どの言葉も中身のない空っぽな本心。彼女を引き留められるような言葉を僕は持ち合わせていない。

 でも、せめて。せめて嘘のない言葉を伝えたい。


「ゆりちゃん!」


 一縷の望みをかけて名前を呼ぶと、ゆりは立ち止まってこちらを振り向いた。


「僕、変われるから。ゆりちゃんのために、絶対。僕がゆりちゃんじゃなきゃダメなんだ。そばにいてほしいのはゆりちゃんだから」


 ゆりは穏やかに笑った。

 その笑顔に思わず手を伸ばした。


「ゆりちゃ...」

「悠太くんは変われるよ。私のためじゃなくても変われる」


 そう言ってゆりは僕に背を向けて歩いて行った。もう振り返ってくれることはないのだろう。繋がれることはなく、行き場を無くした右手を下ろして僕はその場に立ち尽くした。

 結局僕の言葉は、ゆりの固い決心に太刀打ちできなかった。扉を破るために振るった刀は、代わりに僕の心をズタズタにしてなくなった。


「ゆりちゃん、すきだったなぁ...」


 その言葉は誰に拾われることもなく、代わり虚しさを増幅させた。ここにいてもしょうがない。そう思って車に乗り込み、家路についた。


 さっきまで確実に手の中にあったものが泡のように弾けてしまった。まるで悪い夢を見ているようだ。

 もやもやといつまでも心は晴れない。

 いて欲しい人が居ない虚しさと違和感で居心地が悪い。この違和感はいつなくなるのか。ただ、悲しみと寂しさで満ちた違和感など無くなればいいと思う一方で、ゆりが僕の隣にいたことを唯一示すのもこの違和感なのだ。

 色んな感情がぐちゃぐちゃと混ざり合った心の鉛が、僕を飲み込もうとじんわりと重く大きくなっていく。


 家に着いてもそれは変わらない。ゆりが出て行ったまま。ふらふらと鉛に従い、ソファに身体を預けて沈み込む。


「...変わろう」


 無意識に口からこぼれ出た。最後にゆりがくれた「変われる」という言葉。信じたいと思った。信じなければいけないと思った。それがゆりが好きだった僕への餞別だ。


 君のために変わる。


 もう2度と人生は交わらなくても。

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