なんで?(2)
俺のステータスは
浅羽春 Lv99
体力 9999
MP 9999
攻撃力 999
素早さ 999
防御力 999
運の良さ 999
スキル
全てのスキル
備考
俺つえーがバレると奴隷落ち
(仲間にもバレても奴隷落ち)
え?いや、なんで?俺つえーはわかったけどいやなんでバレたら奴隷落ち?しかも仲間にもバレちゃいけないだと?
はー、嘘だろ……こいつらに嘘はつきたくないんだが……
しょうがない、そこのクソ神に聞いてみよう。
その前にワイワイ盛り上がっている仲間に少し神と話すことがあると言ってから、クソ神に話しかけた
「なんで俺だけこんな縛りなんですか?」
「それはじゃな……、うーん、やっぱりまだええじゃろう。それは魔王を倒してからのお楽しみじゃ!」
「え、魔王を倒すって?」
「あれ、さっき説明しとらんかったかの〜。まぁ、よいよい。あっちの世界から説明を聞いてから倒すのじゃ」
「わかりました。ありがとうございました。」
聞いてない……俺つえーをバレないように気を使いつつ倒すとかどんな無理ゲー?兎にも角にも魔王討伐だけは話しておかないと……
そう思って仲間のいるところへ行こうとするが、待てよ。ステータスをいじっておかなければならないか。
そういえばこれってステータスを表示させるには言葉にしろって言われてたけど、言わなくてもできんのかな?
(ステータス)
出てこないな、ということはスキル使う時も言わなければダメなのか?
これから使う偽装で一応確認しておこう。
(偽装)
「ステータス」
浅羽春Lv.99
……………
うん、使えないぞ。やはり言葉に出して言わなければならないのか?
「偽装」
「ステータス」
浅羽春Lv.99
……………
あれ、これでもできないのか。なにがいったい足りないんだ?条件付きで言わなければできないのか?それとも、あっちの世界に行ったらできるようになるのか?
と、悩んでいるとクソ神が近づいてきて
「何悩んでいるんじゃ」
「あぁ、いえ、どうやったらスキルが使えるようになるのかなと悩んでいました」
「ふむふむ、スキルの使い方は心の中でも口で言っても良いが使う時はざっくりで良いからどのくらいというイメージを持って使わなければならないぞ」
「なるほど、わかりました」
よし使ってみよう、念には念を入れてあいつらにバレないように心の中で言ってみよう。
えーと、Lv.1
全てのステータスをLv.1にと想像して
(偽装)
できたのか?
「ステータス」
浅羽春 Lv.1
体力 100
MP 100
攻撃力 10
素早さ 10
防御力 10
運の良さ 10
スキル
薬草採取Lv.1、剥ぎ取りLv.1
備考
なし
よし、上手くいってるな。これなら見せても大丈夫だろう。今後どうするかあいつらと一緒に身の振り方を決めなくては。
「おーい、みんなどんな感じのステータスだ?」
「皆のを順に見ていったら?」
『ステータス』
まずは秋から見るか
佐藤 秋Lv.1
体力 90
MP 150
攻撃力 5
素早さ 9
防御力 3
運の良さ 12
スキル
鑑定Lv.1、回復呪文Lv.1
備考
常識人
次は太陽だな
本前 太陽Lv.1
体力 200
MP 10
攻撃力 15
素早さ 3
防御力 30
運の良さ 10
スキル
頑丈Lv.1、限界突破
備考
脳筋
残念なイケメン
最後に雪と
神代 雪Lv.1
体力 80
MP 200
攻撃力 5
(魔法攻撃力は20)
素早さ 8
防御力 2
運の良さ 15
スキル
攻撃呪文Lv.1、防御呪文Lv.1
備考
天然
これはバランスよくできてるなー。ただ、攻撃が欠けてるってことは俺がそこにはいるのか、などと考えていたら、秋が話しかけてきた。
「やっぱり春はバランス型ね」
「そうみたいだな」
「バランス型ってなんだ?」
「太陽くん、バランス型って言うのはね、バランスをとるのが上手いってことだよ」
「へぇー、そうなのか!雪は物知りだな」
「いやちゃうわ!」
「じゃあどういう意味なんだ?」
「いい、2人ともバランス型というのはね、、、」
そんなやり取りを聞いて俺はふと思った。魔王退治したあと、俺らどうするんだ?よくある話だとそのあと国に脅威だからって殺されちゃったり、逆に有能だから生涯遊んで暮らせるぐらいの環境を用意したりするものなのか?取り敢えずは行ってみないとわからないか。
そもそもなぜ異世界に行かなければならないのか?元の世界に揃って転生でいいのでは?
そんなことを考えていると、秋からの説明が終わったらしく納得した顔の2人と疲れている1人が見えた。
先にさっき考えていたことをクソ神に聞いておかないと
春「少しこれからどうするか話しておいてくれないか?俺はあっちでやってた時と目的が変わってないか確認してくる」
3人「行ってらっしゃい!」
そしてクソ神のところへ行き、
「すみません」
「ん?なんじゃ?」
「なんでカーソスに転生させるんですか?普通に元の世界でいいじゃないですか?」
「あぁ、それはじゃな元の世界の転生枠が空いてないんじゃ」
「転生枠?」
「あぁそれはじゃな、上限が決まっているんじゃ。だからじゃな、お前さんたちがあっちの世界から目的を果たして来て帰って来たらその枠を使って戻そうと思っているんじゃよ」
「こちらで待っていてその枠が空くのを待つというのは?」
「それも考えたんじゃが、待つのは1000年くらい待たなければならんのじゃよ。じゃが、あっちの世界で10年くらい過ごしておればこっちで1000年経過したのと同じくらいじゃぞい」
「なるほど、それなら納得です。あともうひとつ聞きたいことがあるのですが、この世界での目的ってなんでしょうか?」
「それはじゃな、魔王を倒すことじゃ!」
「それはゲームの目的と同じということでよろしいですか?」
「そうじゃな、それが正解じゃ」
「……わかりました、ありがとうございます」
そう言って俺は仲間の元へ踵を返した。
「最後にじゃが……行ってしまわれたか」
――なんとなく胸に違和感を抱えたがそれを見て見ぬふりをしたことを後に後悔することになる。
もうこれ作者本人も回りくどく考えてんなと思ったのでいつかサラッとまとめたのを出したいと思います。