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プロローグ1 四人の勇者

side-異世界η

η歴8203,メルヴィス皇国首都ジュターン・王城 召喚の間


 「ええい、まだか!まだ準備は終わらんのか!」

白い髭の目立つ神官が怒号を発した。


「神官様!この部分の解読が出来ません!」

分厚い本を片手に召喚士が悲鳴を上げた。彼等は古い超次元召喚型虚無空間魔力濃縮付与術式・・・異世界召喚魔方陣を復旧しようとしている。長ったらしい言い回しは、物語の後半で説明するとしようか。


「何ィ!?消して構わん、召喚さえできればよい」

「で、ですが―――」

「ローレンツ教皇の命令である!一刻も早く完成させよ!」

 渋々、魔法文字の一部を消し、理解できる魔法構文ワードを書き込んだ。本来ならばこのような行為は魔法の動作に影響を及ぼし術式を不安定にする禁忌(タブー)なのだが、「速やかに召喚を行え」という部分を強調して無理矢理ペースを上げさせた。


無知は罪。私利私欲のために行われる不正によって、至高の英知の結晶は劣化改悪されてしまった…




 こうして、多少歪で所々に空白の目立つ召喚魔方陣は起動した。いや、多少どころではない。時々火花が散り、起動するのがやっとの状態だ。




魔力を流し始めてから47時間後、ようやく異世界人を召喚できた。しかし、本来一人召喚するはずが、五人地球から召喚されてしまったのである。



白い煙が立ち込める中、話し声が聞こえる。

「大丈夫だ、君は俺が守る!」

「翔君・・・」

かれらの人となりについて他己紹介をしよう。バカップルが中野翔と佐藤あかり。バカップルである。爆ぜろ。そして爆ぜr

「いいかげんにせい!」

ツッコミの西村朱雀、苦労人のオカンだ。度々いちゃつく二人を毎回止める羽目になっている。ただ、タイミングが完璧すぎた。今後は地の文は少し自重していこう。

「」

朱雀の影で震えている少女が望月遥。

彼らが召喚の間に召喚された【勇者】である。




「そなたたちは魔王を倒す力を持った、選ばれし勇者なのじゃ。余はメルヴィス皇国教皇メルヴィス=レティクル=ヴァン=ローレンツであるぞ。勇者諸君、先ずは余に忠誠を誓いたまえ。」


「魔王?魔王がいるのか?」


「そうじゃ。今、世界は魔王によって滅亡の危機にあるのじゃ。」


「要は魔王を倒せばいいんだな」

違う、そうじゃない。静観することもできたが、ここまでひどいと思わず伝わらなくても声を荒げてしまうというもの。


「その通りじゃ。」

そんな単純な話じゃないのだ。


「これはゲームちゃうんねん。命を懸ける覚悟でけてへんやろ?」

元々動物が好きな彼女はRPG系のゲームが嫌いだ。ここでいうのは“相手の”命についてであり、まだ当事者としての自覚が足りない。


「それは…そうだけど…」


「翔君、この世界の人を見捨てるの?」

翔=完璧超人聖人君子であると信じて疑わないから発せられた言葉なのだが、それは理想の押し付けだ。


「そんな訳ないじゃないか!俺、魔王を倒して見せます!」

押しに弱い系テンプレ主人公かな?


「しゃーない。ほな、うちもついていくで!」

なんだかんだ言って、退屈な日常が劇的に変わったのだ。興奮しないはずもない。


「」




こうして、勇者一行(1名を除く)は魔王を倒す決意を固めた。全員まだ14歳で完全に異世界に飲まれてしまい、決意の後ろに(笑)を付けた方が良かったかもと些か後悔している。


更にもう一つ、この世界に召喚された異世界人は()()である。残りの一人は当然、別の場所にいるのだ。

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完成版(予定) 「サモン術式がバグった為、異世界で好きに生き抜く」 修正版・現在更新中 「サモン術式がバグったから、この世界を好きに生き抜く」 「サモン術式がバグったから、この世界を好きに生き抜く」 暫くはこっち優先で投稿する‥‥予定。
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