表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

歯車

作者: 東風 晶子

どこで歯車狂ったのか。

ずれた歯車からからと回る。

ずれたまま、溝を穿ちながら、からから。


信じていた。

隣り合って、綺麗にかみ合って、からから回っていると。


一緒の未来を見ていると思ってた。

でもお互い近づいて、その距離がゼロになって。

視線の先を辿ったら、少しずれてることに気付いた。

その些細なずれを見過ごせなかった。

同じ未来を見たいと、そう思ってたから。


ここを見て。

私を見て、私の視線の先を。

同じ未来を、一緒に生きて。


必死だった。

同じ風景を、世界を、未来を見てほしかったから。

あまりにも必死だったから、気付かなかった。

それはむこうにとっても同じだということに。


始めから、互いの願いはひとつだった。

「一緒の未来を生きる」

何より大きな願いだった。


けれど現実は残酷で。

そんなたったひとつの願いすら、上手くいかない。

願いを叶えるための行動が、空回ってずれていく。

ずれた歯車が、からからと回って。

巡り巡って「ずれ」は「溝」に。

いつのまにか願いは霞んだ。


どこで間違ったんだろう。

どこからずれてしまったんだろう。

それとも、始めからずれていたのかな。

問いかけても答えは返らないまま。


どこで歯車狂ったのか。

ずれた歯車からからと回る。

ずれたまま、溝を穿ちながら、からから。


好きだった。

ずっとずっと好きだった。

もうすべて壊れてしまったけれど。

どうか、幸せに。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ