友人の変貌
魔界。
そこは永遠と暗闇が続く場所。
「はぁ〜。そろそろ人間が欲しいな。」
「やめとけ!ガルス!前にも喰っただろ」
モジャモジャと毛が生えたジンがガルスに激怒した。
「神崎家には、強い神の匂いがするんだよ!」
強い神が居るから喰うのは当たり前だと言うような口調で言って来た。
「そろそろ限界値に達するんじゃないのか?だから本当にやめてくれ!俺はお前を失いたくないんだ!」
モジャモジャのジンが演技をしているとは思えなかった。周りにいたジンは嘸かし驚いただろう。こんな屑を気にかけるのか…と。
だが、優しいジンの言葉はガルスには一切届いていなかった。こう言う奴を人間界の言葉で「自己中心的」と言うのだろう。
「すまんなカイヌ。生憎、俺の趣味でな。
人間の味に嵌ってしまったんだ。まぁ、人間の味もあるが…あの人間が泣き叫ぶ声、脚を捥ぎ取った時の失望の顔、そして喰う時の音‼︎
あ〜!考えただけでゾクゾクして来た!」
ガルスは最早完全に自分を制御出来ていなかった。目の前にいる「化け物」を見たら誰しも恐怖で頭が一杯一杯になるだろう。
その後、カイヌはテレパシーであるジンに繋げた。
「ゾンク先輩。こちらカイヌです。ガルスは覚醒したと思われます。排除の準備をお願いします…」
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