冷たい人
子供のころ意地悪な子がいた
いつも私を仲間はずれにしたし、陰口をたたいては嗤っていた
忘れることはないけれど、彼女たちのことを冷たい人だとは思わない
だって誰かをいじめるってことは、多少なりとも関心が向いたってことだと思うから
私に向けられた感情が悪意であっても、確かに私に向けられていたから
私はどうだろうか
彼女たちのことを好きでも嫌いでもなかった
いじめられていることにすら気付かないほどに、関心がなかった
いつも、誰に対しても興味が湧くことなどなかった
友達だって、必要だから作った
学校以外で会うことなどない 必要じゃないから
友達の話は聞くけれど、当たり障りのない相槌ばかり
話が広がると面倒だから
親や友達が体調を崩したとき、心配しているように声を掛けるけれど
本当はどうでもいい
多分私をいじめていたあの子たちは、情に厚い人になっているだろう
友達思いで家族思いの、いい子になっていることだろう
冷たいのは私だった
私のほうだったのだ