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俺たち異世界大発見伝  作者: カネシロ 
第1章   『冒険者』編
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第7話   『冒険者として生きる道』

 冒険者支援協会の入り口に着くと、ペシャさんは職員を呼び寄せ、俺たちを任してフラフラ~っと消えてしまった。

 

 ここに「異世界案内職『アテンダ』」の本部があるとか言ってたし、本部に行ったのだろう。



 職員には冒険者システムの説明を受けた。

 

 まず、戦闘職になるとステータスプレートという、小さな長方形の金属板がもらえる。

 このステータスプレートを「自動筆記式更新機」というタイプライターのようなものに差し込むと、和紙のようなA4サイズの紙に自身の現在のステータスが書き込まれる。

 そこで自分の成長度を知るわけだ。

 


 ステータスの表記は

 

 ・体力 ・力 ・素早さ ・技術 ・魔力 ・防御 ・運  



 が大きく太枠の中に記され、その下に職業ごとのスキルに合わせたステータスが記される。


 例えば、「剣士」なら「直感」、「弓兵」なら「視認」とその幅は広く種類も多いため、自分の好みのスキルに合わせて育てていくそうだ。


 ちなみに、敵を倒したりして手に入る経験値は自分で好きに割り振れるわけでなく、戦闘に使ったスキルに合わせてステータスに加算されていく。


 これもまた「剣士」で例えると、剣でとにかくぶった切るスキルばかりを使用して敵を倒せば力が、狙いを定めて急所をつき剣を冷静に刺すスキルを使用すれば技術が向上するなど、もし自分の成長したい道や戦闘スタイルがあればそれにあったスキルを中心に使用するべきだそうだ。



 スキルは使用と共に精度も威力も上がる。


 しかも、ステータスも、どのスキルも成長と習得の上限はないので、理論的にはその職業のすべてのスキルを持ち、極める事も可能だとか。

 だが、それを達成するには途方もない時間と努力が必要で、そんなことをしている奴より1つを極めた奴の方が断然強いそうだ。



 説明を受け、さらに複数の戦闘職の紹介もしてもらい、俺たちは一旦解散して、職業を選び、技能を習得した状態で集まることにした。



 俺は歩いて職業を見て回りながら感心の息を漏らした。



「戦闘職だけでも色々あるんだな・・・。」



「剣士職『ソディア』」

「騎士職『パラディス』」

「魔法職『マジスタ』」

「弓兵職『アーチ』」

「戦士職『ファラック』」

「偵察職『スカウト』」

「海兵職『マリント』」  などなど。



 他にも、例の派生職のファミリーもあり、ごちゃごちゃだ。

 スキルの習得は必要なステータスに届いていれば、魔法装置にて学習&習得が出来る。

 


 魔法装置に関してはぶっちゃけどこの魔法装置を使ってもスキルの習得が出来るらしく、職業あたりに魔法装置が置いてあるのはその職業の技能習得のためだけだそうだ。


 魔法装置は冒険者支援協会の支部には必ずあるらしいので、成長したらバンバン使っていきたい。

 もし、いらないスキルを間違えて習得してしまっても、使わなければいいだけだし、邪魔に感じるなら魔法装置で消してしまえばいい。


 魔法装置便利すぎだろ。



 俺はもともと「戦士職『ファラック』」でガンガン殴りファイトしたかったので、戦士の技能を習得することにした。



 格闘ゲームのイメージでゴリゴリ半裸のおっさんが歩き回っているイメージのあった俺は、「戦士職」の建物に入ったとたん拍子抜けしてしまった。


 確かに他の職業よりゴリゴリマンは多いのかもしれないが意外にも女の人が多くいる。

 しかも建物の中にいる人の半分以上は大して筋肉もなさそうだ。

 はて、これは一体・・・?

 すると受付のヒト種のお姉さんが声をかけてきた。



「いっらしゃいませ。戦士職をご希望?」



 胸元はサラシで巻いて、肩に上着を羽織って、何とも艶めかしいお姉さんだ。

 そんなに際どい恰好で大丈夫なのか。


 思えば店内の人もどちらかと言えば薄い恰好の人が多かったし、良いんだろう、きっと。



「は、はい。お、俺、戦士になりたいっす!」



 思わず前かがみになりかけ、焦って声を出したら変な声が出てしまった。



「よかったわ。だったら、こちらにいらして。技能の習得を行いましょう?」



 お姉さんに子供をあやされるように接され少し気恥ずかしくなった。

 お姉さんより俺の方が身長デカいのに、お姉さんになんだか圧倒される・・・。


 しかもなにこれ、まるでいけないお店に入ってしまったようだ。

 周りの戦士の皆様もなんかニヤニヤ見て来るし、公開処刑と言えなくもない。



 そんな中、俺は奥の部屋の魔法装置に腰をかけ、お姉さんが準備に取り掛かった。

 緊張で無言でいると、お姉さんがクスリと笑い、準備をしながら俺に話しかけてきた。



「あなた、今年で16歳になるの?どこ出身?」

「あ、いえ、俺は17歳です。出身は、この世界じゃないです・・・。」

「あら、あなた『フォーリル』なの?ヒト種の『フォーリル』なんて珍しいわ。」

「フォーリル・・・?」

「ええ、そうよ。異世界から来たばかりの訪問者を、私たちは『フォーリル』って呼んでるの。」

「へぇ・・・。」



 そうだったのか。



「ふふっ、じゃあこの世界についてもあまり知らないのは納得ね。」



 お姉さんは微笑みながら続けた。



「戦士はね、一番敵と肉薄して戦うの。おかげで怪我も多いわ。でも、意外でしょう?女の子から細い男まで戦士になるわ。彼らはみんな魔法がある程度使えるのよ。そういう人たちはね、魔法戦士というのが正しい気がするわ。」

「魔法戦士?」

「そう、魔法戦士。あの人たちはみんな魔法を身にまとわせて敵に近付いて、ゼロ距離で魔法を当てる、そういう戦い方をするわ。拳をぶつけるより、魔法を放つことを考えてるの。」

「それは戦士、なのかな・・・?」

「どうかしらね。もちろん彼らのやり方は戦士の戦いの基本だし、これが戦士っていうものはないけど、私の思っていた鉄拳制裁の戦士とはちょっと違うかもね。・・・あなたはどうなりたい?」



 準備が完了したのだろう。


 お姉さんは俺の正面に回って、目を見ながら聞いてきた。

 これは、覚悟を決めるため、決意を表す場だ。



「俺は・・・」



 決まっている。



「俺は敵を蹴り上げて、拳で敵をブッ飛ばす。そんな戦士になりたいです。」



 お姉さんは満面の笑みで答え、魔法装置を起動した。



「よかった。なら、あなたは今から一人前の戦士よ。存分に、戦いなさい。」



 戦士技能と、もともとのステータスで得られるスキルを何個か覚え、俺は魔法装置の部屋を出た。

 技能習得後は戦士の人たちから大声援で迎えられ、戦士としての証、腕輪とバンダナをもらった。

 

 そして、戦士職の服を貰った。

 ハイキングの格好も微妙だし、着替えてから建物を後にした。



 集合場所に走っていくと俺以外全員集まっていた。

 

 みんなが選んだ職業はほとんどバラバラだった。

 

 俺は「戦士職『ファラック』」、力雅は「剣士職『ソディア』」、林と晴花は「魔法職『マジスタ』」、幹夫は「偵察職『スカウト』」、光は「弓兵職『アーチ』」を選んだ。

 

 林と晴花に関しては林が回復や防御、攻撃力増加など補助系の魔法、晴花が攻撃魔法を使用するそうだ。

 晴花なんかに魔法を使わせて平気なのか、と思ったが同じ魔法職の林が色々セーブしてくれることだろう。


 しかし、みんなもそれぞれ着替えていたが、衣装の似合いっぷりはなかなかのものだ。

 

 力雅の格好はなんだか俺と似ている。

 この上に防具でも装着するのだろうか。

 

 林はそれらしい魔法帽と長いローブの姿、いかにもイメージ通りの魔法使いと言ったところだ。

 

 晴花はサイズが二回りくらい大きい魔法帽を頭に斜めにかけ、衣装は丈の短めなスカートとローブとおてんば魔法使いという感じか。

 これはこれで似合っていて、同じ魔法職の林とキャラ被りしない具合になっていてちょうどいい。

 

 光は短いスカートに元々履いていた長めのスパッツ、上には小さなマントを羽織り動きやすそうな格好をしている。

 

 幹夫はなんだか暗い、目立ちにくい色が多い。

 偵察職を選んだからだろうか、腰くらいの長さのフード付きマントを着て、靴はまるで素足のようにピッタリと張り付いている。

 それでいて幹夫の人懐っこい顔ときたら、普段人をからかう林も褒めるほど、ギャップですごく似合う。


 そうしているうちにミシャさんが戻ってきて、俺たちは冒険者支援協会の所に戻り、冒険者として登録をした。

 


 最初のステータスを確認した時に一番潜在的に強かったのは、なんと晴花だった。

 魔力と体力が桁外れに多く、周りの冒険者や職員さんが度胆を抜かれていた。


 俺はというものの、自慢の力と素早さはかなり高い値だったが運と技術がめっぽう低い。

 戦士だからそんなに小手先の技術はいらないとはいえ、少し心配になってくる。


 みんなもそれぞれのステータスとスキルを見て、課題を各々決めたようだ。



 その後、異世界からの訪問者「フォーリル」である俺たちは、冒険者になった支援として初期資金をもらった。

 このお金で武器や防具などの装備をある程度整え、冒険者になる。



 俺たちはみんなで店を回り、相談しながら自分に合う装備を買い、今日、冒険者として初めての依頼を受けることにした。


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