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俺たち異世界大発見伝  作者: カネシロ 
第1章   『冒険者』編
14/33

第14話  『第2の街 ネクスタ』

 夕飯を食べ終わったあと、男部屋に集合し、今後の計画について話し合った・・・のだが、まぁ時間はほとんどかからなかった。

 

 みんなもう次なる土地に向かう事を決めてたみたいだ。

 

 しかも、我らフレイムズに何とも都合のいい指定依頼が舞い込んだ。

 


 依頼には4種類あり、依頼人が支援協会に依頼を委託する「普通依頼」、支援協会が依頼を出す「特別依頼」、パーティーや冒険者指定で依頼がされる「指定依頼」、そして支援協会が強制的に発令する「特殊召集」だ。


 俺たちは特別依頼のモンスター退治をよく引き受けていたので、支援協会からも信用を受けていたので、指定依頼を受けやすくなっていた。



 そして、今回の指定依頼の依頼人は王都より遠方販売を行っていた商人で、オリジナからネクスタへ販売拠点を移すため、移動する商人と積荷の道中の護衛だった。


 よほど儲かったのか羽振りがよく、無償でこちらの移住用の荷物も載せてくれると言ってきてくれた。

 もちろん、冒険者の積荷も載せれば冒険者もやる気を出すだろう、と思っての行動だとは思うが、これはなんとも嬉しい。



 すぐに決定すると、それぞれ自分の荷物をまとめるために解散し、早朝の依頼に備え早く寝た。


 

 少し気になったのがあの3人の様子だ。


 あの恋愛沙汰があると少し鈍ってしまうのではないか、と思ってた。


 だが、どうも心配のし過ぎだったようだ。


 計画を練っている間の幹夫は、前よりなんかスッキリとした感じで話していたし、晴花と力雅も時折お互いに見合って挙動がおかしい時もあったが、いつも通りと言えばいつも通りだった。



 取りあえず何とか解決、といった所か。

 幹夫は解決したかどうか分からないが。



 そして、翌日の朝1番の鐘がAM 6:00にオリジナへ鳴り響き、俺たちは自分たちの荷物を馬車に載せて貰い、早速開門された北西門から出ていった。


 

 馬車は2台あり、前を歩くのが商人たちが乗る馬車とその荷台、後ろを歩くのが商売道具積荷用の馬車と荷台で、それぞれ馬が2頭。

 大体この速度だと到着まで8時間ほどかかるらしい。


 俺たちは積荷用の馬車の後方に力雅と光、商人の乗る馬車の前方に俺と幹夫、そして、それぞれの台車の上に林と晴花を乗せて貰い馬車を取り囲みながら歩いた。



 途中の道、ジャイアントラットのような自然発生モンスターやゴブリンなどが襲ってくる。


 しかし、レベル1~2モンスターに苦戦することは無くなってきた。

 襲ってきても即座に対応し、モンスターを撃破する。


 ただ、数が多いのにはどうしようもなく疲れた。

 モンスター達は何故か異常なほどこの馬車に引き寄せられ、襲撃を仕掛けて来るのだ。


 

 これはどうしたことか。


 恐らく討伐依頼で言えば10個ほどの依頼をクリアしているくらいには出て来る。


 

 すると、途中の街「ヌルトリエ」で休み積荷を確認している商人がタネ明しをしてきた。



 どうも、高価に売れる干し肉や干し果物の匂いに誘われて、寄ってきているのではないか、とのことだった。


 そして、休憩中に差し出されたその干し果物を口に含むと、それはもう絶品だった。


 外は粘つきすぎずパサつかない柔らかな歯ごたえで、中身はプルプルのゼリーのような果肉が詰まっていて、噛めば噛むほど甘さと芳醇な香り、そしていいアクセントで酸味が効いてくる。

 しかも食べるとまるで魔力が湧き上がってくるようだ!


 

 聞くところによるとこの干し果物は「マルコッタ」という木になる果実で、オリジナの北にある街「メトリ」の近くの湖にしか生えていないので希少なんだとか。

 そして、ドライフルーツのようにすればかなり日持ちし、これを食べると実際に基礎魔力が一時的に補充されるらしい。

 しかも料理にも調味料として、広く使えるというのだからそれは高価なはずだ。



 そんな高価な干しマルコッタを数個も貰い、俺たちは道中異常な活発具合で、襲い来るモンスターを撃滅していった。


 力雅の一振りで2体のゴブリンの首が跳ねとび、光の矢もまるで吸い込まれるように目玉や心臓などの弱点を突き抜ける。


 これほど効果てきめんなら、金がたまって上級依頼も受けれるようになった時には、是非この干しマルコッタを買おう。



 しばらくして、ネクスタの街が近付くと流石にモンスターの出現頻度も下がってくる。



 その姿が見えてきたところで、モンスターは一切出現しなくなった。



 あれが「第2の街 ネクスタ」。

 


 第2の街、というのは、大体オリジナからステップアップを考える冒険者や、支援協会の要請でオリジナから移される、強くなった冒険者が次に居座る街だからだ。


 ネクスタはその全長こそオリジナよりも小さいが、そこに住む人の数は圧倒的に多い。


 支援協会が配下に置く街の中で最も人口が多いらしい。


 これは、魔王領と最も近い「第3の街 サーディア」の中継地、そして、「王都 ギブア」から近いということで人が多くなっている。


 

 また、その発展度も中々のもので、オリジナよりも整然とされたイメージを持つ。


 オリジナが茶色い木と雑多な雰囲気を感じさせるなら、ネクスタは白い石と賑やかな雰囲気を感じさせる。

 以前テレビで見た、イタリアの街並みを思い出す。ただ、オリジナより更に内陸寄りなので海からは遠いが。


 魔法設備や魔法道具も発展しているらしく、その防壁もより堅固で警備する警

備隊も中々に強そうだ。



 門は常に開け放たれているのか、開きっぱなしになっている。



 そして、この商人はよほど有名なのか、街から何人か人が出てきて丁寧にお迎えをしていた。

 


 街の入り口で俺たちは荷物を降ろし、商人から依頼達成用のサインを受けた。


 そして、頑張ったお小遣いと言って金貨6枚を貰ってしまった。

 何とも気前のいい雇い主だ。


 俺たちも頭を下げ、またいつか機会があれば依頼を受けさせてもらえることを約束した。



 取りあえず、本来の護衛依頼の報酬をもらうために冒険者支援協会ネクスタ支部へと向かうことにする。


 

 ネクスタ支部は街の中心にあるらしく、入り口から魔法運輸が走っているらしい。


 この街はどうやら魔法運輸が活発なようで多くの車両が飛び交っている。

 また、さらにその上空には「ミニドラゴニル」という小さい召喚獣の竜に乗った派生職「竜騎士」が空を舞い、上空の安全を常に守っている。



 オリジナに着いた時も思ったが、文明レベルは俺たちの世界の方が上でもこんなに活気があって、半未来的なのは羨ましい限りだ。


 それに、俺たちの住んでた地域は田舎だったせいで、こんなに多くの人や建物はまず見ない。

 こっちのほうが活発で羨ましい。



 俺たちは引っ越し用の荷物もあるし、1人あたり1枚の金貨をお小遣いで貰って、ちょっとした小金持ち気分になってたので、銅貨1枚を支払いネクスタ支部行きの魔法運輸に乗った。



 空を浮く魔法運輸は、ゆったりとした速度で走っていく。


 窓から外を見ると、ネクスタの景色が味わえる。


 これが飛行機みたいなものなんだろうな、としみじみ思う。


 オリジナの魔法運輸は上空に自然生物が沢山飛んでいるためほぼ建物1つ分く

らいしか浮かなかったのであまりそのような感じはしなかったが、ネクスタはマンションのような大きな建物もあり、その分魔法運輸も高く浮く。


 俺は生まれて一度も飛行機に乗った経験が無かったので、これは感動する。

 少しロープウェイにも似ているか。



 10分くらいすると目の前に大きな塔が見えてきた。

 どうやらあれがここの冒険者支援協会のようだが、なんていう規模だ。

 

 見れば塔から何台も魔法運輸が出入りしており、ターミナルのようになっている。


 塔は階層分かれしているらしく、一番上の階は竜騎士の発着場で塔の中心にある五角形の小広場の周りに円形の足場が浮いていて、足場に竜を降ろして召喚を解いて別の竜騎士と交代をしている。


 竜騎士の階層の下が魔法運輸の発着ターミナルとなっていて、その下に数階を挟んで城のような支援協会の建物と直結している。



 このいかにも壮大なRPGの城のような雰囲気に俺たちは刺激されて興奮しながら到着を待った。



「すっごい!お城!えーー!?」

「やべぇぞ、すごいな!」



 晴花&力雅はまるで子供のようにはしゃいでいたが、俺も窓を開けて身を乗り出してその「城」を見ていた。


 

 しかし、この世界のこういう技術はやはり建築職のスキルなのだろうか。


 するとなんともスキルの精巧かつ便利な事か。


 真ん中から突き出る中心の塔を囲む、城の周りに建てられた6本の細い塔は、とても細かい彫刻が彫られていて、1つの物語のように人や生物が描かれている。

 そしてその細い塔の先端には、それぞれ女神のような像が立ち皆手に丸く青い水晶を持っていて、非常に美しい。



 こういうことが出来るなら、冒険者にならなくても面白いのかもしれない。

 


 あともう少しで城を囲む小さな塔を過ぎる、という所で、西の方角を向いた林が俺の袖を引っ張り尋ねてきた。



「信浩君、あれ、なんだか分かる?」



 その方向を向くと何やら黒いものが空を浮いている。

 遠くて良く見えないがこちらに向かっているのだろうか?



「なんだ、あれ?」

「分からない、けど、なんか怖い気がする。」



 恐いというのは良く分からないが、あれが何なのか少し気になる。

 光なら「鷹の目」スキルで確認することが出来るだろうか。


 

「なぁ、光、あれ見える?」



 俺は荷物をまとめている光を呼んで見て貰うことにした。


 

「んー?」



 そう言って光はぴょこぴょこと跳ねながら近づいてきて、林と俺の間に割って入り、手で望遠鏡の形を作る。

 そしてハッ、という小さな気合の声と共に黒い何かを凝視する。



「ん~どれどれ~・・・、ん?あれって・・・うわっ、や、」



 光が何かを言いかけた所で、その黒い何かが一瞬だけ光った。

 そして、爆音が魔法運輸を揺さぶり、竜騎士が上から降ってきた。


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