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色惑う 黒の戦士  作者: watausagi
二章 銀の国編 合わせ鏡。それは無限に続く世界。ひねりもしない平行世界。されど、手を伸ばす事は出来た。
66/70

その手は絶対離さない

◇◇◇◇◇


「絶対に忘れない」


 右手を伸ばして空を掴む。確かにそこに温もりを感じた。


 ーーここは俺の部屋。貝殻カレンダーも冷蔵庫もなく、代わりに繊細な装飾がされた家具やフカフカのベッド。


 黒の戦士の、アリスの部屋だ。


『ーーきて、起きてくださーい』

『止めてアースン。ここまで頑なに部屋から出ないという事は、もしかしたらそれなりに事情があるかもしれません』

『だ、大丈夫か?』

『うむ、確かに……アリスが今精神的ショックを受けているのならば、あれは本当にラブレターではなく、絶交宣言だったのかもしれない。くっ、私とした事がそんな可能性を考えなかったとは……!』

『どけ姦しい。強引に突き破ってやる』


 ……扉の外が騒がしい。


 そうか、もう、朝か。急いで支度しないと、確か今日の昼までにキャンパス草原まで行かないといけない。時間的に厳しい。


 それに、一つ用意してもらいたいものがあるしな。


◆オマケ◆


ナイト「うーん」

ラッセル「どうしたの?」

ナイト「実はラブレターなるものを貰ってな。恥ずかしながら、生まれて初めての経験だ。どうすればいいのか見当もつかない」

ネイユン「意外ですね」

ラッセル「ラブレターか……僕には縁のない話だから。ごめんね、助けになれなくて」

ナイト「……いや」


 ここで回想。


食堂のお姉さん「はい、オマケ」

ラッセル「わーありがとうございます。僕トマト大好きなんです!」

食堂のお姉さん「そ、そそそんなに喜ばなくてもいいわよ。私が勝手にした事なんだから。……ステキな笑顔」


 別の回想。


お淑やかな先輩「あ、ラッセル君久しぶり。偶然ね」

ナイト「ここは男子寮のまん前ーー」

お淑やかな先輩「偶然ねナイト君」

ナイト「……はい」

ラッセル「お久しぶりです」

お淑やかな先輩「ゴクっ……え、ええ。あ、そうだ、これ、調理の授業で余っちゃったんだけど、ラッセル君にあげる」

ラッセル「チョコレート! 僕大好きです」

お淑やか? な先輩「それはもちろん調査済みだから……な、なんちゃって。そうなの? 喜んでもらえて嬉しいわ」

お淑やかなはずがない先輩「……チョコレートを頬張るラッセル君……溶けたチョコレートまみれのラッセル君……ゴクッ」


 またまた回想。


子猫「にゃーおん」

ラッセル「あ、こんな所に子猫が」


ナイト「どれ、俺がギルドまで届けて」

子猫「シャァーー!」

ナイト「……」

ラッセル「怯えているんだね。よしよし、怖くない、怖くないよ」

子猫「にゃぉん」


 最後の回想。


強面な男「……」

ラッセル「あ、あの?」

警戒するナイト「何か用があるのか?」

強面な男「……これ」

ラッセル「花?」

強面な男「……昨日、見つけた。お前に似合うと思ってな」

ラッセル「え、えっと、どうも」

照れる強面な男(乙女?)「……ん\\\」


放心するナイト「」


 回想終了。


ネイユン「最後は少しおかしい気がしましたけど、ラッセルこそ、実はモテモテというやつなんですね」

ナイト「本人があの様子では、確かに俺の助けにはなってくれないだろうがな」

ネイユン「ですね……とりあえず、差出人に会って、それから考えてみてはどうです?」

ナイト「……それが一番か」

ネイユン「ガンバ、です」


 ※ ナイト に 彼女 が 出来た ※

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