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the life of bible〜プロローグ〜

この話を書くにあたり、登場人物ほぼ全員にモデルとなる人物が存在するわけですが、あくまでもモデルであって、その人柄だったりエピソードだったりは筆者の妄想の範囲内です。

つまりはフィクションなので、現実に存在する団体や人物、出来事等とはなんら関係がございません。

そもそも私がそのバンドと出会ったのは運命だったのだと思う。


高校2年生の時、私は酷く振られた。

もともとマイナスからのスタートだったし、常識のない田舎者の小娘だった私は、執拗に(名前を思い出せないからAくんとしよう)Aくんに対してアプローチをし続けた。


返事がなくともひたすらにメッセージを送り続ける、最初は優しかったAくんもしだいにそっけなく、ついには返事をくれなくなった。もちろん、Aくんの友人に煽られるのが怖くて、学校で話せるわけもなく。


誰がどう見ても、脈なんかない。数少ない友人たちもやめておけと言っていた。


証拠を残さないために、直接言った方が可能性があるかもしれないとか考えたりして、さらに体育館の裏なんかに呼び出しちゃったりして、サブすぎた。


案の定振られた。メッセージで。今までなんの反応もなかったくせに、向こうから初めて来た文面がこれだとは、皮肉なもんだ。


他人の心は他人のもの。どう働きかけたって無理なもんは無理。


知ってはいたけど、知っているだけで理解なんかしていなかった。


その日の夜はいつもと変わらない夜であった。家に着いてから死んだようにお勝手(リビング)の畳で眠った気がする。


次の日になってメッセージを見返すと、やはり現実にあったことらしい。


急に悲しくなってきたのか、涙が出てきた。


明日からどうやって生きて行こう。

いや、もともと付き合ってたわけじゃないし、クラスだって違うし、生まれてからずっと一緒だったとか互いがいなければ命の危険があるわけでもないし…


考えれば考えるほど、結局Aくんの返事に納得出来てはいなかった。


常識のない田舎者の小娘の私は、生まれて初めて失恋をした。


親が何事かと聞いてきたが、なんと言い訳したのかは覚えていない。


親のパソコンを立ち上げ、某大型動画サイトを開いた。


あの時の私は完全に自分に酔っていたのだと思う。


『失恋 曲』


それで検索をした。


メジャーな曲、だめだ。多くの人が共感できたとしても今の私に応援歌なんて。

やり直そう?いや、やり直すも何も始まってすらいない。もっと、もっと無いのか。もっと低い次元の失恋の歌は。


ミュージシャンとやらはリア充しかいないのか?精神的に未熟な私には世の中全てが敵な気がしてきた。


その時、一つのグループ名が目に飛び込んできた。再生数は少ない。しかし評価はいい。


どうせ時間はある。


再生ボタンを押した。


それが出会い。田舎者にはインターネットは画期的だった。


大して有名でもなかったバンドに、常識のない田舎者の小娘は元気づけられたのだ。


同時に、生まれて初めて好きなアーティストができた瞬間でもあった。


それは今でも変わらない。

上京してもさえない生活を送っている、大学生の今でも。


篠山えりかの好きなアーティストは、

『 high est (ハイエスト) 』。

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