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ポンコツ魔術師の凶運  作者: 池金啓太
十三話「救いを与えるのは生か死か」

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か弱さの定義

「そう・・・手掛かりなかったんだ・・・」


「ごめんなさい、あれだけ大口叩いておいて収穫なしなんて・・・明日から本格的に対策しましょ」


「うん・・・こっちこそごめんね、何も役に立てなくて」


「まぁ仕方ないだろ、もとより証拠がある確証もなかったしな。明日から注意しておくくらいにしておこうぜ。必要なら監視カメラとかも考えるべきだな」


実際に一般人が取れる手段の中で一番適当と思われる対応が自身で仕掛ける監視カメラだ。


男子である康太が仕掛けたのであればかなりの問題行動だが衣服を盗まれている伏見がそれを行ったのであれば事前に他人への相談をすることで十分正当な行動として認められるだろう。


もっとも事態はそこまで進行しないというのが康太たちの考えである。


今週中、早ければ今日にでも犯人は特定できる。問題は特定した犯人をどのように問い詰めるかというところである。


そのあたりは相手が一般人である状況に限り魔術のオンパレードで自白の方向にもっていくしかないだろう。


「八篠君もありがとう。手伝ってくれて」


「礼を言われるほど何かしたわけじゃないけどな。まぁそんなに気を落とすなよ。気にするなっていうのは難しいかもしれないけど」


実際に自分の衣服を盗まれているのだ。気にするなと言われてできるはずがない。


思春期の女子が、おそらく男に自分の衣服を盗まれたというのは精神的に強いダメージを与えるだろう。


男ならともかく、女子にとってそういった精神的に不安定になることは体にもかなりの影響を与えることになる。


特に文のようなさばさばしたタイプと違って伏見は割と内気なタイプだ。精神的にそこまで成熟していないというのもあるかもしれないがどこかまだ幼さが残る。


そんな少女が性的な行動が目的で衣服を盗まれたといわれたらショックも受けるだろう。気にするなというのは到底無理な話だ。


「うん、あんまり考えないようにする。難しいとは思うけど」


「そうね・・・とりあえず早いところ帰って寝ちゃいなさい。そうすれば少しはましになるはずよ。私たちは鍵を返してくるから」


「うん、ありがとう・・・それじゃ二人とも、また明日」


「あぁ、また明日な」


康太と文に手を振りながら伏見は下駄箱のほうへと向かっていた。彼女の姿が見えなくなると康太と文は同時に小さくため息をついていた。


「気丈にふるまってはいるけど、割とダメージは深そうね」


「無理もないって、お前だって下着がどっかの変態に盗まれて変なことされてたらドン引きするだろ?」


「引きはするわね。そのあとに八つ裂きにするけど」


「はは、まぁそうですよね」


「・・・何よその笑いは、なんか意味深ね」


「いやいや、やっぱ文はか弱いとは言えんなと思って」


「なによ、こんなに弱弱しい乙女を捕まえて」


「か弱い女の子ってのは相手を八つ裂きにするとかは言わないんだよ」


普通のか弱い女の子だったらどうすることもできずにただおびえる程度しかできないだろう。


誰にも相談できずにそれこそ自分の中で不安をため込んでどんどんマイナスの方面に行くことしかできない、そういうのをか弱いというのだ。


少なくとも文のような女性はか弱いとは対極にいるような気がする。女の子らしいといわれればらしいのだが、それとこれとはまた別問題なのである。


「全く失礼なやつね・・・私がちゃんと女の子だってわかってる?」


「そりゃもちろん。ただか弱いって言いたいなら虫とかを見て小さな悲鳴でも上げてみろよ。そうしたら認めてやらんでもない」


「虫なんて見たって別に驚かないわよ。ヒルとか芋虫が大量に降ってくるとかいうのならさすがに悲鳴上げそうだけど」


「悲鳴を上げるレベルが高すぎやしませんかね・・・?しかもそのあとたぶんだけど焼くだろ?」


「もちろん電撃びりびりよ。だって気持ち悪いもの」


大量のヒルや芋虫が現れればさすがの文も悲鳴とともに突発的に身を守る行動に出るのだろう。逆に言えばそうでもしない限り文は突発的な魔術の発動はしないということでもある。


やはり彼女はか弱いとは対極の位置にいるなと思いながら康太は苦笑しつつ窓から下校中の伏見が見えるのを確認して小さく息をつく。


「まぁお前にしては珍しく人助けしようとしてるんだ。最後まで付き合うぞ。たまには善行積まないとな」


「珍しくとは何よ・・・まぁ積極的にかかわるほうではないのは認めるけどさ・・・それに許せないじゃない?こういう悪質なこと。もしこの状況を楽しんでるなら鉄拳制裁飛び越して去勢よ去勢」


「・・・同じ男としてはさすがに去勢はやりすぎだと思うけど・・・まぁ・・・うん、ほどほどにしておいてくれよ?」


文の言葉は実際やると思えるだけの威圧感をこれでもかと言わんばかりに含んでいたため股間が寒気を覚えるのには十分すぎた。


同じ男としては想像するだけでつらい状況であるのは間違いないだろう。


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