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ポンコツ魔術師の凶運  作者: 池金啓太
十二話「アリスインジャパン」

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知名度の問題

そのあと康太たちが本当に知りたい内容を隠すため他愛ない知りたい質問を何度か繰り返してからブギー・ホッパーを再び気絶させると治療を施してから支部にある医務室に近い場所に彼を放り投げ、部屋を片付けてから康太たちはその場を後にした。


フェン・トゥーカ。康太の情報を明かしたもの。もしかしたらそうかもしれないとは思っていたがまさか魔術協会本部の人間だったとは。少々面倒なことになってきたなと康太は頭を抱えていた。


「どうするの?協会本部とのつながりがあるとすると、今回の件、向こうが遠回しにあんたにちょっかいかけてきたってことになるけど?」


「それが協会本部から直接依頼を受けてとか、情報を提供されたっていうならまだそうなんだけどな・・・あいつの話を聞く限り『個人的な知り合い』っていう感じだった。本部の思惑ありきなのかもしれないけど、厄介な感じだよ」


康太は良くも悪くも本部に目をつけられている。康太がその身に宿す封印指定百七十二号、そして康太と文が同盟を組む封印指定二十八号。それぞれが康太を中心にして成り立っているのだ。


魔術師を統括している本部側としては康太の存在はかなり厄介なのは言うまでもない。だが本当にどうにかするつもりならもっと別の手段を講じたはずだ。情報を流すにしろ、仲間にしようとしている相手に流すのではなく敵対している相手に流したほうがまだ康太をつぶせる可能性があった。


だからこそ康太は厄介に感じているのだ。直接敵対するというわかりやすい方法ではなく、あえて仲間にしようとするという間接的な方法で康太に牽制をしに来ている。


「お前の情報はいつでもそしていくらでも流せる。次はどうなるかわからないぞと遠回しに脅してきているとみていいかの・・・全く回りくどいことをする」


「やっぱそうだよなぁ・・・ったく俺みたいな新参者にかまってないでほかの仕事しろってんだよ・・・」


今回は本部側がそのつもりではなかったのか、それとも本当にただの個人的な知り合いということで情報が届いたのか、どちらにせよ康太にとってはあまりよろしくない状況なのは間違いない。


人の口に戸は立てられぬというが、やはり情報を規制していてもどこかしらから人づてに情報は漏れてしまう。


それがしかたないというつもりはないが、問題なのはその情報が康太にとってかなり重要である点だ。

別に康太の使う魔術や今までの生い立ちが知られようとどうこういうつもりはない。


だが康太が封印指定に関わっている、しかもその封印指定を操れているという情報となると話は別だ。


封印指定百七十二号は強力な魔術だ。その射程距離もそうだが魔力を吸い取るうえでのデメリットが今のところほぼ存在しない。


康太でないと使えないというのがある意味デメリットかもしれないが、康太が使っている分には全くと言っていいほどにデメリットが存在しない。


他人から見ればこれほど高性能な魔力吸収の魔術も存在しないだろう。


何よりその知名度が問題だった。何百年にもわたり猛威を振るったこともあり、その脅威度はかなり多くの魔術師が知っている。実際に体験したことがなくとも見たことがなくともその存在くらいは知っている魔術師が多い。


物見遊山気分で康太のところにやってくる魔術師がいるとも考えにくいが、今日来たブギー・ホッパーとその仲間たちのようにこの魔術を改良して自分たちのものにしようと考えるものも出てくるだろう。


仕方がないとはいえ本部に情報を握られているというのは康太としては痛い。情報網もその範囲もけた違いなのだから。


「それだけあんたの脅威度が高いってことでしょ・・・まぁ仕方ないんじゃない?その中にあるのだけじゃなくてアリスもいるんだから」


「ふふん、有名人はつらいの」


「この場合つらいのはあんたじゃなくてビーだけどね」


「なんにせよ、情報源はわかった。あとはそいつのことを調べよう。フェン・トゥーカ・・・こいつがどんな奴なのかは知っておいて損はないだろ」


本部の人間ということしか今のところ分かっていない。その魔術師が本部のどの派閥に属しているのかを知ることができれば今回の行動がどのような思惑によって発生したのかがわかるはずだ。


個人的な知り合いを使って仲間にし、自分とのつながりを作ろうとしたのか、それとも情報を流すことができるという事実を知らしめて牽制しに来たのか、はたまたただの嫌がらせか。相手が何を思ってこんなことをしたのかはまだ分からないが調べておいて損はないだろう。


「アリスのほうではなんか心当たりないのか?そのフェン・トゥーカってやつの」


「知らん。私に現在の本部の魔術師のことを聞いてもほとんど知らんとしか言えんぞ。何せ本部には顔見せくらいしか行ってなかったしの。それこそ今の本部長の名前すら覚えておらんのだ」


「・・・そこは覚えておいたほうがいいんじゃないの・・・?」


「でもそういわれると俺も支部長の術師名知らないかも・・・何時も支部長って言っちゃってるし」


小百合とのつながりがあることから何かしらの関係性はあるのだろう、何度もよく会う日本支部の支部長だが思えば術師名を一度も聞いたことがないのだ。


間違いなく術師名はあるのだろうが、そもそも矢面に立つことがないうえに役職のほうが有名なせいでそちらで呼んでしまっている。


そう考えるとアリスが本部の魔術師を知らないのも無理ないのかもしれない。


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