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ポンコツ魔術師の凶運  作者: 池金啓太
十二話「アリスインジャパン」

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特化型魔術

「な・・・なんとか・・・生き残った・・・!」


「なんだか妙なことになっていたようですね・・・ボロボロじゃないですか・・・」


「気絶させられないようにとにかく守りに入ってたんで・・・でも師匠相手でも守りに徹すれば何とか逃げ切れるくらいにはなってきましたよ・・・!」


「・・・確かにそれはなかなかの上達っぷりですね。最初の頃を思い出すと格段に進歩していますよ」


小百合が真剣ではなく木刀を使っていたというのも大きいだろうが、単なる訓練では康太はもはや小百合相手では気絶はしなくなっていた。


もちろん危険すぎる攻撃だけを完全に防御して上手いこと避けながらただ逃げ回っているだけなのだが、それでも小百合程の実力者相手に逃げ回ることができるという時点でかなりの実力をつけたと言っていいだろう。


康太の武器が槍で小百合の武器が刀だったというのも理由の一つとして挙げられるかもしれない。とにかく徹底的に距離を作り小百合の攻撃範囲に入らないようにし続けたのだ。


それでも小百合相手にそれをするのも容易ではなかった。なにせ自分がそうであるように小百合もまた接近しての戦いを得意としているのだ。


康太が槍を使って距離をとろうとしても当然小百合はそのようなものはないもの同然のような感じで急接近してくるのだ。


恐怖を感じると同時にまだまだ小百合との実力差を感じてしまう。


だがボロボロになりながらもなんとかこうして気絶せずに堪えることができるあたり康太も成長しているというべきだろう。


最初の頃は武器を持っていない小百合相手に開始数秒程度でノックアウトされていたというのに、今や武器を持った小百合相手に十分間耐えることができているのだ。


それも小百合もそれなりに本気で追い回している。魔術は使っていないにせよこれは大きな進歩だった。


「私相手ではもうこいつを気絶させることは難しいか・・・それこそそろそろ私が魔術を使った状態で訓練をするべきか・・・」


「師匠が魔術使ったらそれこそ本当に殺し合いになっちゃいますよ。ただでさえ今の状況でも攻撃見切れてないのに・・・」


「・・・お前と同じ魔術しか使わないという条件でも無理か?」


「なおさら無理です。師匠の使う武器の速度で見えない攻撃が来るとか難易度上がりすぎですよ」


康太が今小百合の攻撃を何とかかわしながら耐えることができるのは偏に攻撃の方向がしっかりと視認できるからに他ならない。


体の動きというのは見てわかる。相手にそれなり以上のダメージを与えようとするのならその動きはある程度予測できてしまう。それが武器を使っているものならなおさらだ。


正しい振り方や構え、当てる位置などを考えたうえで使わなければ相手に致命打を与えることはできない。

康太はそういう予備動作的なものを読み取ってギリギリのところで回避ともいえないような被弾をすることで気絶を免れているだけだ。


これが実際に刃物であれば確実に血を流して行動不能にさせられているだろう。


しかも康太が使える魔術を仮に小百合が使ったとしても、康太が主に戦闘で使う再現の魔術一つを彼女が使うだけで形勢は一気に変わってしまう。


見えない攻撃というのはそれだけ厄介なのだ。康太は普段からこの魔術を行使しているからその恐ろしさがよくわかる。相手の射程距離に入った段階で相手が肉弾戦で使ってくる攻撃がいつどこでどんな方向から飛んでくるのか全く予想できないのだ。


肉弾戦で行える攻撃と言って甘く見ているものも多くいるだろうが、ただ拳を大量に再現しただけで大抵の人間は気絶させられるし、それが刃物による攻撃だったら簡単に人間なんて殺せてしまうのだ。


小百合の恐ろしさは、基本的に攻撃に躊躇がないところだ。日本刀を持って本気にさせれば彼女の攻撃を防げるものはそういないだろう。


無論対処法がないわけでもない。


康太たちが使うのはあくまで肉体的な攻撃によって引き起こされる現象だ。一撃で大地を砕く威力があるわけでも、一振りで巨大な岩を切り裂くことができるわけでもない。


要するに堅固な盾か何かを持っていれば問題なく防ぐことができるのだ。


叉は障壁などの防御策を使ってもいい。そう言う意味では康太の持つ炸裂障壁の魔術も使えなくもない。


炸裂障壁は意図的に脆くした障壁をわざと砕かせることでカウンターのように相手を傷つける魔術だ。


相手の近くでそれを発動することで切り刻む。小百合の様に接近して攻撃してくる相手にとっては確かに有用だろう。


だが相手だってそれに対する対策をしないはずがない。


炸裂障壁に対する対策ともいえる魔術が康太も使える遠隔動作の魔術なのだ。


障壁などを完全に無視して特定の場所に現象を発動することができる。


これまた先程の再現と同じように肉体が引き起こすような現象に限定されてしまうが、当然体が使う道具の効果もしっかりと反映されるために十分以上に脅威になる。


効果範囲は狭いがその分密度を高められる再現の魔術、密度はあまりないがその分射程が確保されている遠隔動作の魔術。


この二つの魔術があるだけでもかなり厄介なのは間違いない。


というか康太を気絶させるだけなら遠隔動作の魔術だけあれば十分だろう。魔術を用いた総合的な戦闘において康太は小百合を攻略する術が全くと言っていいほどに思い浮かばないのだ。


使用する魔術のほとんどが攻撃に特化しているために一度でも守りに入れば負ける。それがわかっている相手にどう勝てばいいのか全く分からずにいた。


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