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ポンコツ魔術師の凶運  作者: 池金啓太
二十六話「届かないその手と力」

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意気込み新たに

「さて、では調査隊の準備が整い次第調査を開始する。なるべく行動は一気に行うつもりだ。戦闘班もいつでも出撃できるように準備を進めておいてほしい」


調査隊が動いている間、基本的に戦闘部隊は待機状態を維持することになる。調査範囲がかなり広いためにどの場所に待機するのかは今後の話し合いと調査の進捗次第になるだろうが、少なくとも印につけられた付近に待機するのが適切であるとほとんどのものが理解していた。


あの場所に何かがあるのは間違いないのだ。問題はその範囲も十分以上に広いということである。


どの場所にだれがつくか、どの場所に主力を置くかで状況はかなり違ってくるだろう。


支部長が選抜する戦闘チームがどれほどのものかはわからないが、康太たちやエアリスなどを擁するチームがその中でも特に高い戦闘能力を有するのは間違いない。


うまく配置をずらさなければ一か所にのみ高い戦力が集中することになってしまう。


そのあたりも事前に打ち合わせておかなければいけないだろう。


もっともそういった調整などはおそらく支部長が率先して行うであろうことは容易に想像できた。


というより、康太という小百合に似た危険因子を含めている時点で本気で調整しなければ被害を増すばかりであるということを支部長はよくわかっている。


康太の戦闘はそこまで周りに被害を出すようなものではないのは支部長もよく知っているが、小百合の弟子という時点でどのように変化を起こすかはわかったものではないのだ。


一つや二つの魔術を教わっただけで桁違いの実力を発揮してもおかしくない。そして尋常ならざる被害をまき散らしても不思議はない。


支部長は甘い読みはしない。特に面倒ごとに関しては。


甘い読みをした結果大惨事を起こしたことが何度もあるのだ。二度と同じ轍は踏まないと彼自身心に決めていることでもある。


もっとも、そんな決意はほとんどの人間が知らないし、そんな大惨事を招いた当の本人はどこ吹く風といった風に平然としているわけだが。


「支部全体で動く作戦としてはかなり大掛かりなものになるね・・・僕もこういうのは久しぶりかもしれない」


「バズさんは前の中国の時にはいませんでしたもんね。あの時は結構大変でしたよ」


「あぁ、クララの露払いをしてたんだっけ?いろいろ話には出ていたよ。結構派手にやらかしたってことは聞いてる」


「情けない限りです。次はもっとうまくやりますよ」


支部全体で動く作戦に参加することが久しぶりというが、幸彦はよく支部の仕事を請け負っているためにこの場にも多くの知り合いがいるようだった。


そういう意味では彼にとっては今までの戦いと何ら変わりないのかもわからない。


「今回はクラリスが参加しないらしいから、割と戦力の分配に関しては簡単かもしれないね。ブライトビーとエアリスを分けるくらいかな?」


「私が疫病神のような言い分だな。普段あれだけ助けてやっているというのに」


「ははは。疫病神だったらまだよかったよ。君はそんな生易しいものじゃないって。破壊神だよ破壊神」


「・・・悪い気はしないな」


「そこはちょっとは悪びれてくれないかな?」


小百合と支部長のやり取りに康太はあきれながらも周りの魔術師たちを見て今後一緒に戦っていくであろう面子を覚えようとしていた。


調査に加わるのか戦闘に加わるのかは不明だが、少なくとも今後何度か顔を合わせることになるのだ。

全員を覚えることは無理でもある程度は記憶しておきたかった。


「支部長、今回の調査と戦闘の最終目標を教えてくれないか?どうすれば我々の勝ちなんだ?」


「んー・・・そうだね、ひとまず相手主力の捕縛と、何か方陣術らしきものを見つけたらその解析と解体かな。拠点があればそれを制圧してさらなる情報を手に入れる。他の支部や本部とも連携して行動できるようにしたいね」


今までとさほど変わらない目標に康太たちは半ば安堵するが、世界地図に堂々と記載するレベルの印だ。きっと何かがあるだろうということは全員が予想していた。


支部全体が動くのだ。その戦力は今まで康太が関わった事件の中でも一、二を争うほどになるだろう。


連携できるかどうかはさておき、康太としては周りの魔術師を巻き込まないようにすることが最優先だなと思っていた。


この一戦で自分が小百合と同レベルの魔術師なのかどうかが決まるような気がしたのである。

戦力的な意味ではなく、周りに迷惑をかける的な意味で。


「今回の戦いは大変そうだな・・・気合入れていこうぜ」


「そうね。かなり広範囲での戦闘になるでしょうし準備は怠らないようにしないと・・・あんたの場合は戦闘メインだからいいかもだけど」


「おう、ぶっ潰す!」


小百合の弟子がぶっ潰すなどという言葉を使うと、それが比喩には聞こえなくて周りの魔術師は戦々恐々していた。


本当に相手を物理的に潰してしまうのではないかと不安そうに康太の方を見ている魔術師は多かった。

そんな魔術師の視線に気づきながらも康太は堂々と戦いの準備を進めるつもりでいた。


現状それ以外に康太が貢献できることもないのだ。ここは吹っ切れるしかないのである。


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