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ポンコツ魔術師の凶運  作者: 池金啓太
二十五話「釣りをするのも大博打」

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攪乱援護

倉敷が攻勢に転じた頃、幸彦はこの中で最も魔力の多い魔術師と対峙し、戦闘を続けていた。


相手は未だ様子見の段階であるらしい。未だ単調な射撃魔術しか行ってきていなかった。


幸彦が相手の魔術師からの射撃攻撃を躱しながらどのように反撃しようか悩んでいると、康太の火の弾丸の魔術が敵めがけて襲い掛かる。


「おっと・・・一番乗りを逃しちゃったか。残念残念」


「未熟ながら助太刀しますよ。なるべく早くこいつを倒したほうがいいでしょうから」


「そうだね、それは同感だよ。トゥトゥの方はいいのかい?」


「大丈夫です、もう援護しておきました。あとはあいつが何とかするでしょう」


あえて手助けをしなかったのは康太なりの信頼の証だった


文も控えている状態で、あれ以上康太が手を出す必要はない。あるとすれば倉敷が負けた後の話だが、何となく康太は倉敷が負けるはずがないと確信していた。


根拠はない。だが康太はこの勘に従うことにしたのである。


「そう、それじゃあ彼を倒してしまおうか。といってもまだまだ全然本気を出してくれないんだけどね」


「ほほう、バズさん相手に温存とは随分と余裕ですね・・・いや、危険だと思ってるから様子見してるんでしょうか」


康太は槍を、幸彦は拳を構えながら同時に姿勢を低くする。先ほどまでの様子見の戦闘などではない。

幸彦は康太が来た瞬間に、自らの気持ちを引き締めていた。


自分の教え子といっても過言ではない康太がやってきたのだ。無様な戦いは見せられないのである。


「相手の魔術は?射撃系ですか?」


「火、氷、あと風も操るね。火の魔術はある一定の距離で爆発するようなタイプさ。風の魔術を併用して威力を底上げしてる。氷は単調な射撃と地面から突き出す形での定点発動」


「地面に張り付いてると危険ってことですね・・・まぁ火と風を操る時点で空中も似たり寄ったりですか」


今まで戦った魔術師の中で似たような攻撃手段を持ったものは多くいる。それらを統合することで康太は相手の魔術師がどのような攻撃をしても反応ができるように脳内でシミュレーションしていた。


「魔力は?やっぱり素質面ではだいぶ相手が上ですか?」


「そうだね、かなり大きな魔術を連発しても平然としてる。魔力の総量もあまり変わらないところを見るとだいぶ優秀みたいだよ」


「優秀ですか・・・それは叩き潰したくなりますね・・・」


仮面の下で笑みを作った康太を見て幸彦はわずかに笑う。小百合と同じようなことを言うのがおかしかったのだ。師と弟子は似るというのはよく言ったものである。


「それじゃあどんなふうに攻めようか?機動力はビーの方が上だから、攪乱をお願いしてもいいかな?」


「了解しました。バズさんはいつも通りにしてください。俺が合わせます」


康太は槍を構えた状態でウィルに命じ、その鎧の形を大きく変化させていく。攻撃特化の姿、背中から触手を生やし、その先端に双剣笹船を取り付けた攻撃形態。


防御を最初から考慮に入れていないが、攻撃するうえで最も楽に動ける鎧の形だった。


「それじゃあフォローは任せるよ。ベルも見てくれてるし、心強いね」


そういって幸彦はゆっくりと準備運動を始める。その拳を鳴らしながら、明らかに接近戦を狙っているかのように姿勢をさらに低くする。


突撃してくるのに時間はかからない。そう判断した魔術師は康太たちめがけて炎の弾丸を放ってくる。


先ほど幸彦の話にあった、一定距離で爆発するタイプの魔術であると判断した康太は幸彦よりも先に突撃する。


ウィルの触手とその先端についた双剣笹船が勢いよく動き出し、射出された炎の弾丸を打ち落としていく。


小さな爆発とともに霧散していく炎の弾丸は、おそらくあらかじめ設定した距離を移動しないときちんとした威力が出せないのだろう。


機動力のある相手には向かない魔術だなと思いながら康太は空中を駆り一気に相手との距離を詰めていく。


相手は康太が近づくのが嫌なのか、周囲に炎をまき散らし、同時に強力な風を放つことで威力を増加させ康太めがけて放つ。


先ほど相手にしていた魔術師よりも広範囲、なおかつ高威力の炎ということもあって康太は大きく跳躍して回避行動をとる。


炎の攻撃範囲から何とか逃れられると、予測していたのか康太の回避先に炎の弾丸がいくつも向ってきていた。


即座にウィルが反応して打ち落としていくが、やはり身体能力強化だけの機動力では簡単に追いつかれてしまうなと内心舌打ちしていた。


そして康太が炎を打ち込まれている中、幸彦めがけて氷の刃がいくつも襲い掛かっているのが見えた。

幸彦は意に介していないようで、エンチャントをかけた自らの肉体でその氷の弾丸を叩き落としていく。


相変わらずだなあの人はと苦笑しながらも、康太は即座に援護に回った。


収束の魔術を発動し、氷の刃の狙いをはるか上空へと変更し、幸彦をフリーにさせたのである。


幸彦も援護されたことに気付いたのか、一気に魔術師との距離を詰めていく。康太には劣るがそれでも速い。


もともとの筋肉量によって機動力は大きく変わる。体格もよく筋肉も多く身に着けている幸彦はどうしても康太よりも遅くなってしまうのである。


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