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虫の魂
太陽を受けきらきら光る石畳を歩くのは好きだ。弾むような靴の音を聞くと、なんとなく心まで軽く晴れやかな気持ちになる。そのまま壱の門で男と待ち合わせ学校まで並んで歩く。それは普段ならの話しで、今日はちょっと違った。
依頼を受けている期間は学校に通うことはない。男はヒメハルと合う約束の時間までに調べたいことがあるらしく、靴はそろって十本木を目指していた。
十本木とは大木の中身を抉り空にしてつくった図書館である。エントランスホールには協力した動物たちの写真が飾られていた。
芽衣はずかずかと一本木の方に歩いていくと、そのまま中に入った。
「あ~~、いーー、う~~!」
「芽衣」
「なに?」
男は芽衣の方を見て笑う。
「楽しそうだなって思ってさ。ここ来たことなかったっけ?」
「来たことくらいならあるわよ。その、中学校の調べ学習のときとか。で、なに?」
「うーん……、たぶんそんな風に数えてたら日が暮れちゃうかな」
上を向いた男の視線に顔を持ち上げて見ると、ずっと上まで本棚でびっし