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落ちこぼれのラステル

急にアイデアが思い浮かんだから書きました!

「沈黙の駆け引き」と違って、軽めに書いてみたいなって思って書きました!

 朝の光がカーテンの隙間から顔を照らしてくる、フェリアは眩しくて目を開けた。隣には先日、愛を誓い合って結婚した夫が目を開けた。


「おはようリア、これからずっと、僕の隣から離れないでね」


「うん、これからも一緒だよ」



 * * * * *



「この役立たずがっ!」


 バチンっと音と一緒に、頬が焼けるような痛みにフェリアは屋根裏のベッドから飛び上がった。


「いつまで寝ているのよ、早く仕事をしなさい!」


「申し訳ございません!」


 眼の前の顔を認識した途端、フェリアはすぐに謝った。そうじゃなければ、また頬打ちされてしまうから。


「前妻の子だから、仕方なくおいてあげたのよ!ラステルのくせに、身の程を知りなさい!」


「お母様、そんなに怒鳴られたらお体に障りますよ。しかも、落ちこぼれのお姉様が可哀想じゃない」


「あぁ、わたしの可愛いアメリオラ。そうね、このようなものとお話している時間はないものね。さ、早く、デビュタント用に新しいドレスを仕立てなくちゃ」


「早く行きましょ、わたし、とても楽しみにいているのです。そしてそこで、素敵な王子様でも捕まえに行きます!」


 アメリオラはフェリアを見て、くすっと笑った。


「どっかの誰かさんと違って、わたし、デューテリオンですもの。きっと良い相手を見つけますわ」


 そういって、継母と義妹は屋根裏から出ていった。



 十年くらい前、五歳の頃にお母様が死んでから、お父様は葬式が終わったあとすぐに、後妻を迎えた。二人の間には四歳の義妹がいた。


 義妹のアメリオラは先日、光の大きさを測る洗礼式等級がわかった。一等星に近い、二等星のデューテリオンだ。その日から、フェリアの扱いはいっそうひどくなった。


 光の家系では、光の大きさで等級が決まり、一等星から順に六等星まである。上から順番に、プリマスタ、デューテリオン、トリステラ、ペイルドロン、ペナンブレ、そして最後にラステル。


 フェリアとアメリオラの両親はどちらも四等星のペイルドロンだ。その間に二等星のアメリオラが生まれたから、自然に六等星のフェリアは家族、そしてメイドたちからも見下される。


 等級はそのままミドルネームにもなるから、自己紹介するときにはその場の立場まで決まる。


 ちなみにラステルはめったに生まれてこない。それもフェリアが疎まれる理由の一つとなる。



 このソルアンブリア帝国では六大家門がある。光の一族ルーミンハート家、闇の一族レイヴンドーン家、土の一族ガイアドル家、水の一族マリヴェル家、風の一族ウィンドルーン家と火の一族イグナレス家。その中で光と闇の二族はもっとも権力を持っている。

 そして、この国を統べる皇族はすべての能力の無効化、という能力を持っている。


 光の一族の能力は等級順に治癒と浄化、強力攻撃魔法の使用、中規模戦闘と支援、補助攻撃、光を使った幻影や視界操作、微光の補助魔法の使用だ。


 フェリアはラステルとしても能力は低いので、補助魔法の使用なんて夢のまた夢。だってフェリアは血が滲み出るような努力をしても、かろうじて手のひらくらいの光を出す程度だ。


 しかも、屋敷の訓練場でアメリオラは強力攻撃魔法を繰り返し練習していた。一等星に近いからか、少しだけならば、浄化もできるのだ。二人を並べると、それはまさに月とスッポンだ。



 フェリアはアメリオラの、光の一族の象徴である金髪と金色の瞳を思い出した。そして自分の汚れでくすんだ、ぼさぼさな金髪を見下ろした。 


 なぜ自分はラステルに生まれたのだろうか。なぜ自分はペイルドロン(四等星)にもなれないのか。自分の生きる意味はあるのだろうか。


 そんな答えもない問いが頭の中を駆け巡ってる。


 フェリアは無性に母親に会いたくなった。母親に抱きついて、泣きわたくなった。


「お母様...」


 そんな囁きに、誰もかえしてくれない。


 それが余計フェリアを惨めにさせた。



 その時、メイドが部屋の中に入ってきた。手にあった招待状をフェリアに投げつけた。


「こんな落ちこぼれにも、舞踏会の招待状って。いい?あんたみたいな落ちこぼれはアメリオラお嬢様のおかげで参加できるのよ?わかっている?」


「......」


「早く答えなさいよ!あんたはとうとう話せないのか?」


「は、はい。アメリオラのおかげでわたしは舞踏会に参加できます...」


「ふんっ」


 メイドはどすどすと部屋から出ていった。


 部屋に残されたフェリアは枕に顔を埋めた。


 涙によって濡らされた枕は、しっとりとしていて、とても冷たかった。



最後まで読んでいただきありがとうございます!

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