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貧民街の転生者  作者: Stellune


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9/10

状況経過

あれこれしているうちに1週間ほどが経った。

正確には7日か。


拠点は少しずつ形になり、装備も整い、

スキルについてもようやく「理解した」と言える段階に入ってきたと思う。


今の拠点は、木で作った物置のような小さな小屋が中心だ。


中には木製フレームに草を敷き詰め、フォレストラビットの毛皮を重ねた簡易ベッドがあり、

素材や食料を収めた木箱、三人で使える椅子とテーブルを置いている。


決して広くはないが、雨風をしのげて眠れる場所があるだけで心の余裕はまるで違った。


外には用途ごとにエリアを分けている。

石のかまどと作業台、まな板、燻製台を並べたキッチンエリア。


家の中に入りきらない素材を保管する木箱と、

スキル使用のために素材を並べる作業台を置いたワークエリア。


そして、作成した武器や道具をまとめているストレージエリア。


格子の扉を背に、小屋を中心に三つのエリアを配置している形だ。

とはいえ、今は仕切りもなく簡易的なものだ。必要になれば、その都度手を入れていけばいい。


装備の変化は派手ではないが、確実に積み重なっている。

何度も狩りに出て、主にフォレストラビットを狩ったことで毛皮が集まった。


その素材を使い、姉妹の衣服を新しく作った。

小さなポーチと水筒、そして万が一に備えて角を素材にしたナイフも持たせている。

万が一が起きないようにするのが俺の責務でもある。


俺自身は、以前の装備に加えてフォレストラビットの角で作った槍を装備している。


狼の牙で作った槍よりも鋭く、素材には向き不向きがあるらしいことを知った。

ナイフは牙製の方が切れ味がいい。


使ってみて初めて分かる違いだが、こうした感覚的な差も少しずつ理解できるようになってきた。


クラフトスキルの成長なのか、同じ素材を使って既存の装備を強化できるようにもなった。

鑑定すると「狼の外套+1」と、簡素な表記ながら確かに変化がある。


防御力が上がっているのだろうが、そもそも攻撃を受けない立ち回りを意識しているため、

体感としてはまだ分からないが、余裕があるうちに強化していこう。


ナイフや槍を強化したあとは切れ味が明らかに向上した。

無強化状態では一度で引き裂けなかった毛皮が、時折引っかかりながらも一度で切れるようになった。

無駄にはなっていない。


ひとまず、姉妹の服と俺の武器防具は一段階ずつ強化してある。


狩りの最中に一度だけ、フォレストウルフと再度遭遇した。

奇襲に近い形だったが、最初の頃とは違い<狩り>スキルと装備の差は大きいようで、

思ったほど苦戦することなく仕留めることができた。

肉は燻製にし、素材は今のところ強化以外には使っていない。


スキルについても整理が進んできた。

どうやらスキルには熟練度のようなものがあり、できることが感覚的に分かるようになるらしい。


クラフトスキルでは、素材から道具を作る「作成」と、素材を使って既存のアイテム性能を高める「強化」を分けて考えている。


何度も同じアイテムをクラフトしていると素材が同じでも品質が上がったり、使用する素材の消費が抑えられたりするのも確認できた。

素材を見ると、今の自分に作れるものが何となく頭に浮かぶのも特徴だ。


ちなみに、前世の記憶から想像したものをクラフトするのを「イメージクラフト」、

頭に浮かんだものからクラフトするのを「レシピクラフト」と便宜的に呼んでいる。


ちなみにスキルの熟練度が足りないのか、素材が足りないのか、

イヤシソウとシビレグサから薬を作ることはまだできていない。

薬系は早めに作れるようにしたいものだ。


鑑定スキルは、表示される情報が増えてきた。

おそらく熟練度に応じて項目が増えていくのだろう。

また、取得したスキルによって項目が増えるのもわかっている。


<狩り>スキルでは、魔物の状態や警戒情報が分かるし、<料理>では肉の状態や食用可能かどうかなどがわかる。<癒し>スキルは怪我の具合が分かるためかなり重要だ。


<狩り>スキルは、身体能力の向上、気配を消す感覚、消音効果の強化をはっきり実感している。

森の中での動きが、以前よりもずっと自然になった。


<癒し>スキルはまだ検証途中だ。

擦り傷や軽い切り傷はすぐに治る。他人に使えば体力が回復するのも確認した。

ただし使用すると、精神力を削られるような感覚的な疲労が残る。

無闇やたらに使うものではなさそうだ。


とはいえ、毎日使用していると疲労の感覚が伸びているので、

夜の寝る前に限界まで使用するのが最近の日課になりつつある。




拠点も、装備も、スキルも――少しずつ積み上がっている。

派手な変化はないが、この世界で生きていくための土台は、確実に固まりつつあった。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。

評価やブックマークをいただけると、「よし、続きを書こう!」と作者のやる気が跳ね上がります。

応援していただけたら幸いです。

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