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不思議図書館  作者: A-10
9/25

9・それぞれの計画


・・・・・・・・・・・・・




アジトに到着した、ツカサ、カレン、カナタの3人。


椅子に腰掛けホッと一息つく。

ツカサが二人に話し出す。


「 さっきは思わず元の名前で呼んじまったが、これからはこっちの名前で呼び合うことにしようぜ 」


カレンは頷く。

「 今更感があるけど、そうしましょ 」


ツカサはカレンをじと目で見る。



・・・・・





ウッドは高台を下っていた。


そして軽く笑いながら、

「 ……ここどこだよ… 」

とテクテク歩く。


「 ……まだインフラきてないのか… 」


道は舗装されず獣道だ。何キロか先の街が小さく見える。


「 見晴らしが良いから展望台があってもおかしくな…いの…に…? ……………訳あり、虫あり、獣あり! 」

人間ではない殺気を感じ、腰の剣を抜くと、突然現れた危険生物をあっさりと全て倒してしまった。



( シャインバーグ隊長に怒られそうだ )



見晴らしが良く、景色も良い、展望台があってもおかしくないこの場所。

どうやら危険生物がいる所為でインフラ整備もままならないようだ。


剣を戻すと、木々などの植物を観察する。


「 針葉樹が多いな……と、なると…北の地域か。…そういえばワイバーンが出現したのも北だったな… 」


ある仮説へと行きつく。

( ツカサの転送杖はこの場所へ着くように設定してあった……そしてワイバーンはツカサ達を狙っていた…… )


その後、示し合わせたようにカレンが現れ、ツカサは、

『 全てオレらの計画通りだな 』、と言っていた。






「 ……凶暴なワイバーンをアイツらは、町へと放ったのか? 一体どうやって…。 しかもあんな危険なこと…… ( を、するとは思えないと思いかけたが ) …やりかねないな! 」


手段は解らないが、転送杖の終着地点を調べられたら完全にアウトだ。


アイツらが犯人だとバレてしまう。


……転送杖を使っているところを見られていない筈だから、大丈夫だとは思うが…。



しかし、約一名…シャインバーグにバッチリと目撃されていたことを彼は知らない。



「 ツカサよりもカレンの方が危ないな……。 あとは、青山か 」



青山……。



青山も、あの本を読んだのか……。

あの時のことはしっかりと覚えている。

そういえばツカサがあの時、好きそうな奴を知っていると言っていたが…青山のことだったのか。





「 ………………。 」



………ウッドロゥ家の『 貴族権限 』を使わなければならないな。



こういう時の為に、使用は控えていた。

回数は限られてはいないが、多用し過ぎると統括部所の人たちに嫌われてしまう。

異界人というリスクと、名前を貸してくれているウッドロゥ家の品格を落とすわけにはいかなかった。

いくら貴族権限といえど、貴族にも優先順位があり、受付の人柄なども少なからず影響する。



( ……俺だって何もしてなかった訳じゃないからな! )



ツカサとカレンに対抗意識が湧き上がる。





ケイダイは城へ戻ると、自らも計画していた通りに動き出す。


城へは、ケイダイを捜索していた守護部隊とあの後すぐに合流し、帯同していたニヴァラの転移呪文で帰って来た。


帯同者の顔を見たケイダイは、かなり驚いたのと同時に寒気が走る。


ニヴァラはこの時、何を考えているのか…カレンのことを告げずに黙っていた。


ケイダイの居場所は、例えるならばGPS機能と似た魔法で特定できる。

兵士や騎士、城勤務の者は全員、登録が義務付けられている。

貴重な石を魔法で埋め込む為、王国中の全ての人たちに行うことは出来ない上、数に限りがあり、退役や除隊などをする際に返却する。


自分の居所が知られることは勿論知っていたが、こんなにも早く対応されるとは予想外だった。


貴族権限が働いたのだと、理解した。



( …………くそっ! 急がないとまずいぞ! 先手を打たれていたら……! 権限もニヴァラには適わない…! )

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