-3話-
『すまんのぉ元旅の仲間よ、こうするしかなかったのじゃ・・・。』
『私もあんたは殺したくなんかないんだ』
『これが結末と言うやつじゃ・・・』
朝になるとたけるは目が覚めた。
たける「なんだ今の夢は・・・」
たけるは真っ暗闇の情景で声のみが聞こえる夢を見ていた。
たける「帰ったまま寝ちまってたのか、手紙の住所にでも行ってみるか」
たけるは母親の手紙に記載されていた住所に向かった。
<ピンポーン>
「はーい、どちら様ですかー?」インターフォンから女性の声が聞こえた。
たける「母親の紹介で来ました、たけると申します。」
「はーい、そこで待っててねー!」優しげな声で言われたけるは門の前で待っていた。
メアリー「どうもわたくしメアリーと申します。一応ここではメイドをやっております。よろしくね」メイドの格好したハーフの女性が顔を出したけるは困惑していた。
たける「なぜ母はここに誘導したんです?」
メアリー「それは私には分からないは館長様に聞かなきゃ・・・」
メアリー「たける様がおかえりになされました!」
たける『おかえりって・・・来たの初なんだけど・・・』
メアリー「館長様の部屋まで案内しますね」
長い廊下を歩きようやく艦長の部屋に着いた。
館長「ようこそ、君がたけるくんだね?」
たける「はい、そうです」
館長「君はきっと疑問だらけだろうけど気にしないでくれ。君の母親は少々出かけていてね預かってくれと言われたので預かるまでさ」
たける「母からは出かける先については何も聞いていませんか?」
館長「聞いてないねぇ。まあとりあえずゆっくりしていってよ!メアリー彼を部屋に案内させてあげなさい」
メアリー「かしこまりました!たける様こちらへどうぞ」たけるはメアリーに部屋案内をされた。
一方能力者協会では会議が開かれていた。
宮地「やあやあやあまさかあんな騒ぎになるとわなあ」
服部「ほんとだぜ」
橘「まあ無事で何よりかな」
タバコを咥えた男「んで、これはなんの会議だ?」
ゴーグルをしている男「気炎万丈!会議中にタバコを吸うな!」
タバコを咥えた男「うるせぇなあ花鳥風月、吸ってねぇ咥えてるだけだ。そんなお前こそ室内でゴーグルしてんじゃねぇ」
ゴーグルをしている男「私の能力的にしょうがない事だ!」
タバコを咥えた男「ふーん、俺も能力の問題でタバコ咥えてんだよ」
橘「もう喧嘩はよせ」突如ドアが開いた。
林教授「今日も盛り上がってるねぇ」
服部「遅刻だぞ」
林教授「すまない、立て込んでてね。君の問題でもあるんだがな」
宮地「無為転変よ、今回わしらは口出し出来ぬぞ」
服部「うっせぇ、わかってる」
林教授「こんだけしか集まっていないか、まあよい。会議を始める」
タバコを咥えた男「今回の議題はなんだ?」
林教授「今回の議題は紅蓮軍についてだ、そこの2人は戦ったそうだね。私の予想通りだ」
宮地「とても強かったのお」
林教授「竜跳雲津は出会った彼らが2軍と報告してくれたな」
宮地「言っておったのでな」
林教授「恐らく1軍はそれ以上に強い」
服部「俺は問題ない相手だがな」
ゴーグルをしている男「4次能力者揃いっちゅうことか」
林教授「そういうことだ」
タバコを咥えた男「てことは家系の・・・」
林教授「その通り一族だ、だがまだどんな能力か把握はしていないから誰かも分かっていない」
橘「人数は把握しているのかい?」
林教授「恐らく私たち能力者協会にいる2次能力者以上の者達より圧倒的に多い」
服部「半分は任せろ俺がやる」
林教授「やめておいた方がいい、たとえ君でも能力核がやられる」
服部「能力核?」
ゴーグルをしている男「なんだ君ほどでも知らないとわね、能力核はね体内に存在する能力を発動させるための核だ」
タバコを咥えた男「そんでもって能力者1人1人その核を5個持っている」
橘「その核が3個潰されるとまともには戦えないさ」
宮地「潰される度に能力の威力も落ちる」
林教授「能力核が無くなってしまうと完全に能力を失うことになる」
服部「その核がやられるってことか?」
林教授「そういうことだ私の見た先の話ではそうなっている。だから戦況を変えたいがために会議を開いた」
服部「本当にあいつらの情報1個も割れてないのか?」
林教授「一つだけ確実な情報はある」
橘「それはなんですか?」
林教授「彼らの頭は全知全能という能力を持っている」
全員「全知全能・・・?」
林教授「ああ能力の詳細までは割れていないがそんなところだ」
タバコを咥えた男「それでどう対処しろと?」
ゴーグルをしている男「要するに言いたいのは無為転変に危険があったら助けろってことか?」
林教授「そういうことだ」
服部「助けなんて要らねぇ、これだけのために学校休んだのかよ。俺は帰るじゃあな」服部は立ち上がり背を向けそのまま帰ってしまった。
宮地「ああなったらしばらくは口を聞かないのお」
林教授「そういうことだみんな頼んだぞ」
タバコを咥えた男「まあ俺は常に旅をしてるからなんかあったらテレパシーでも何でも送ってくれ」
ゴーグルをしている男「暇かよ」
タバコを咥えた男「なんだと?」
橘「まあまあ、これで会議は終わりかな?」
林教授「くれぐれも彼らには気をつけたまえ」
宮地「承知」こうして会議を終えた。
一方たけるは修行に励んでいた。
たける「ここの庭は広いから存分に試せるぞ!この前は邪魔が入って出来なかったからな!」
たける「心を燃やせ・・・」
たける「グレートファイア!」たけるの手のひらからものすごい炎が出た。
たける「やばい制御が効かない!危ないメアリーさん!」
メアリー「呼んだ?」メアリーは振り返ると炎はメアリーのすぐそこまで来ていた。
当たると思った瞬間炎はだんだん小さくなっていき空に飛ばされた。
たける「あれ炎が・・・」
館長「おやおや、火遊びはダメだよ」
たける「炎を消したのは館長さん?」
館長「そうだよ私も能力を使えるからね」
たける「どんな能力なの!」
館長「オーラを操れるんだよ、例えば君の炎は元々君のオーラから出来ているものだから操れたのさ」
たける「なるほど・・・、どうやって能力って制御するんですか!?」
館長「それは私に聞くよりそこのメアリーに聞いた方が早いね」
たける「なんでですか?」
館長「あの子は能力を得て1週間でマスターしたからね」
たける「すごい・・・・・・」
メアリー「しょうがないわねぇ」メアリーは物置から剣を取り出してきた。
メアリー「紫電一閃-ボルト-」メアリーは丸太を一瞬にして切った。
たける「早すぎて見えなかった・・・」
館長「君もいつかここまで強くなれるさ、メアリーに痛いほど教えてもらいなさい」館長はたけるの頭を撫でながら言った。
たける「はい!」大きく元気な声で返事をした。
<バコーン>とても大きな音が響いた。
タバコを咥えた男「ここがアジトか?」
橘「監視カメラにはこちら側へ逃げていたが」
タバコを咥えた男「もういっちょ行くかあ」
橘「君はほんと脳筋だね」
タバコを咥えた男「気炎万丈-火焔-」拳から炎の塊をつくりだし思いきり壁に殴ると大きな爆発音と共に壁が崩壊した。
橘「さてとここも潰しますか」
怪しい男「英雄共め!お前らの来るところじゃない!」
タバコを咥えた男「残念ながらそこはお前らのいるところじゃない」
橘「百花繚乱-乱れ桜-」橘の周りに無数の桜がうまれ、高速で怪しい男達を倒していった。
「おやおや、お客さんかい?」2人の背後から声がした。
タバコを咥えた男「橘!気をつけろ!」タバコを咥えた男は橘を押した。
橘「気炎万丈!」タバコを咥えた男は2箇所深い傷を負った。
「仲間思いだねぇ、そのまま眠ればいいのに」
橘「お前は誰だ・・・」
哀「すまないすまない、説明が遅かったね。私は紅蓮軍2軍3番隊哀だよ。以後お見知りおきを」
橘「この流れで行くと怒が存在しそうだなあ」
哀「大正解さ、だが彼は忙しいんでね」
橘「忙しい・・・?」
哀「ああちょっとだけ君らの周りをうろついて貰ってるさ」
橘「なんだと?」
哀「それよりいいのかい?そこの男を助けなくて」
橘『くそ、こいつのせいで助けるにも助けれねぇ・・・』
哀「だんまりかい?」
橘「百花繚乱-乱れ桜-」橘の乱れ桜が哀に一点集中で襲う。
哀「ちょっと遅いかな」
哀「哀毀骨立-風壊-」乱れ桜が全て散っていった。
橘「なに・・・」
哀「君は僕との相性が良くないらしいねぇ。臨機応変が出来てこそ1位なんじゃないのかい?」
橘「臨機応変・・・」
タバコを咥えた男「気にすんな・・・、百花繚乱・・・、俺は平気だ・・・」
哀「見苦しいなあ」哀は2人を見下すように笑う。
服部「無為転変-青-」突如横から哀を襲った。
哀「君が来るとは思わなかったよ無為転変くん」
服部「うるせぇさっさと帰りやがれ」
哀「そういや君のお兄ちゃんはどうしてるんだい?」
服部「なぜお前が兄のことを・・・」
哀「まあいいか先においたまするよ。アディオス!」
橘「君って兄がいたのかい?」
服部「そんなことよりこいつを助けねぇと」
タバコを咥えた男「俺なら平気だ急所は避けた」
服部「どこが避けれてんだよ、はよ診てもらうぞ」
服部「無為転変-緑-」服部は教会までのゲートを作りタバコを咥えた男を運んだ。
橘「すまない、私が悪い」
服部「落ち込むなよ、1位らしく堂々としろ」
一方たけるは力を上げていた。
メアリー「そうよ!その感じ!」
たける「火炎!」以前よりも大きな炎を出したが、制御できるようになっていた。
館長「凄いじゃないか、君も才能があるんだな」
たける「メアリーさんのおかげですよ!ちょっと自分買い物行ってきます」
メアリー「気をつけるんだよー!」
たけるは近くにあるスーパーに行く途中嫌な感じがした。
たける「なんか付けられてる気がするなあ」
<スタスタスタ>
たける「誰だ!?」たけるは振り返りながら言った。
「バレちゃしょうがねぇな」電柱の影から姿を現した。
たける「なぜ僕をつける」
「君の力が欲しいからさ!」
たける「俺の力?」
「そうさ!君は今この世で1つしかない能力を持ってるのさ」
たける「この世でひとつ?」
「あーそうさ君の親も手に入れる事の出来なかった能力を!」
たける「何を言ってるんだ?」
たける『なんだ心が熱い・・・』たけるはだんだんうずくまるようにして胸を抑えながら膝をついた。
「思い出せお前の親は能力なんて持っていないのに、なぜお前が能力を得ている?能力因子は親から継がなきゃ手に入らない。」
たける「何が言いたい」
「君は能力を遺伝ではなく強制として能力を得ているのだ」
たける「お前は一体・・・」たけるは気絶した。
「やれやれ回収に手間がかかっちまったなあ」
たける?「すまんが、わしの孫には手を出さないでくれないか?」
「まさかそっちのパターンだとはな、考えたくはなかった」たけるは起き上がりおじいさん口調で喋り始めた。
たける?「まずお前は名を名乗れ」
戌「俺は紅蓮軍1軍の戌だよろしくな【煉獄】さんよお」
たける?「戌と申すかよく吠えるなあ」
戌「全て知ってるぜぇ、お前は捨て子を広い自分の息子として育てそいつの子供に自分の魂を宿らせた事をな」
たける?「それ以上喋るでない」
戌「なら止めてみな?」
たける?「仕方あるまい」
たける?「煉獄-弐-」たけるの体が炎の鎧に包まれた。
たける?「煉獄-参-」炎を剣を出した。
戌「んじゃあ俺も行こうかな!」戌はたけるに殴りかかった。
たける?は足を狙うが、上手く避けられ左からフックが刺さる。
たける?「やるのお」
戌「もしかして弱い・・・?」
たける?は上から思いきり炎の剣を振りかざすと戌は呆気なく白刃取りをする。
たける?「お主熱くないのか?」
戌「熱い物には耐性があるんでね」
たける?「なるほどこれは不利だのお」
戌「ほらよっと」戌は炎の鎧を貫通し腹を殴った。
たける?「ごほ・・・」
戌「体は若くても中身はおじさんじゃ呼吸の使い方が合ってねぇなあ」
たける?「うるさいわい」
戌「ほらあれ出せよ伝説のキュウビとやらを」
たける?「・・・・・・」
<スタスタスタスタ>と走る音が聞こえる。
館長「誰だ貴様!」
戌「迷子だったんでー助けてあげたんですよー」
館長「大丈夫かたける?」たけるはふらっと倒れた。
目を覚ますと家にいた。
たける「あれここは」
メアリー「いつものベットですよ」
たける「いつもってまだここに来て2日しか経ってないけどね」
メアリー「明日から学校だから早く寝るんだよー」メアリーは部屋から出ていった。
たける「もう夜なのか・・・」
たけるはそのまま就寝した。
タバコを咥えた男「痛ってええええ」ベットの上で寝転びながら叫んでいた。
ゴーグルをしている男「うるさいなあもう少し静かに出来ないか?」
橘「まあまあまあうるさいが取り柄みたいなところがあるから許してやってくれ」
タバコを咥えた男「それ褒めて無くないかー?」
ゴーグルをしている男「患者名 竹内学くん治療しますよお」
竹内「早くしてくれー」
ゴーグルをしている男「花鳥風月-フラワーガーデン-」ゴーグルをしている男の周りはオーラ量と体力を回復していった。
ゴーグルをしている男「はーい治療終了ゆっくりー休めー」ゴーグルをしている男はどこかへ行った。
橘「そういえばなぜ無為転変は私の場所がわかったんだい?」
服部「あいつの火焔がうるさかったからねすぐにわかったよ」
橘「なるほどねぇ」
服部「なぜお前は炎輪を使わなかった?」
竹内「いや、俺が火焔を使ったのはそこにいた雑魚どもを退治するため壁を壊すためにやっただけだ。後ろからあいつが来るのは想定外だったんだよ」
服部「そういうことか」
橘『ん?なんの音だ?』
「こちらアルファ周りの状況に異常なし」
「了解だ引き続き専念しろ」
「了解」ドアの外から喋っているのが聞こえた。
橘「お、花鳥風月何やってるの?」
ゴーグルをしている男「あー電話してたどして?」
橘「電話ならいいんだけど色々と聞こえる時あるから気をつけなよ?」
ゴーグルをしている男「ありがとうな」ゴーグルをしている男はすぐに背を向けて帰って行った。
橘「・・・・・・」橘はそれを数秒見つめた。そして左から林教授が来た。
林教授「お、百花繚乱くん何してるんだい?」
橘「あ、いえ俺は別に何も教授こそどうなされました?」
林教授「気炎万丈がやられたと聞いてね、見に来たのだよ」
橘「そういう事でしたか、どうぞお入りください」
林教授が部屋の中に入ると竹内はまだ悶絶していた。
竹内「まだ痛てぇよ」
服部「あたりめーだ完璧なったわけじゃねぇんだから」
林教授「やあお二人さん元気にしとるかい?」
竹内「あー俺は元気っす」
服部「どこが元気だバカ」
林教授「あ、そういえば今中国の方で桃くんから連絡があった。」
服部「あいつから?」
林教授「ああ紅蓮軍の1部は中国の方でも活動しているらしい」後ろから橘が質問する。
橘「中国の方でもという事は他の国でも活動しているのですか?」
林教授「いかにもそうだ。アメリカやロシアにもおる」
服部「その2国は誰が調べた?」
林教授「雉と猿だ」
竹内「犬は何してやがる」少し苦しみながら聞く。
林教授「犬は行方不明だ、まあそのうち帰ってくるその時に聞こう」
服部「何もなきゃいいがな」
林教授「無論やつは平気だなんら問題ないだろう」
橘「そういえばさ、哀は無為転変に兄の事を聞いていたが君には兄がいたのかい?」
服部「あんまりその話はしたくない」
竹内「このメンツだ誰も笑ったりはしないさ」
服部「・・・・・・」服部口を強く閉じ深く考えた。
服部「わかった・・・話そう」