-1話-
2003年、1人の男は普通の家庭で産まれた。男は産まれた当初指から小さな灯火を出した。母親はその光景を見てやや冷や汗をかいてるように思えた。
「あの子まさかあの人の血を受け継いでしまったかもしれない、もし受け継いでるのならすぐに見てもらわなきゃ!」と母は言った。何故母は焦っているのかその男は知る由もなかった。
そして今2019年、その男は高校生として平凡な暮らしていた。
友人A「たけるー!火の出し方教えてくれよー!」
たける「これは生まれつきなんだーごめんね」と苦笑いしながら言った。毎日超能力について聞かれては答えの繰り返しの日々が続く中、とある日の夜事件が起こった。
たけるは学校が終わり趣味のヒトカラをしてから帰宅した。帰宅中2人の女性が大柄な男3人に連れ去られるのを目撃してしまった。たけるは超能力を持ってるせいか男を止める自信があった。たけるはすぐに「その女性から離れろ!」と言うと男達はこっちに向かってきた。近づいてくる途中1人の男の左手から電気が走ってるのが見えた。たけるはそれを目撃すると少し焦り間合いをはかろうとした直前、3人の男達は両手でスタンガン以上の電気を放った。反射的にたけるは手のひらから大きな炎を出して攻撃した。たけるの正面にいた男は気絶し、その左右にいた2人の男達はすぐさまたけるに攻撃した。もろに攻撃をくらったたけるは体が麻痺し動けなくなった。やられると思った瞬間背後から無数の花が男達を襲った。
「大丈夫かい?」とたけるに手を差し伸べながら言った。その男の手は安心感が強かった。
「やあ僕は橘青斗、百花繚乱とでも呼んでくれ」たけるは名前を聞いた途端少し首を傾げた。
たける「百花繚乱、、、?その名前どこかで、、、」
橘「そりゃね。能力者教会ナンバーワンって事になってるから顔は広いさ」
たける「能力者教会、、、?」
橘「知らないのかい?しょうがないあそこにいる女性を助けてから詳しく説明してあげよう」
橘は女性と話し合い、5分くらいで解散した。
橘「さて、能力者教会ができるまでの生い立ちから話そうじゃないか」
橘「まず、能力者が現れ始めたのはいつだか知ってるかい?」
たける「自分も能力について調べたかったが母親に止められたんですよね」
橘「それは不思議だな、何か嫌な思い出でもあったのだろうかまあそれはそれとして、能力者が現れ始めたのは1500年頃だ」
たける「1500年!?」
橘「ああ、その時に初めに現れた能力者を原初の能力者と言われている」
たける「原初の能力者か・・・なんかかっこいいですね!」
橘「かっこいいってもんじゃない、原初の能力者は極悪非道さ」
たける「極悪非道?」
橘「そうさ何か上手くいかない度に街を破壊したと聞いた」
たける「そんな・・・今も生きるんですか?」
橘「いやうちの先祖達が倒したと聞いた」
たける「先祖?」
橘「能力者には部類が存在するんだよ、ついでにこれについても話しておくか」橘は紙とペンを出し紙に図を書き始めた。
橘「まずね原初の能力者は自分の周りに兵隊を作るため各地の人間に強力な能力因子を分け与えたんだ」
橘「この分け与えられた戦士達こそが僕達の先祖さ」
たける「なるほど」
橘「そして人間にはそれぞれオーラというものが存在するんだ」
たける「オーラってなんですか?」
橘「オーラっていうのは人間が持っているものさ」
橘「オーラの量によって超能力をもつかもたないかが決まるんだ」
橘「基本超能力を持ってない人間のオーラ量は100程度、基礎能力を持ってる人間は1000程度、2次能力を持ってる人間は5000程度、4次能力を持ってる人間は10000程度だ」
たける「2次能力と4次能力?」
橘「オーラ量が5000以上の人間を区別するために昔からあるのさ」
橘「僕で言う百花繚乱というものかな、僕以外にも疾風迅雷や花鳥風月などもあるよ」
たける「なるほど2次能力は例えばどんな能力なんですか?」
橘「知り合いの2次能力で言うと神速とかかな」
たける「僕はどのくらいなんでしょうか」
橘「先程の戦闘を見た所、ざっと2400くらいかな」
橘「ある意味珍しいよ、これほどのオーラ量を持っているのに家系に属してない人間がいるのは」
たける「家系?」
橘「そうそうさっきの話に戻るね」
橘「先祖達は最初原初の能力者に従っていたんだけど結託して倒すことにしたんだ」
橘「だけど結果は惨敗に終わった」
たける「その後はどうなったんですか?」
橘「140人が殺され、15人が生きてその15人が原初の能力者を倒すのではなく封印に転じたんだ」
橘「その15人こそが僕達の家系の1番上になる人達さ」
たける「なるほど、そこから子孫を作っていき能力者を増やしたってことですね!」
橘「理解がはやいね、そうだよだから強い能力を持っている人間は必ずしも家系で繋がっているはずなんだ」
たける「2次能力と4次能力について何となく理解はしました、でも基礎能力者ってどのようにして生まれたんですか?」
橘「基礎能力者は原初の能力者が6割の人間に微量の能力因子を与えそこから広がったと言われている」
たける「じゃあ僕の先祖はその6割の人間だったって事ですかね」
橘「それが不思議なんだよね、僕も長いこと見てきたが基礎能力で2000を超えるオーラ量は見た事がないんだ」
橘「きっと君はどこかで僕達と繋がっているのかもね」
たける「・・・」
橘「まあそんなことは置いといて能力者教会の生い立ちを話さなきゃね」
たける「忘れてました!」
橘「能力者教会は先見之明という能力を持った林教授が作ったんだ」
橘「作った理由としては能力で悪事をしている人達を止めるべく強者の能力者を集め見せしめとして作りたかったらしい」
橘「まあ今では立派な職業みたいなとこもあり能力者教会に応募が耐えないけどね」
たける「僕でも将来入ることは出来ますか?」
橘「そのオーラ量なら出来ると思うよ!ただ、入るには色んな条件がいるんだ」
たける「どんな条件ですか?」
橘「オーラ量、頭脳、戦闘技術の平均が高いほど優先されやすい」
たける「なら僕は頭脳と戦闘技術を磨けばいいですか?」
橘「そういうことになるね」
橘「話が長くなったねもう遅いし帰ろうか」
たける「そうですね色々教えて下さりありがとうございました!」そして2人は解散した。
橘「あの子はきっとあのじじいの孫かな?・・・」
23時頃たけるは帰宅するとさっそく母親に叱られた。
母「あんた何時だと思ってるの!」と耳が痛くなるほど叱られ明日から20時までに帰ってくるよう言われた。
『母親に怒られたけど今日はいいこと聞けたし満足だな、また会ったら話を聞きたいな』と独り言を呟きながら目を閉じた。