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マリーとハンリー  作者: 早乙女なな
第一章 捨てられた女の子
1/8

1 魔法爆発

ミア・ライブリーは居間で、拳を顎にくっつける形で座っていた。

ミアは自分自身に言い聞かせていた。これは自分の問題よ、と。

ちょうどその時、ミアの夫フォーカス・ライブリーが居間に入ってきた。


「おい、どうした?」

「あの子よ」

ミアは困った表情で言った。

「何?また学校で何かあったのか」

フォーカスが椅子にゆっくり座ると、ミアはそっと囁いた。

「そうよ」







マリー・ライブリーは、恥を捨てて堂々とみんなの前で、先生に叫んでいた。

「私やってません!というか、やったけど、でも私……」

「やったことは認めるんだ」

周りにいた1人の男子が言った。

「黙りなさい」

先生がピシャリと言った。


「それで?ミス・ライブリー」

「やったはやったけど、でも知らないうちにやってしまったんです」

マリーは訴えてみたが、どうせ無理なのはわかっていた。


マリーは魔法族に生まれた。しかし生まれて間もない頃は、魔法が暴走することの前兆すら見せなかったので、母親のミアは安心していた。

しかし、しばらくしてマリーが5歳になると、マリーの手から魔法が急に爆発するようになり、魔法学校の先生を困らせていた。


先生はマリーに向かって、鋭い目で言った。

「しかし知らないうちにやっていた、などということは、ただの言い訳にすぎません。いいですか、ちゃんと本当のことを言いなさい」

「だから、体から勝手に出てくるんです!」


このあと、先生が何をしたのか。








先生は、ライブリー家の家に押しかけていた。

「ライブリーさん。あなたのお子さんが、うちの学校でとんでもないことをしているんですよ!」

話の相手は、ミアだ。

「あの、うちの子がまた何か……」

「壁は壊すわ天井は破壊するわ、子どもに怪我をさせるわで大変なんです!今度こんなことになったら、ただじゃおきませんからね!」

先生はこう吐き捨てると、ライブリー家の家からさっさと歩いて去ってしまった。

「はい、わかりました」

ミアはほとんど聞こえない声で言うと、もう学校から帰ってきていたマリーに

「マリー、部屋で遊んでらっしゃい」

と言ってマリーを部屋に行かせ、フォーカスに言った。


「あなた、もう限界だわ。さっき先生が乗り込んできたのよ。やっぱり、マリーを家から出すしか……」

「馬鹿、何を言ってるんだ!子どもを家から放り出す親がどこにいる!」

フォーカスは別の部屋にいるマリーに聞こえないように言ったが、ミアは首を横に振った。

「駄目よもう。我慢することはないわ。マリーが7歳になったら、リュックを持たせましょう。何日かは持つと思うわ」

「おい!」

フォーカスは何度も訴えた。別の道はある。決断するにはまだ早すぎる。しかしミアは、首を横に振るばかりだった。

「もういいの。終わったわ、何もかも」


そもそもミアは、子どもの育児には前向きではなかった。泣く子は嫌いだし、マリーに関しては自分の知らない場所で他人に迷惑をかけているなど、ストレスの何物でもなかった。

だからミアにとって、マリーが魔法を爆発するようになってからの1年はあまりにも長すぎたのだ。

一方フォーカスは、子どもが好きだった。なのでミアの苦悩が全くと言っていいほど理解できなかったのだ。それも、ミアのストレスの1つでもあった。



翌年、マリーにとって最悪の1日が訪れる。

「ママ、何で?ここが私の家よ。他に行く場所なんかないわ!」

マリーは叫んでいたが、ミアはまるで無関心かのようにリュックを背負わせた。

「ここにパンが入ってるから。あと、こっちには水ね」

ミアは淡々と説明を続けた。そしてミアは、マリーを玄関まで連れて行った。

「ママ、嫌だよ!」

マリーが涙声で訴えても、ミアはその声に応えなかった。

「さぁ、行ってらっしゃい」

「ママ!ここにいさせてよ!」

マリーは何とか留まらせてもらおうと必死だった。何で?どうして?

そしてミアが玄関のドアを開け、マリーを押し出す。

「ママ!」

「さようなら」

ミアはドアを閉め、鍵をかけた。

「ママお願い、中に入れて……」

ミアは部屋の中で安堵のため息をついていた。

この作品は、小学6年生の頃に原稿に書き始め、ずっと温めていた作品です。

いつかこの作品を世に出せたらいいなと思っていました。

だいぶ作品は出来上がっているので、しばしお待ちください!

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