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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

100万円のアルバイト。

作者: 眠


人の思い込みについて行われた実験が過去にあった気がする。僕はそれと同じことを現代で繰り返していた。

一回の実験を生き延びれば100万円が手に入る。詳細はナシ。死ななければいいだけ。

おっと、早速貼り紙に足が止まった男が一人。その目は欲望に溢れていた。



さあ、実験ゲームをはじめようか。









「…ひっ、や、やめてください、、」



今回の試験者は若い女。

きっと他の奴らと同じく金目当てだろう。

こんな注射器一本で怖がっているようじゃこれから先意識なんて保てるわけない。多分この中身が毒かなんかだと勘違いしているんだろう、女は男より自意識過剰な面があるから騙しやすい。

今回もハズレか。



「そのまま目を瞑ればあっという間に夢を見ることができますよ。」


さあ、と瞼を閉じさせる。数分後には寝息が聞こえる。

ここまではただのお遊びに過ぎない、ここからが本番だ。目を開けた時の彼女の反応が待ち遠しい。

精一杯楽しませてね。







「…起きて、起きてください」


体が少し動いた。起きたのだろう。

注射器に入っている赤い液体を見せ彼女に微笑む。




「よく目を覚ませましたね!おめでとうございます!!こんな血の量を抜いても死なない人は貴方が初めてです!あっという間に致死量は超えていますよ!!」


段々カメラのピントが合うかのように思考が、視界がはっきりとしてきているんだろう。

顔が青白くなり、恐怖に表情が歪んでくる。

腕の注射痕を見ると更に深く、根底からまるで悪魔を見るかのように。





「…どうされました?」


瞬きをするかのように目を閉じるとそのまま呼吸が止まった。


「あー…残念でしたね、もう少しだったのに。」



「種明かしをしましょう。初めに貴方に刺した注射器の中身は睡眠薬です、それはお気づきでしょう。ですが貴方が目覚めてから見た赤い液体は血ではなく、水を赤黒く染めたものです。注射痕なんて偽装できるんですよ。貴方は貴方の力だけで死んだんです。」



動かなくなった人形に対して言葉を紡ぐ。

この瞬間が結構楽しくてずっと続けている節はある。




ピンポーン


インターホンが鳴る。画面に映るのは若い男性。

次のお客さんだ。





「さーて、僕も100万円の為に頑張らなきゃな!」


監視カメラの視線を感じながら笑った。







初短編です。楽しんでいただけたら嬉しいです!

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