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8/22

クズとゲスの先に (Side藍里)

いつも感想、評価ありがとうございます


大変励みになっております。

 私は決意を固めると怒りに満ちた眼差しを向け

ゲス野郎の前に立ちはだかった。


 奴は薄っぺらい笑みを浮かべて返してきた。


「どうしたの? 白川藍里さん」

「白々しいですね、比留間陽介先輩」

「なんのことかな?

 いきなり怒った顔を向けられても困るよ」


 嫌らしい笑みを浮かべる顔に腹が立つ

必要以上にこんな奴とは話したくなかった。


「無駄な遣り取りする気はないので

 単刀直入に言います

 これ以上『烏丸千歳』に付き纏うのは止めて下さい」

「失礼だな、俺がストーカーみたいじゃないか」

「同じくらい質が悪いですね」


 こんな奴に対して遠慮は無用なので

思ったままを口にする。


「酷い、言われようだね

 そもそも、俺との関係を決めるのは千歳だろう」

「目の前でバカ高いコピー絵画を

 買いそうになってる友達がいたら止めませんか」

「それこそ、絵の価値を決めるのは本人だろう」


「ええ、それが本物で

 本当に好きなら私も止めません」


 遠回しに皮肉ってやると

 奴も気に障ったようで嫌味な笑顔が崩れる。


「言ってくれるね。白川藍里」

「良かった。意図が伝わったようですね」


 蔑む視線で奴を見る。

 だんだん、苛立ちを隠せなくなり

舌打ちを何度かしていたが急に何か思いついたのか

先程の嫌らしく薄っぺらい笑みを浮かべて言った。


「分かった。君の言うとおり

 千歳のことは諦める」


 急に態度を変えてきたゲス野郎に不信感が募る。


「何を企んでるの?」

「企んでるなんて人聞きの悪い

 俺は君のせいで大好きで愛おしい千歳のことを

 諦めないといけないんだよ」

「………何が言いたいの?」

「簡単なことだよ、千歳と無理やり別れさせられて

 傷付いた俺の心を癒してくれる人が

 必要だと思わないかな」


 そう言って舐めるような視線を私に向けてきた。


 いや、もう本当に驚いた。


 『空いた口が塞がらない』そう思わせる人間が

実際に居るとは思わなかった。


「―――――」


 驚きと呆れを通り越して無言でいると

機を見たと判断したのかゲス野郎が更に口を開く


「さっきも言ったけど

 俺から千歳と縁を切る謂れはない

 でも、君はそれを強要する。

 それなら、一方的に押し付けるのは

 不公平だろう」

「だから、見返りが欲しいと……」

「見返り、違う当然の権利だ

 だいたい、そうすれば君は千歳を守れる

 傷心の僕は君に癒やされる

 いわゆる、ウィンウィンってやつだ」


 先程までの苛立った態度が嘘のように

勝ち誇った顔をゲス野郎は浮かべていた。


 当然、こんな馬鹿げた提案を

私は受けるつもりはなかった。


 次に言った奴の言葉を聞くまでは 


「嫌、違うな、君は更に大切なもう一人の幼馴染

その彼も救えるから、君のほうが得じゃないか」


 そう言って、私にとっては聞くに耐えない

卑下た声で笑い出した。


「――――――」


 私は今度こそ何も考えれず無言になった。


「まあ、ゆっくり考えてくれ

 千歳を見捨てるか、二人を救うかは

 おまえ次第だからな」


 そう捨て台詞を残してゲス野郎は帰った。


 そんな胸糞全開な出来事があり

私は憂鬱な気持ちを引きずって暁斗の家に来てしまった。


 そのせいで夕食の時は

少し気まずい雰囲気になってしまった。


 気落ちしている暁斗を更に気落ちさせるなんて

親友として失格だと反省する。


 その後は誤魔化すように他愛もない会話と

久しぶりに一緒にゲームをしたりして遊び

多少は気分を晴らすことが出きた。


 また朝に来る事を伝え自宅に戻る

父は今日も遅くなるようで、

簡単に食べれるご飯を準備しておき

手書きのメッセージを添えておく。


 遅めの入浴を済ませ自室に戻る。


 する事がなくなれば自然と

放課後の出来事が思い出され

怒りと屈辱がぶり返す。

 

『ポカポカ』と枕に八つ当たりし

少しでも、冷静に考えれるように努める。


 でも。しばらくすると溜息が自然にこぼれ

ポンコツ過ぎる幼馴染に頭を悩ませ

クズすぎるゲス野郎に怒りが尽きない


 そして、夕食の時に見た心配そうな暁斗の顔

これ以上、大切な親友を悲しませたくなかった。

その思いが私の中で一番強かった。


「暁斗は幸せにならないといけない」


 それは気持ちを奮い立たせるために

私の口から自然とあふれ出た言葉だった。

少しでも楽しめましたら

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宜しくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] r-18漫画かよw
[一言] >「簡単なことだよ、千歳と無理やり別れさせられて > 傷付いた俺の心を癒してくれる人が > 必要だと思わないかな」 あっそ。それなら一生家に引き篭りやがれ。二度と出てくんな。
[良い点] バカ高いコピー絵画、上手い。(しかし、このバカの使い方は新潟の方かな)。 [一言] トラの尾を踏みましたかねゴミ。
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