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自白は白日の下に (Side藍里)

思った以上に皆様に見て頂いているようで

大変有難い事です。

これからも宜しくお願いします。

「暁斗から聞いたわ」

「そうなんだ、やっぱり藍ちゃんには話しちゃうんだね」

「最初は話したがらなかったけど

 私が無理やり聞き出したのよ」

「そっかー、ねー藍ちゃん、お願いがあるの」

「それは、千歳の話を聞いてからかな」


 そう言って、私は暁斗から聞いた話の内容に

間違いがないか確認する。


「そうだね、ほとんど間違いないよ」

「認めるの!?」

「うん、本当の事だから

 アッ君がまだ好きなのは本当

 でも、彼のことも気になるの」


 あっさり、認めた千歳に驚いた。

 ある意味自分に正直すぎるんだろうなとも。


「千歳はどうしたいの

 ただ、二股はだめだよ」

「アッ君とは別れたくないよ!!」

「分かった。それならまずその彼と別れないと」

「えっ、なんで彼は友達だよ

 付き合ってるわけじゃあないよー」


 そういう千歳の反応は暁斗の言うとおりだった。


「その彼と、どんな形でも関係を持ったままだと

 暁斗が辛過ぎるよ、分かるかな?」

「だって、友達なんだよ

 海外でも友達でキスは交わすよね」

「普通の友達は唇同士でキスしないよ、例えばだけど

 ―――私と暁斗がそう云うキスをしていたらどう思う」


 自分で言って想像して恥ずかしくなった。 


 千歳も私の言葉に思うところがあったのか

『うーん』と唸って少し考え込む。


「………嫌かも」

 

 そう思えることに安堵して


「よかった………少しはそう思えるのね」


 私は少し呆れながら苦笑いを浮かべる。

 何とか千歳を諭すことが出来たみたいだ。


「さっき言ったお願いなんだけど

 彼と絶交したらアッ君に一緒に謝ってくれる?」

「ええ、キチンとケリをつけたならね」

「分かった、それじゃあ今から電話して話してみるね」


 千歳はそう言って例の彼に電話をかけ始めた。

思ったより早い行動に暁斗の方が大事なんだなと安心する。


「―――うん、えっ、そんな―――でも―――わかったよ」


 と思いきや、どうやら相手に丸め込まれたみたい。


 きっとその時の私は俗に言う

遠い目をしていたに違いない。


「どうしよう、大事な話があるからって

 明日、放課後話を聞いてほしいって言われちゃった」


 最初の目的を忘れて何故か少し嬉しそうな千歳。


 私は再度呆れて溜め息を吐くと、気を取り直して

少し強めの視線で千歳を見詰める。


「それで、結局千歳はどうしたいの?」

「それは、勿論アッ君と仲直りしたいよ!」

「それなら、明日ハッキリ縁を切らないと駄目よ」

「うー、難しいよう―――

 藍ちゃん、一緒に着いてきてくれる?」


 縋るような眼差しで見詰めてくる千歳。

 多分、男の子だったら守ってあげたくなるのだろうけど

残念ながら私は同性でその方面の趣向もない。


 なにより、自分で断ることが出来なければ

今後同じ事を繰り返すことになるだろう。


「そもそも、千歳なら

 今まで告白された事あるでしょう」

「その時はアッ君が居てくれたから」


 確かにそうだ、今まで暁斗の鉄壁の守りがあった。

そう考えると例の彼はどうやって

暁斗の守りを突破したのだろうかと

ふと、そんなことが頭によぎったが

今一番大事なのは千歳がハッキリ縁を切ることだ


 私は仕方ないなと思いながら

千歳のお願いを聞き入れる。


「近くには居てあげるから

 ちゃんと自分で話をつけるのよ」

「うん。わかったよ

 ありがとう、藍ちゃん、大好き!!」


 この千歳の天真爛漫な所は美点だけれど

同時に危うさも含んでいることを再認識した。


 私も千歳の事は好きだ。

千歳が隣に居るときの暁斗は本当に幸せそうで

だから、暁斗には千歳が必要だと思う。


 けれど、もし、千歳が暁斗を傷付け続けるなら

 ―――私は千歳を赦さないだろう。




少しでも楽しめましたら

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宜しくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] いい子だよね、この子。 [一言] 一方だけに聞かず、両方とも聞く友人の鑑みたいな子だね。 しかし、幼馴染彼女の思考が残念過ぎて。 ここ日本だろうに、更に海外でもしない恋人キスしてたんだろう…
[一言] SNSやっちゃダメなタイプだなぁ お仲間見つけてあっちへフラフラこっちへフラフラと浮気を繰り返すでしょ 断ったふりして関係続けるのが目に見えてるな
[一言] ミイラ取りにならないといいけど! これからの展開に期待してます!
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