反撃の狼煙、いえ、時代は電子メールです
いつも読んでいただきありがとうございます。
時間があれば感想にもお返ししたいのですが
手が回らず済みません。
その分執筆に時間を割きエタらないことを
お礼としてお返ししたいと思います。
朝食を済まし藍里と一緒に学園に向かう。
今までだったらここに千歳も加わって……
つい、先日まで当たり前だった光景は
簡単に崩れさってしまったけど……
まだ僕には隣を歩いてくれる藍里が居る。
それは本当に僕にとっての救いなのだ。
だから、僕は希望を失わないように
行動しないといけない。
どんな手を使おうと―――
学園に着くと早速康太に話しかける。
「昨日の件、宜しく」
「ああ、分かった。貸しが一だな」
「いや、僕が貸し付けてる方が多いからね」
「そうだったか、まあ気にするな」
「はあ、本当に康太はブレないね」
ちょっと思考があれな所はあるが
彼は間違いなく頼りになる。
昨日の今日で何となく空気を察してくれている
クラスメイト達は当たり障りなく接してくれる。
本当に良いクラスで良かった。
昼休みに入って、藍里が用事があるからと
教室から出ていく。僕は康太に目を配ると
遠目に頷いて席を立った。
先週まで千歳と一緒に食べていたお昼。
昨日は藍里が付き合ってくれたけど
今日は待ってても逆に気を使わせてしまうので
ひとり寂しくお弁当を『いただきます』
藍里が用意してくれていたお弁当は
やっぱり美味しくて玉子焼はおふくろの味だった。
お昼休みギリギリになって藍里が教室に戻って来る。
心なしか朝より更に穏やかな顔に見えた。
少し遅れて予鈴が鳴ると共に康太も戻って来た。
報告は後で纏めてすると言われた。
気がつけば放課後になっていて
藍里から一緒に帰ろうと声を掛けられた。
「部活は良いの?」
藍里は茶道部で火、水、木で活動していたはず。
「今日は休むと伝えているから」
「何か用事あったっけ?」
「帰ってから、千歳と約束してて」
少し申し訳なさそうな顔をする。
「そっか」
「ねえ暁斗。もし千歳が、自分の行動が
暁斗をどれだけ傷付けたのかをキチンと理解して
心から反省したら赦して欲しいの」
「………うん。考えてみる」
藍里の顔を立ててそうは言ったが
相変わらず千歳に対しては何の感情も湧かない。
あと、仮に許したとしても
恋人として付き合うことは、もう、ないだろう。
何となく藍里も察したのか
それ以上は特に何か言うこともなく
自宅まで一緒に帰ると、玄関先で別れた。
夕飯は一人だったので簡単に済まして
久々にパソコンを立ち上げる。
メールソフトを起動させ受信を確認する。
お目当てのメールが届いていたので
添付された報告書を保存して、パスワードを解除。
内容に目を通す。
依頼していた『比留間陽介』の調査報告内容は
想像以上に『クズ』だった。
ちなみに余りにも早い調査報告に
信憑性を確認すると
前々から色々問題が多かったらしく
別口で調査していたらしい。
そして、今日、運良く
現場を抑える事が出来たとのこと。
調査報告の礼を康太に送ると
今後の対策を頭でシミュレートし始める。
クズを潰すのは今日手に入れた情報でいつでも
可能だが、そうなると一番ダメージが大きいのは
千歳の家だ、僕はもう千歳に何の感情も無いけど
心配なのは藍里の方だ、何だかんだで千歳の事を
気にしている彼女が、もし傷付く千歳の姿を見たら
同じくらい傷付いてしまうのじゃないか?
僕の一番の懸念はそれだった
結論としては、クズはとりあえず執行猶予。
でも、いつでも執行可能なように準備はしておく。
今後の方針と内容について康太とやり取りし
証拠をもっと集めてもらうように依頼する。
そうしているうちに
藍里からメッセージが届き、家に着いた事と
明日の朝もこちらに来るからとの事だった。
『了解』と簡単にメッセージを返し
康太にも『今後もヨロシク』と送っておく。
このあとはクズ先輩の出方次第。
何もせずに手を引いてくれれば一番なんだけれど
望みが薄いことだと分かってはいる。
そもそも、自分の欲望だけで動く人間だからこそ
周りに迷惑をかけるし、周囲の声に
耳を傾けたりはしないだろうから。
リアルの事情で明日から更新が一回になりそうです。
その分。中身を厚くしますので
今後ともヨロシクお願いします。
いつものお願いになりますが
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