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いい値段の部屋にお泊りできた気分でテンアゲである。えっこれって死語?

 先の見えない森の中を進むこと約二日。ついに舗装された道が出現した。

 道路脇には、ガーロスの紋章が描かれた立て看板が置かれ、僕らを出迎えてくれる。


「ここがガーロスだよ。深い森を抜けた先にある小さな国だから治安はおそらくこの世界で一番いいだろうね。ただ、この国を抜けた先に未踏の山があってそこはかなりやばいからくれぐれも一人ではいかないようにね」


 ここからでもはるか向こうにそびえる山が見える。かなり距離があるように思えるが山の中腹あたりまでしっかり見えているところから、相当の標高をお持ちのようで。

 どうやら治安がいいというのは本当のようで―そもそも疑ってすらいなかったが―、この世界では一般的な城壁がなかった。そしてなにより


「この国には魔女がいないんだ。そのせいで文明は遅れに遅れ、いや、もしかしたら先行している可能性もあるけれど…。とにかくいろいろと独自の文化や技術を持っている国だよ」


 初めてペリーの心境に触れる体験をした。異境に国を構え、他国とほとんど交流のない国が案外発展していたとしたらこの感情なのだろう。

 しかし入国し僕は目を疑った。そこは現代世界のように高いビルが立ち並び、きらびやかなネオンが光る、いわゆる大都会だった。

 それが遅れている…だと。建築様式を見るに、こちらの方が何十年も先をいっていると思うのだが。


「確かに建築技術はこの世界でも群を抜いて高い。今の魔導士の技を持ってもかなわないだろうね」


 だがハルさんは先ほど、文明は遅れていると言っていた。建築技術だけが発達するってあり得るのか?

 いや、あり得るか。古代のピラミッドだって神殿だって中には現代の技術をもってしても再現できないと聞く。つまりはそういうことだろう。


「ここは未だに電気を使っているのよね。今や電気製品なんてただのアンティークにすぎないし、むしろ最近の若い子には人気だけどね」


 どこの世界でも同じ現象がおきるのだな。懐古趣味的な。

 自然の要塞の中にある国ゆえに、煩わしい入国審審査はなくスムーズに入れた。

 待ちゆく人は優しく、僕に声をかけてくれた。

 だが、だがな僕はコミュ障である。「あっ、どうも」と一言発すのが関の山である。

 ハルさんを盾にしようにも、どうやら彼女はこの国では人気者のようでもれなく僕も被弾するのだ。

 気が付けば彼女の後ろに多くの人が連なり、行幸のようだった。行幸がどんなものなのかは見たことがないので知らないが。


「ここが今日から私たちが止まる宿だよ。冷暖房完備、床暖もある……とか。古のものだよね」


 僕の世界ではむしろ必需品であるもの完備された宿が古代の、それこそ土器で調理をしていた頃を実体験できる施設だと言われているようなものだ。

 僕に撮ってみれば心地よいの一言に尽きるが、ハルさんはどうやら肩を落としているようだ。あの洞穴暮しよりは圧倒的にましに感じてしまうのだが、人と魔道士では感性が異なるのだろうか。

 今回は最上階(40階)に宿泊できるとのことだった。この国(特にこの地域は)は周囲を森が囲っているので光害に悩まされることなく天体観測を行うことができる。

 室内は言葉を失うほど居心地が良すぎた。いい値段の部屋にお泊りできた気分でテンアゲである。えっこれって死語?

 そして驚くべきは室内風呂だ。しかも露天だ。神過ぎる。

 しかし、ここしばらく上空、森の中での生活が続いていたため相当疲れがたまっていたのだろう。ひとたびベッドに寝転ぶと朝まで目覚めることはなかった。

 翌日目が覚めると、テーブルの上に朝食が置かれていた。主食と思しきパンのような固形物があった。濁したのには理由がある。色がピンクなのだ。桃かなんかのピュレが入ったパンなのか詳細は定かではないが、印象的な見た目である。

 あとは葉物野菜の煮びたしと、肉と、牛乳が置かれていた。どれもおいしかったことは言うまでものない。

 ところで朝からハルさんの姿が見えないのだがどこに行ったのだろうか。まさか僕は捨て置かれた?いらない子?

 部屋中探検した結果、ドアに張り紙がされていた。


『私は学校に行ってくる。ライラくんは適当にこの国をほっつき歩くもよし、学校に来るもよし。でも、くれぐれも森の中には入らないように!』


 と書かれていた。そしてその下には学校までのルートが描かれていた。が、スタートとゴールとしか書いておらず縮尺すら分からない。

 遠回しに来るなと言われているようなものだ。悲しき玩具。一日この部屋でくつろいでいるのもありだが、折角ならと外出することにした。

 ひとまず学校でも探しに行きますか。一人でこの町を歩いていたら簡単に迷子になれる。それよりは目的地をはっきりさせておけば最悪の場合、それこそ天地がひっくり返って悪魔と天使がダンスを踊っている姿を眺めなければならなさそうなときに通行人につれていってもらえる可能性がない尾は言いきれない。

 決意を固めたら緩む前に行動に移す。泊まっていたホテルを出ると、道路脇に看板が立っていた。


『学校直進一キロ』


 目を前方に移すとなんと立派なビルが建っていた。ご丁寧に大学と書いてあった。しかし、この学校名前ないのか?

 方向音痴に定評のある僕でも無事学校に到着した。学校関係者ではない僕が勝手に入っていいのか心配であったが、大学と同様出入りは自由のようだった。

 遠くからは見えなかったが複数建物があり、その中で一番高くそびえたっていたのがメイン棟。事務室や教員室、図書室などが入っている。恐らくハルさんがいるのはそこだろう。

最後までお読みいただきありがとうございます!


結局月一投稿が限度のような気がしております。


ですのでのんびり気ままによろしくお願いします〜


それでは次回もお楽しみに!

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