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従順な犬であること。それが相手の信用を勝ち取る最善策だ。

殺されかけた。

サウナさんが緊急会議を開いている間、僕はほかの隊員につれられヴァンビット討伐を行う。もはやなれたものだ。

そして日が暮れたころ、僕らは陣地に戻り全体会議を行う。そこで話されてたのはいつも通りの内容であった。恐らく彼らのことは機密事項扱いなのだろう。

そして会議後に僕はサウナさんに呼ばれ、彼女の寝床に行く。彼女の今までの言動から察するにいかがわしい何かかと期待半面で行ったが、想像以上に神妙な面持ちでベッドに腰かけていた。これではまるで僕のほうが破廉恥な奴だと思われてしまうではないか。否定はしないが。

彼女は僕の姿を認めると顔を明るくる。いつものような凛とした表情とは違い無理に取り繕っているのがひしひしと伝わってくる。


「少し想定外のことが起きてしまった。WH1のことだ。この先も彼らは君に付きまとってくる可能性がある。知っておいて損はないだろう。彼らは反魔導士派、魔導士狩りを推奨している奴らだ」


魔導士狩りというのは、おそらく異世界物でよくある魔女狩り的なやつだろう。この世界にもいるのかそういうの。


「これを好機ととらえて駆けつけてきたと思われる。当たり前だが人間で構成された武装組織である。ただ、先ほどユカゲが協会の許可証を持って帰ってきた。これより我々は反撃に出る故、君には魔導士を一人御伴につけ、もう一度市長との接触を図ってもらう。これは戦況を好転させるには必要なことである。なにか質問はあるか」


彼女の問いかけに僕は小さくうなずく。そして彼女に促され問う。


「そのー、市長に会わなければならない理由って何なんですか」


そこだけが不明である。魔力適正の検査があるとはいえ、見た目は人間んと変わらない彼女たちなら人一倍高いということですみそうなものである。

それにWH1に僕の正体が割れているのであれば、次はもっと厳重な体制で僕に接触を試みるだろう。どうも僕がこの世界を知らないことを利用しているようでならない。気に食わないのだ。


サウナさんは「なるほど」と一言こぼしてしばし考えに耽る。


「これは一般には知れ渡っていないことなんだ。本当は教えたくない。特に君のような異星人には。君も春から聞いているだろう、私が人間を嫌っていることを。ただ、もし私が君にこの事実を教えないと、動かないというのなら致し方ない」


ぞっと背筋が凍る。そうだサウナさんという魔女は凍てつくような眼差しを持ち、そして僕という人間を一瞬にして消し去ってしまえるような覇気をまとっているんだ。

それでも、


「教えてください。ただ動かされる駒にはなりたくない」


そう言い切って顔をそらす。怖かった。


「わかった。君にはハルが付いている。下手な真似はできないだろう。……異星人は常人には考えられないほど膨大な魔力を持っている。恐らくは神との接触によるものだろ」


でも僕の魔力適正値は人並みだったはず。それに魔力の過剰保持は暴走の原因になるとか。ありそうじゃん、ここ異世界だし。


「魔力量と適正値は全く別物だ。魔力量を貯水、適正値をポンプと考えてくれればわかりやすいだろう。どれだけ溜があっても汲み取る能力が低ければ使用量も低くなる。して、貯水があふれることなんて滅多にないだろ」


なるほど、わかりやすい。つまり魔力量に関してはチート級だけど、技術がないというわけか。悲しい。


「そして君と市長を合わせつ理由だが、”均衡の座”が関係している。あれの実効は【意思操作】、簡単に言えばマインドコントロールだ。我々は今、より強力な力を欲している。だから君に協力を仰いだ」


どうやら彼女は無意識にダジャレを言ってしまう体質なのだろう。いや、今はつまらないことを考えている時ではない。

合併時にはもう効果を発揮していたためにすんなりとできた。

しかし、今ではその効果にほころびが生じ始めている。

だから僕が、僕の魔力が必要だというのか。

あまりにも卑怯な策である。そういうことなら大人しくヒバナさんたちに捕まっていたほうがよかった。


「協力と請う言っても、我々は半ば強引に君と市長を合わせることもできる」


あくまで下手アピールか。だが、僕が彼女らに抵抗できるはずがないのだ。いくらこの時のためとはいえお世話になりすぎた。用意周到である。

仕方なく僕はうなずく。協力姿勢だけは見せておく。

今後の動きがどうなるかはわからないが、また向こうに行けばヒバナさんたちに会う機会はあるだろう。その時に相談してみることにする。

今は従順な犬であること。それが相手の信用を勝ち取る最善策だ。

最後までお読みいただきありがとうございます!


今回は短めですがご勘弁を。


あとがきも短めでいきますw


それでは次回もお楽しみに!

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