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第32話 満月姉妹が五人になる日⑤

 コーリンとアザレアは気を改めて、数分前とほぼ同じく、刀剣と拳脚を幾度とぶつける。

 数分前と違うのは、攻勢の主導権が、二人の間で目まぐるしく変わっていること。


「一撃一撃の速度、重さ、鋭さが先程とは違い過ぎる……なんたる異常事態でしょうか!?」


「異常じゃねぇよ、地味だ! ただ単にお前との打ち合いを続けて、一歩一歩立ち回りを改善してってるだけだからな!」


 そうこう続けているうちに、コーリンの何気ない一太刀が、アザレアの腕に深くめり込む。

 怪人たるアザレアからすれば、この傷はすぐ治癒できる。

 が、この傷は単なる負傷ではなく、『この先の勝負の行方の先触れ』として、重要な意味を持ってしまっている。


「おらおら、このまま脇目ふらず押し斬ってやらあッ!」


「猪武者が……周囲への不注意を後悔するがいい!」


 サバキは、自分に向けられたコーリンの背中に狙いを定め、ルマを放つ。

 だがそれは、振り回された紫の蛇竜にかき消される。


「あのさぁ、私は半端じゃないからねサバキ。さもないと怪盗やってないんだよ」


 サバキは素早く振り向き、『PORTRON』の槍と、『Bhmthon』の拳を両方避ける。

 

 サバキは、気楽に髪をいじるマジナへ質問する。


「どうやってアレを脱した?」


「いや、そもそも捕まってすらいないよ。さらに言うと、出し惜しみもしない」


 マジナは左手に、『JavaWock』――虚像を作り出す能力を持つ白竜――を乗せて、見せびらかす。

 一方サバキは、マジナに盛り付けたルマの山を一瞥。捕まえたはずのマジナは、既に消えていた。


「小賢しい……!」


「自惚れながら、むしろ私は大賢いと思うな。

 八体も連れてる竜を、使える所があったらとことん無駄なく使っているんだから。今だって八体フル活用してるしさ」


「自分は愚痴を聞きたいと言った覚えは……待て、八体だと……!?」


「あ、構えないで。正直今戦いを繰り広げると面倒だから」


 と、マジナがサバキにストップをかけた直後、社長室の扉が開く。


「……やはりいたのね、みんな」


 そして、チヨが堂々社長室に入ってくる。


「ち、チヨ様!?」


「来たのか……一時休戦だな、アザレア」


 チヨの背を追うように、黒竜『IrrynCrash』と緑竜『BASLC』が、赤い翼竜『Hellkite−W』に掴まれ、飛んでマジナの元に帰ってくる。


「報告ありがとう『IrrynCrash』。偵察ありがとう『BASLC』。護送ありがとう『Hellkite−W』」


 チヨは社長室をキョロキョロ見渡して、

「ロスイさん、どこにいるんですか?」


「ここよ、チヨ」


 ロスイはソファの影から身を出し、気をつけながら、話しやすい程度にチヨへ近づく。


「ご覧の通り、あなたの娘さんたちに苦労させられました。個々の力をバンバン使ってくるんですから……」


「それは後々、じっくりと謝ります。だから今、あたしに言わせてください」


「何を?」


「――社長の座の話を、無しにしてください。と」


「なっ、母さん! それでは父親への親孝行は無くなってしまうぞ!」

 サバキの静止を完全無視し、チヨはロスイに理由を説明する。


「あたし、わかったんです、あの子達を見ていて、『あたしはどうしようもない』って。

 戦乱の中でよりきょうだいを守るために武力を得たり、陰湿を受けて全てを見捨てて悪逆に目覚めたり、犯罪と相って正義に成り上がったり、喪失を感じてむちゃ気味に音楽を押し広めたり、仕事に憑かれて難解に包まれたり、魔王に変わって余計に母親を好きになったり……

 まとめて、異な世界に染まった、いびつで、おかしくて、扱いづらい、友達の会社に乗り込んでくるような突飛しすぎた行動力を持つ娘たちの母親なんて、社長になって親孝行した所で、父親にとって、どうでもよく見えちゃうんですもの。

 だからあたし、決めたんです『社長にはならない』、悪い言い方すれば『どうしようもない娘たちと、馬鹿馬鹿しく今を生きる』って」


 ロスイは、あのレストランへ行った日の夜にしたような、真剣な眼差しで、

「もう撤回は許さないわよ。二言はないわね」


「はい」


 そのチヨの即答は、ロスイの表情を一気に軟らかくさせた。


「わかったわ、あなたの決心、きちんと会社に話しておくわね」


「ありがとうございます、ロスイさん」


 チヨは踵を返し、六人の娘たちに言う。


「さ、コーリン、マジナ、サバキ、ピコリ、ユノス、ルシェヌ! 帰るわよ。あのマンションに!」


「おう!」

「ああ!」

「……了解!」

「は、はい……あー、マジ怖かった」

「なのじゃー! やっぱりアタシのお母さんは、お母さんなのじゃー! ははは」


 ルマの効力を愛情パワーで吹き飛ばし、ルシェヌはチヨに飛びついた。


「ちょっ、いきなり来ないでよ! 大急ぎで来たせいでお疲れ気味なんだからさ……」


「何で?」

 と、ユノスはピコリに聞く。


「いや、何でって、あたしの話聞いてたルシェ……あ、今言ったのは、ユノスか」


 ユノスは、異世界から帰ってきて初めての真顔となり、チヨを見つめた。

 脇にいるアザレアは、まだ怪人体のままだ。


「社長にならないの? ならボクの仕事は、どうなるの?」


「ユノス。それはもう終わったの、さ、帰ろ」


「最低だよお母さん。仕事は永遠にするもの。正当な理由無く仕事を辞めさせるなんて、死罪だよ」


 ユノスの異常に危機感を感じたサバキは言う。

「ユノス、あっちとこっちはルールが違うんだ。ここは大人しくしていろ……」


「みんなボクの世界の住人なら、ホイプペメギリでさっさと処分されるから無駄が無いんだけどなあ。

 まあいいや、アザレア、お母さんにもう一度仕事をさせるように、痛めつけて」


「イエス、マスター」


 アザレアは羽根を広げ、雪原を滑るような勢いでチヨに蹴りを放つ。


「させないのじゃ!」


 だが、チヨにはルシェヌが抱きついていた。ルシェヌは簡単な障壁魔法を唱え、アザレアを止める。


「あーあ、ここにきてユノスの仕事サイコパスが裏目にでちゃうか」


「残念がってる場合か、マジナ! このままでは母さんが危うい! 止めるぞユノスを!」


「流石はサバキ、とことん筋に従順だな! 行くぞ!」


 黄赤青の三姉は、ユノスに迫る。すると三人の前に、アザレアを簡略化したような怪人が何体も現れる。


「アザレアさんが増えた!?」


「いや、こいつらはきっと、あれだ、雑魚怪人だ! オレ見たんだよ騎人バスターで、強い怪人がこういうのを呼び出すのを!」


「いらん知識をいらん趣味でつけたな、コーリン殿! 速やかに片付けるぞ!」


 感動の親子愛劇場ムードから一変、社長室はより多人(体)数の混戦状態になる。


「さ、チヨさん。ソファの裏に隠れて、ここなら安全だから!」


「はい、あれ、でもピコリが!?」


「ピコリちゃんなら、何故か、周りの姉妹と違って一人だけ怯えてて、あたしと一緒に、ずっとここに隠れてたわ。さっきもここから顔を出してたじゃないの……って、あれ、さっきはここにいたのに。やっと戦う気になったのかしら?」


「いえ、ピコリは他の皆と違って……って、あ、いた!」


 この時、ピコリは思った。

(このまま終われるわけない! 何かやたらと弱音吐いて逃げるように諭してくる、某アンドロイドのゲームで例えるとサイ○ン的なキャラで終わりたくない! ジョッ○ュやノ○スにはなれないけど、せめてルート次第では仲間になって、健闘してくれるジ○ン的なキャラにはおさまってやる!)

 だから、雑魚と異次元の技が飛び交う中をかき分け、ユノスへと駆けていた。


 ルシェヌと交戦中のアザレアは、この不審行動にいち早く気づく。


「ユノス様! 危ない!」


「危ないのはそっちじゃあ!」


 だがこれが、結果不幸になる。意識が一瞬、マスターであるユノスへの心配に向いた刹那に、ルシェヌは……


「目を背ければ、相応の報復が来ると知っているのじゃ……『導く火のブートストラップ』!」


 至近距離で紅蓮の炎の球を射出し、一瞬にして敵を焼き尽くした。


 ピコリは、そのまま雑魚をかいくぐり、そして、


「いい加減目を覚ませぇぇぇ!」


 アザレアは、ピコリのへなちょこパンチを受け止めた。


「アザレア生きとったんかワレ!?」


「あの程度の火を浴びながら分身体と振り返る……容易い仕事です。ピコリ様、貴方にはお辛いでしょうが、これで暫しの仮眠を!」


 アザレアはあからさまに毒とわかる色をした貫手を、ピコリに繰り出す。


「させるかぁ!」


 しかしそれをコーリンが阻む――二人の間に割って入り、ピコリを一旦後ろへ突き飛ばし、震撼剣で阻む。


「こ、コーリン姉さん! ありがと……」


「どういたしまして! で、いきなりで悪いがお前、一発蹴るけど耐えやがれ!」


「え?」


「隙有りです!」


 アザレアはコーリンのがら空きの胴体に、蹴りを放ち、彼女をふっ飛ばす。

 だがこれはコーリンの目論見通り。ふっ飛ばされた方向には、ピコリ――それもコーリンのメッセージを独自解釈して防御態勢を取っている――がいる。


「おいアザレア、それとユノス――わかりやがれ! 仕事よりも家族が大事で大切だってことを、この一撃でわかりやがれッ……」


 コーリンは、ふっ飛ばされた先にいたピコリを蹴り、

「……黄麟の、刹那ァァッ!」

 猛烈に勢いづけて、アザレアへと震撼剣の鋒を向けて迫る。


 アザレアは思った。

(スピードはなかなかですが、私ならどうにかかわせる……ですが、後ろにはマスターがいる!)

 そしてアザレアは最良の選択を導き出し、実行した――コーリンを真っ向から迎えて、この突進を両腕で受け止めた。

 しかし、この最良の選択を、満月家の長女は超越する。


 激突と同時に震撼剣の引き金を引き、アザレアにとって想定外の重大な衝撃を食らわせ、彼女のガードを元々なかったようにする。

 そしてコーリンは、アザレアを貫き、ユノスの前に立つ。


「……もうお前をかばう奴はいない。さ、今度こそ帰るぞ、ユノ……」


「「勝手に決めつけないで」くださいまし!」


 コーリンは突然転倒し、ユノスから引き離される。

 消滅寸前のアザレアが、彼女の足にしがみついていたのだ。


「ちっ、なんて往生際の悪い主従なんだ!」


「マスター! まだ私も諦めません! いささか下劣ではありますが、コーリン様の身体から強引にエネルギーを吸収し、直ちにフルコンディションに戻ります! それまで暫しお待ち……」


 アザレアは今度こそ消滅した。ピコリに大きく踏み込まれたことによって。


 今度こそ、ウチはやる――ピコリはその一心でユノスに迫り、

「この社畜がぁぁぁ!」

 ユノスの頬に、中々強烈なパンチをお見舞いした。


「うわー、やっちゃったよピコリ。ユノス本人は同じ一般人なのに」

「物凄く鬱憤が溜まった拳だな」

「けど、これは良い意味でも効いたはずだぜ」

「ふん、美味しいところを持っていきやがるのじゃ」


 ユノスは頬を押さえて、冷酷な真顔から、普通の女の子らしく涙目になって、

「……い、痛い。ピコリお姉ちゃん、どうしてボクを、殴るの? ボクはただ、仕事をしていただけなのに……」


「確かに仕事をすることはいいこと! けど、今までユノスがやっていたのは仕事じゃない、ただの無駄と迷惑! ユノスが本当にやるべきなのは……ええと、ええと」


「いけいけピコリ、お母さんの娘になることって言いなさい」


(チヨさんも、かなりあの娘の扱いに困ってるようね……あの娘、部屋の掃除から書類のハンコ押しまで手伝おうとして、預かってるのか雇ってるのかわからなくなったわ……)


「ええと、何て言おうかな。くっそ、こうなるとウチかなりのボキャブラリー貧乏だな。とにかく、どうにかしてイイ台詞言わなきゃ、こういう長編で印象残しとかないとウチ、準レギュラーに降格しちゃうかもしれないから……」


「早くしてピコリお姉ちゃん! もうボク漫画描きたくなってきちゃったよ!」


「ああ、そうだ! 漫画だ! あなたの仕事は漫画を書くことでしょ!」


 どうせならその位置変わって欲しかった――コーリンは見ていられず、ピコリにアドバイスを囁く

「……おいピコリ。せめて『お家で』と付け足せ」


「お家で!」


「ボクの本当の仕事って、お家で漫画を書くこと……!?」


「まだ何か足らねぇな。ピコリ、さらに『ただし適度に、家族でどんちゃかする』と言え」


「ただし適度に、家族でどんちゃかする!」


 ピコリの煮詰まらない様子に、離れた位置でやりとりを眺めていた他の一同も呆れる。


「ゴーストライター極まれりだね」

「何故にあんな必死に殴ろうとしていたのに、こうもまとまらんのだ」

「きっと殴るとこで体力使い果たしたんじゃろ」


「……チヨさん。あなたの娘様って、本当に奇抜な娘が多いわね」

「ピコリに限ってはそうじゃないと思ってるんですけどね……」


「……そっか、それが、ボクのここでの、本当の仕事なんだ……わかった。ごめんなさい、お姉ちゃん達、あとコーリン」


「ほっ、やっと間違いを認めたか。わかりゃああそれでいいぜ……って、『あと』って何だよ!?」


「だってアザレアやっつけちゃったんだもん。数日経てばバックアップデータで何もなかったように復活するけど」


 チヨは苦笑いしながら、ソファの影から出てきて、


「はいはい、もう終わり終わり、さ、今度こそ帰りましょう。ただしその前に、皆でロスイさんに謝りなさい」


「「「「「「ごめんなさい」」」」」」


「では、戦後処理は後ほど受け付けますので……さようなら」


「は、はぁ……」


 バタンと社長室の扉が閉まった後、そこには、満月一家と入れ替わりるように静寂が訪れ……

「あ、すみません! ウチまだ何で母さんにあの二択を押し付けたのか聞いてな……」

「そんなのどうでもいいから! ここは素直に帰るのよピコリ!」

 ……た。


「『ちゃんと自分がやったことに責任が持てるか。もし持てるとわかったら素直にいい地位を返してやってくれ』……先代の宿題、上手く出来たかどうかは、補足事項が鮮烈過ぎてよく測れなかったけど、あんなの見せつけられたら、大負けしたくなるわね……よし」



 一ヶ月後。六人は、高校の門前にいた。

「ああもう皆背が高くて、アタシの番号が見えないのじゃ!」

「安心しろ、ルシェヌ殿の番号もきちんとある。それと、ルシェヌ殿が小さいんだぞ」

「おいおい、オレの番号がないぞ……まずい、どんな顔して家帰ろうか」

「紙が上下逆だよコーリン姉さん。そっちの番号なら、ほら、あそこにあるじゃん」

「私はもう全員分見つけた。それどころかどこの誰が落ちたのかも見つけちゃった」

 

 と、合格者の番号が書かれたボードを前にして、ワチャワチャとはしゃいでいた。

 だがユノスはちょっと離れた所にある電話ボックスの中にいた。


「全員合格したよ。お母さん」


『やっぱりね。あれだけ勉強したんだもの、そりゃ受かるよ』


「あと、周りの人たちはちょくちょくお母さんお父さんを連れていたよ。ボク達、浮いちゃったな」


『だって仕方ないじゃん。今あたしは忙しいんだから』


 一方その頃、チヨは満月コーポレーションのとある階層にいた。

 そこでは今、業者が忙しく新しい机の搬入をしていた。

 そしてチヨの胸元には、『ベーカリーカフェ・ミツキ 社長』と彫られた名札があった。


『結局、社長の座は受けちゃったからさ。あ、みんなに行っといて、家帰ったら荷物纏めといてって! 引っ越し業者さんがくるの、明日だから!』


「うん、わかった。じゃあ……」


『あ、ちょっと待ってユノス! というより皆! 合格おめでとう!』


「うん、ありがとう。じゃあね」


 チヨは電話を終えた直後、様子を伺いにきたロスイに会う。


「今、娘さんたちと電話していたのかしら?」


「はい、あちらから、合格したと……」


「それはおめでたいわね。じゃあ今度は合格祝いの品を送らなきゃ……」


「いーえいーえ、もう結構です! つい先日、社長就任祝いとして一軒家を買って貰ったばかりですから!」


「あれは嫁入り道具ならぬ社長入り道具的な物よ。満月コーポレーションの子会社の社長がマンションに娘六人とぎゅうぎゅうに暮らしてるってなったら、不格好だもの……」


「はぁ、けど、あんまり高いものじゃなくていいですからね……」


「わかってるわ。せいぜいクリスマスプレゼントぐらいのお値段にさせて貰うから」


「……基準がわかりづらい」


 視点を高校前に戻す。

 ユノスが電話ボックスから出ると、他五人の姉妹がそこで待ち伏せていた。


 サバキは尋ねた。

「母さんへの連絡は終わったか?」


「うん、終わったよ。サバキお姉ちゃん」


 さらにルシェヌがぴょこぴょこ動きながら尋ねた。

「それでそれで、何て言ってたのかえ?」


「まずおめでとうって、次に今忙しいって、そして、お家帰ったら荷物纏めて置いてって」


 この報告にピコリはなえる。

「ありゃりゃ、合格日にまさかのお片付けか。イマイチ締まらないなぁ……」


 マジナはケラケラ笑って言う。

「いいんじゃない。ハメ外してあんな事やこんな事せずに済むし。特にピコリ」


「ウチは誓ってハメを外しません」


 そしてコーリンは思い出したように言う。 

「あ、サバキとユノスは皆以上に頑張れよ、この前の件はお前らのせいでさらにとっちらかったんだから」


「うん、いいよ。ボク、お仕事するの大好きだもん」


「りょ、了解……はぁ、相変わらずだなユノス。だが、今回は自らの意志だからいいか……」


「よし、さっさと家帰って……」


 ここで、コーリンの腹の虫がえげつなく鳴く。


「……その前に飯だ飯! 皆どこいく?」


「とりま『ベルセリヤ』で、お願いしまーす!」


「私はハンバーガーの気分だったけど、いっか。サバキは?」


「焼き鳥屋……やはりこういう日には鶏軟骨に限る、が、今日はみんなに従う」


「異論は……無し! よし、みんな、行くぞ!」


 かくて、六人は揃っていなさそうで揃っている足並みで、近くのベルセリヤに歩いていった。


【完】


「あ、まだ最終回じゃないからね! ウチら満月家の話と、ウチの苦労はまだまだ続くよ!」

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