葬式
私は村にやって来た。
いつも村には明るく笑う声が聞こえるのに、その日は静かだった。村で出会う人たちの顔は暗く、もの悲しそうだった。
どうしたんだろうと思っていると、マルグリットおばさんが黒い服を着てこちらに歩いてきた。
「こんにちは、マルグリットさん」
「クリスティーナちゃん」
いつもは元気な声を響かせるマルグリットおばさんも、なんだか声に元気がないようだった。
「村の人たちはどうしたんですか。なんだかみんな暗い顔をしていますけど」
「実は昨日村の若いもんが死んじゃってね。ちょうどあんたたちくらいの年の男の子だよ。私たち年寄りが困っていたら助けてくれるようないい子だったのにね……」
「それは……ご愁傷様です」
「これから葬式に出るんだよ。もしよかったらクリスティーナちゃんも出てくれないかい」
「私が出てもいいんでしょうか」
「もうあんたも村の子さ。それに見送ってくれる人は多いほうがあの子も喜ぶだろうさ」
「わかりました」
〇
マルグリットおばさんに連れられて村の外れにある小高い丘にやってきた。そこには十字架のお墓が並んでいた。
その墓場の一角に黒い服をきた村人たちが集まっていた。村人たちの中心には棺が置かれ、その中にグスタフと同じくらいの背格好の青年が横たわっていた。青年は筋肉がしっかりとついていて立派な体つきだった。
彼の顔に血の気はなく、彼の魂がすでにこの世にないことが感じられた。
村人たちは、みな悲しそうな表情で亡くなった彼を悼んでいた。
眠っている彼を見ていると、グスタフが死んでしまった日のことを思い出した。私もグスタフがなくなったときは泣き続けた。ぽっかりと心に穴が開いてしまったように感じたものだった。
おそらく、この泣いている村人たちの中にも、彼の両親や、友人、恋人がいるのだろう。
「このものに安らかな眠りが訪れん事を」
神父だと思われる男が死者を悼む言葉をささげていた。
「まだ若いのにかわいそうに」
マルグリットおばさんが呟いた。
村のみんなが悲しんでいる中、私はある考えにとりつかれていた。
グスタフと同じような背格好の遺体……。グスタフの腐敗を何とかできるかもしれない。




