私、部長を頑張ります。
私、芽依は部長だ。
部員は私と幽霊部員二人。
二人の内の一人はこの前のサッカー部の部長で、
もう一人は、エースだ。
そんな訳でなにをすればいいのか、さっぱりなのだ。
取り敢えずと本棚にあった古めかしい本を引っ張り出してみるも、黄ばんでいたり、引っ付いていたりで、
まともに読めない。
飾ってあった、木の人形は埃が積もっていて、よく見ると指が折れていた。
そんな風にして、見て回った感想は、
取り敢えず掃除をしようという思いだった。
箒や雑巾で掃除をしていると、まぁ埃が出るは出るは。
不要そうなプリントを捨て、ガラクタ(よく分からない置物たち)
をかたずけていると、一冊の本がでて来た。
「何でこんな所に本が?霊との交信?オカルトっぽい本だな。」
本棚に戻そうかとも思ったが、部長なのにオカルトについて無知
なのはさすがにと思い、持って帰ることにした。
掃除の終わる頃には、すっかり下校時間になっており、
部室の鍵を閉めてから帰った。
家に帰ってから、特にする事もないので、自室で本を読むことにした。
書いてあったのはタイトル通りの霊との交信についてだ。
2時に会わせ鏡をするとか、形見を枕元に置くとかまぁなんとも胡散臭い物だった。
試しにやっては見たが、当然出ては来なかった。
次の日、休み時間に教室で本を読んでると突然、
「何読んでるの?霊との交信?好きなの幽霊?」
「ええと、あ、オカ研に入ったから、その資料として読んでて...」
「へー、そんな部活あったんだ。読書の邪魔してごめんね。」
そう言って去って行った。この前の名前の知らない相手だったが、会話になったので、芽依は少しだけ機嫌が良くなった。
放課後、部室は私以外来なかった。
幽霊の方が幽霊部員より役にたつのでは?等と考えていたら、不意に幽霊を友達にすればいいと思った。
そもそも部活に入ったのは友達を作る為で、部活に人が居ないのだから幽霊の部員を作ればよく、その幽霊と友達になればいいという謎理論が私の中で展開された。
次の日から、変な事をしていると、周りから少しだけ人が引いて行ったのだが、本人はまだ気がついてはいないのだった。
ああ、幽霊の友達が欲しい。