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幽霊とでもリア充ですよね  作者: ナギ式
18/102

私、有名になります。

ガヤガヤガヤガヤ

ザワザワザワザワ


今朝登校すると辺りがざわついていた。


「ねぇ、何かいつもより辺りが騒がしいと言うか、

明らかに私を見てる人が多いと思うんだけど...」

「まぁ昨日あんなことがあったからな!」


昨日、一つの部活が潰れた。

その部員たちによる一連の事件は多くの人が知ることになった。まぁいきなり校舎からグラウンドに飛んできたんだからそうなる。

しかも彼らが私の事を吹聴して回ったので、あることないこと騒いでいる人が多いのである。


「まぁそんなことより、さっさと行かなきゃ遅刻するよ」


教室に入ると部屋の雰囲気が、何時もと違っていた。

何ていうか、畏怖とか混ざった感じの目で見られていた。

まぁ校舎に入った時点で察してはいたけれど。

何故なら、海を割るかの如く生徒が私を避けて通って行くのだから。


結論から言えば、今日の学校は、疲れた。

休み時間に色々あったのが1番疲れた。

目があった生徒がいれば、その生徒は見逃してと言わんばかりの目で見てきたり、その友達が買っていたパンを私に差し出して来たり、それを見た他の生徒がお菓子を渡して来たりなど、色々あって、最終的には騒ぎを起こしたとして職員室に連れていかれた。


まぁ実際に何もしてないのは見ていたらしく、騒ぎをおさめる為の方便だったらしいが、教室に帰ってからは回りの人より一層ビビっていた。


そして今、部室に帰って来た。

「疲れた。ここが1番落ち着く」

そう言ってグダっとした私の横で、彼らも突っ伏していた。

「まさか、ちょっと昨日調子に乗っただけでこの人気とか芽依ちゃんすごすぎ」

「いや、あれは後輩のせいだな!流石に。」

「それは確定だね~、面倒事は勘弁~」

「俺、俺のせいなの?まぁ解らなくは...いや、芽依ちゃんの指示だったよあれは!」


やかましいな、私は疲れてんだから静かにしてよ

「はー、ハイハイドウドウ落ち着け2番」

「雑いよ、まぁ良いけど。そういや結局どうするの?」

「何のこと?」

「だって今回の件で人が来なくなったのは確定したじゃん」

「あっ!......まずい事になったな。昨日の奴で、尚の事頑張ろうと思ったのに。」


そうして悩んでいると、いきなり扉が空いた。

「オカルト研究会ってのはここか!」

(2番入って!初仕事だ!)

「ようこそ、私の部室へ。助けが必要な事でもありますか?」

「助け?良く解ったな。さっさと行くぞ!」


そう言って走って行った。

あの男子生徒は今まで見たことが無いけど他学年なのかな?

まぁ取り敢えずはついて行って見るか。


バタバタと駆けて行った先は、うちの部室付近とどっこいどっこいな雰囲気を放っていた教室だった。


「おう、お前が友梨か!」

奥にいたザ・不良みたいな金髪の生徒が話しかけてきた。

あの人は知ってる。金剛 有栖 (こんごう ありす)

この学校で話かけない方がいい三人のうちの1人だ。

残りの二人は、生徒会長とアイドルオタクの...え?今日からは私が三人目?何てこったい。


(取り敢えず煽らずに丁寧に喋って)

(わかってるよ芽依ちゃん。俺も怖いけど頑張るは)

「はい、私がオカルト研究会部長、友梨です。」

「率直に言おう、お前?強いんだろ?喧嘩」

「え?」

「今日学校来たらその話題で一杯だから気になったのよ。」

「それで、私は何をすれば?」

(意図が読めない。まさか興味本位とかではないだろうし)


「何でそんなにへりくだってるんだ?」

「そこの彼に助けが欲しいって言われたからですけど」

「そいつが怖いのか?」

「いえ、仕事の一環ですので。」

「仕事?ああ、そういやそんな貼り紙あったな!」


何で私は呼ばれたんだろう?仕事でないなら呼ばれる事なんてないはず...もしかして目だったヤツが気にくわないとか?

それならもう詰みだね。さよなら平穏な生活。


「まぁ、呼んだ理由は端的に言えば喧嘩をしてもらう。まぁ依頼扱いでいいや。」

「それは...あなたと?」

「まぁそれも面白そうだがやるのは斎藤だ。」

「誰ですか、その人は」

「私の1番強かった部下だ!まぁ反乱を起こしてるから元だな」

「わかりました。その人は今何処に?」

(面倒だからチャッチャとやって帰りたい)

(俺もプレッシャーが凄いからさっさと終わらせたい)


「こっちだ。ついてきな!」

そう言ってついて行くとそこはグラウンドだった。


「やっと来たか、遅いぞ金剛!ちゃんと代理は見つかったか?」

「え?代理っていったい?」

「ああ、あいつは私に勝てないから代理人を求めてきたのさ」

「成る程つまりチキン野郎なんですね。」

「こら!聞こえとるぞ、お前出てこいや!」


喧嘩が今始まろうとしている。

意気込んでるとこ悪いけど面倒だからさっさと終わらそ


「調子乗るなよこの野郎!」

開幕1番の見事な滑り出し、がしかし直前で止まった。

中に浮いた、思いっきりぐるぐる回して地面に落とした。

それっぽい仕草をしてみるファンサービスも忘れない。

その場の全員が唖然としていた。


「もう帰ってもいいですか?」

「あ、ああ。もういいぞ」


許可も貰ったので、回らない頭を抱えて部室に帰った。

2番が体から出てきた時になってようやく事の重大さに気付いた


ああ、またやってしまった。






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