私、本気を出します。
...遅い。
ポスターを張ってから早一週間が過ぎた。
誰も見向きもしないとは。
このままでは宜しくない。
そうだ、ビラでも配ろうか。
どうしたものか。
「あの、すみません友梨さん?」
「は、はい、なんでごいましょうか。」
「ここの問題を答えてくれますか?」
突然だったので変な喋り方になってしまった。
そもそも授業中に上の空だったのでは、まぁこんな対応の
人だって私だけじゃないはず。
「あ、えっと作者は吉田兼好です。」
「宜しい、座っていいですよ。」
「えー、この問題を...」
まぁ何とか答えれて良かった。
たとえ上の空になってても霊が聞いていてくれるので
恥じは欠かないってのはいいね。
なんならいっそのこと授業も誰かにやってもらおうかな。
いや、やっぱり乱用するのは怖いな、また乗っ取り騒動起きても嫌だし。
さて、部員1番と2番の成果は何かあるだろうか。
そもそも、彼らに名前が無いのが不便なのだ。
まぁあっても覚えられた自信は無いけどさ。
曰く、彼らは死んだ時に名前を失うそうだ。
何故ならその名前は生きている時の自らを保証するものであり、
死んでからは特に必要な物ではないらしい。
まぁ天国や地獄らしき所に行ってそこから輪廻転生みたいなのを行うのが普通なのだとか。
つまりは、幽霊という存在はイレギュラーなのであるから
名も無き霊が生まれるらしい。
まぁ思い出せないようになっているのなら仕方がない。
それにしても、1番2番とかはネーミングセンスなかったかな?
ふむふむ、成る程、へー、ほー、はー
今この学校では面白い事が起こっているらしい。
何でもある部活が廃部になるという事で、
そこの部員が抵抗運動をしているらしい。
何か、いずれこうならないように頑張らなくちゃね。
同情致し...何?潰すならオカ研とかの人もいないような
地味な所を潰せばいいだと?
奴等めそんな事言ったのか、ちょっと脅かしといてやれ。
ギャーーーーーーーー
あ、何か聞こえてきた。
スッキリしたからまた何かあったらよろしく。
その後は特に何も無く学校が終わった。
さて、部活をやろうそうしよう。
部室に向かうと部屋の前に何人かの生徒がいた。
「相談希望者かな?」
「いや、あれは今日潰された部活の奴等だね、
自分たちの代わりに廃部にすべき部活を探しているらしい。」
「そんな事出来るの?」
「いや、無理だね。でも彼らにはきっと頭が無いんだろ。
そもそも予算を貰って無いからそうそう潰される候補にオカ研は入って無いんだよ。」
「へー、よく知ってるね。」
「職員室や生徒会室、校長室を探索したからね。」
「まぁいいや、取り敢えず彼らの脅しと念のため2番は私に
乗り移って」
「りょーかい芽依ちゃん」
やっぱり誰かに操られるのは変な感じだ、こう、なんというか
凄くもどかしさやむず痒さを覚えるような感じ。
さて、悪い子にはお仕置きをしようか。
(まずは、扉を開けて部屋に彼らを入れて)
(いいの?、入れちゃっても~)
(人目に付くのは宜しくない。なんなら金縛り的なので動きを止めたらいいんじゃない?)
(了解した!頭の悪い子供にはお仕置きだな!)
「な、なんだ?部屋が勝手に空いたぞ?」
「誰かいるんじゃないの?昼間も調子こいた事しやがって」
「おら!出てこいや!」
そんな事をいいながら、ぞろぞろと入って行った。
数は六人で半分は男子だ。
正直な話ちょっと怖いがまぁ大丈夫でしょ。
(金縛りスタート)
「うわ、なんだ?体がうごなかい!」
「どうなってやがる」
(順調順調。さあ、ご対面と行きますか。)
(りょーかい、いや~楽しみだな。)
「ようこそ我がオカルト研究会の部室へ、私は部長の友梨芽依と申します。つきましては先輩方?どのようなご用件でいらっしゃったのですか?」
「あ?そうかてめぇがここの部長か。」
「なめた真似しやがって、いい加減にしろよ?」
「なめた真似?私は先輩には敬意を払って接していますよ?」
「はん、オカルト何て非現実なもん在るわけ無いんだよ」
そういや彼らって何部だったんだろ?
潰されるってことは文化部なんだろうけど...
(彼らって何部?)
(本を読めない文芸部の諸君だよ)
「そんなオカルト何て真面目にやっている部活じゃないだろ?」
「俺らよりサボってんじゃないかよ」
「くっくっく、いえ、失礼。しかしサボっているだなんて失礼な、文化部1実績のあるこの部活ですよ?」
「はっ!なら証明してみろよ!」
「ならば、人形よ動け」
その瞬間、不気味な人形が動き出した。
正確には1番が上から引っ張ったりしているだけなんだが。
「ひっ!、いや、インチキだ!」
「なら何を動かします?本、ドクロ、水晶玉何でもね」
「なら俺らを動かしてみなよ!それなら細工は出来まい。」
「わかりました。彼らを摘まみ出せ。」
その瞬間、彼らは浮き上がり、部屋の中を回った後、廊下の窓からでて一直線にグラウンドに降りた。
六人共顔が真っ青だ。
あっ、1人漏らした。
まぁあの恐怖は仕方ないね。
厄介事のあった1日だったな。
ああ、疲れる1日だった。