私、命の危機です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
来たれ!!悩める生徒達よ
我々オカルト研究会は貴方の悩みを霊の力を持って
解決致します。
・人間関係で困ってる方
・奇怪な騒動に悩まされている方
・冷やかし
どんな内容でも我々は歓迎致します。
幽霊少女の名にかけて。
オカルト研究会部長 友梨 芽依
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
完璧な仕上がりだ。
このポスターを張ったらきっと誰かが来てくれるだろう。
何故なら、自分で言うのも何だがこれ程幽霊騒動
を起こせる人などいないだろうから、本物だと思い
やって来るという寸法だ。
「どう、このポスターを見てもまだ1人も来ないと思うの?」
「今回ばかりは無理だと思うな!」
「何でそう思うのよ?絶対人は来るって。冷やかし歓迎だし」
「だって、芽依ちゃん人と話せないじゃん」
「え?...そう言えば確かに話せないじゃん私」
「人と話せないって~こんなに話してるのに?」
「悪かったわね、人と話せなくて、、」
まさか完璧に論破されるとは、しかも自分の短所だし。
最近霊とばかり話してたから、てっきり話せる気がしてたけど
多分...無理だろな。
うーん、一体どうすれば?
いっそのこと人形でも置いてその人形に喋らせるとか?
いや、どうやって?霊の憑依的なので喋ったり出来ないのかな?
「あ~、つかぬことをお聞きしますが人形に憑依して動かしたり出来ますでしょうか?」
「無理だね~、それに出来ても誰もやらないね~」
「まぁそうだよね、何せ私から離れたら別の霊が入って来ちゃうもんね。」
何かいい方法は無いものか?
人形に憑依はそもそも私から離れられないから駄目なわけで、
なら私が人形に入れば上手く行く?
いや、そもそも私に取り憑いているのだから、私を操れば行けるのでは?
「ええと、なら私を操るっていうのは出来る?」
「成る程、離れられないならいっそのこと自分をって事か」
「多分行けるよ~、人形と違って発声出来る器官あるから~」
「なら誰かやってみて?さあ、どんと来い」
「まぁ本人が乗り気ならいっちょやるか。力抜てね」
「わかった。うっ、何か変な気分」
何とか上手く行ったようだ。
体が勝手に動いてるし。
(ねぇ、何か喋ってみてよ)
(りょーかい芽依ちゃん)
「ああ、あ~、よし。私~芽依って言うの、宜しくね~」
「違和感しか感じないな!」
「何か~オカマな感じ~、あ、逆オカマか~」
(凄く気持ち悪い。)
「皆してディスるとかちょっと悲しくなるから止めて」
「まぁ体を動かせるから成功っちゃ成功だな!」
「普通に~やってみて?無理なら交代~」
「わかったよ。ゴホン、ようこそ、私オカルト研究会の部長をしております友梨と申します。本日は我等が部室へお越し下さり
まことにありがたく思います。」
「おー、何か新鮮だな!まぁその口調なら何とかなるな!」
「まるで別人みたい~、素直に驚き~」
問題なさそうだ。
これでこの活動を進められるぞ。
(そろそろ体を返して、やることがあるから)
「ならそろそろ体を返しますかね」
「待って、私に変わって。」
「...積極的なのは珍しいな、まぁいいか」
(おい、返してよ)
あっ、霊が入れ替わった。
乗っ取られても案外自分の意識って在るんだね会話出来たし。
(そんな積極的になって何がしたかったの?)
(それは~お菓子を食べる事~)
(お菓子?)
返答は無かった。
そして私の体は部室にあったお菓子をバリバリと食べていた。
「何してるんだ?お前」
「お前って~呼ぶな、それに~肉体が在るのだから物が食べれるって気づかない何てね~」
「なんだと!ならハンバーグが食べれるのか!今すぐ変わってくれ!」
「先輩でも~それは無理だね~」
お菓子がどんどん口に入って行くのが解る。
多分私が食事してるときはこんな気持ちだったんだろな。
確かに食べた気はしない。
それにしても、腹だけは一杯になっていく。
というか一生乗っ取られたりするんだろうか?
このエンディングは予想外だった。
そう思うと何かムシャクシャしてきた。
「さっさと体返せこら!!」
思いっきり怒鳴ったら元に戻れた。
おっそろしい目に遭った。
「はー、危うくゲームオーバーになるところだったよ。」
「お疲れ芽依ちゃん。むしろ乗っ取られる可能性を考慮しないのが驚きだよ」
「あなたは二度と私に取り憑くの禁止ね」
「夢のお菓子食べ放題が~ショボーン~」
何はともあれ下準備は出来た。
さあ、いざ友達作りの始まりへ
「そういやどうして情報何で集めるのさ?」
「役にたつかも知れないから。」
「...りょーかい」
なんやかんやはあったものの準備は出来た。
ポスターも許可を貰って張ってきた。
どんな難問もかかってこい!
ああ、全て順調で素晴らしい