私、夜ノ守パークに行きます。3
「いやー、楽しかったぜ」
「ついついはしゃいでしまったな」
「何かお腹空いたな。今何時だろう」
気がつけば、もう11時になっていた。
「私お腹が空いたからご飯を食べに行きたいんだけど、
誰か一緒に来る?」
「何があるんだ?」
「ピザ、ハンバーグ、チャーハン、パスタ、等色々あるよ」
「ハンバーグは旨そうだな!」
「そういや、そもそも食べれるの?食べてるとこ見たこと無いけど」
「取り憑いた相手が食べた物は俺たちも味を感じる事ができる。」
「成る程ね、ならさっさと行くよ。」
レストランは予想以上に混んでいた。
まぁお昼時だから...何て量じゃない。
30分近く待ってようやく入れるような列だった。
「どうする?もうその辺で売ってるポップコーンでお腹満たしてもいいかな?」
「......いいんじゃない?流石にあの列はね、
先輩も落ち込まないでさ、また今度ハンバーグでも焼き肉でも奢って貰えばいいじゃん」
「そうだな、また今度の楽しみに取っておくかな!」
ポップコーンを買った私達は、人の少ないアトラクションへと
向かった。
「今の時間ならさっさと乗れるね、芽依ちゃん」
「コーヒーカップか、懐かしいな」
「は は は 、どんどん回すぞ!」
「次は俺の番だ、おりゃーーーーーーー!」
「反対向きに回してやるわよ!」
......はしゃぎ過ぎた、気分悪い。
三半規管にダイレクトアタックだった。
なので、次はゆったりとした川を流れていくだけの
アトラクションに乗った。
平和だった。
その間に、ジェットコースターに乗っていた霊がいたので、
予想外の事実に驚いたりはしたものの、至って平和だった。
そう思っていたのは彼女達だけだったのだが。
後に、このときのクルーはこう語ったという。
「昼頃の人が少ない時間に一人で乗った客がいたんですよ。
それなのに、船を出している間、ずっと誰かと喋っていたんですよ。独り言とかじゃないんですよ、携帯だって出してなかったし。あの客が乗った後から暫くは、体の奥底から冷えてしまったかのように冷たく感じたのを覚えているよ。」
ああ、霊感のあったクルーには悪い。