一日目 約束
「お待たせ、空ちゃんおっけーだってさ」
瞳心が息一つ切らさず嬉しそうな顔をしながら小走りで戻ってきた。
「よし、じゃあ放課後集まろうぜ明日の予定とか立てたいしさ」
「ごめん、私放課後よるところがあるから」
瞳心が何かを察したかのようにハッと声を出した。
「あ、妹さんの御見舞い?」
瑠奈はコクリと頷いた。僕と瑠奈には妹がいる瑠奈とは一卵性双生児の妹にあたる。
名前は成瀬 玲奈以前事故で意識不明になり、未だに昏睡状態が続いている。
そんな妹の御見舞に瑠奈は毎日通っているのだ。僕も毎日ではないが御見舞いにはいっている。
「瑠奈ちゃん妹がいたんだ、瞳心詳しいな」
「同い年の妹さんが入院している病院ってパパが院長している病院だから、何回かあったことがあるのよ」
瞳心の父親が経営する阿久津病院はこの町では一番大きい病院で、その病院に玲奈も入院しているってわけだ。
「そっか、じゃあ陸人に内容話しとくから帰ったら陸人から聞くといいか」
「ごめんね、明日はちゃんと・・・行くから」
瑠奈はどこか悲しそうに目を伏せている。
「気にするなって、そうだ、明日みんなで御見舞いにいこうぜ」
「そうね、私も一度ちゃんとお見舞いに行きたかったし、いいかな?瑠奈ちゃん」
瑠奈はこくりとうなずいて少し微笑んだ。
「玲奈もきっと喜ぶと思うよ」
「玲奈ちゃんっていうのか、同い年ってことは双子?」
「うん、玲奈とは一覧双生児の双子」
一卵性双生児、基本的には全く同じ遺伝子情報を持っており、外見も他人が見ると見分けがつかないレベルである。
「お見舞いに行くならなるべく早い方がいいわね」
「じゃあそのことも含めて予定決めるか」
放課後、瑠奈を除き皆で集まって明日の予定を決めることにした。
キーンコーンカーンコーン
授業も終わり、終業を告げる鐘の音が鳴リ響く。
うきうきしながら話しかけてくる瞳心に半ば強引に腕を引っ張られ、俊、瑠奈と一緒に学校を後にした。
「そういえば空は?」
「一度家に帰ってから来るみたい打ち合わせは、安心喫茶でっていっといたから後で来ると思うよ」
安心喫茶とは、僕達がこうして集まるときによく行く、行きつけの喫茶店である。
割りと繁盛しているようで、下校時刻になると学生のたまり場になることが多い。校門前まできたところで瑠奈が立ち止まった。
「じゃあ私、こっちだから」
そう言いながら病院のあるほうを指差す。阿久津病院は僕達の家と反対方向にある、
ここからでも見える大きな病院だ。
「うん、また明日ね」
「不審者がいたら俺に電話をかけてくれ、すぐに駆けつけるからさっ」
俊は女たらしではあるが、根はいいやつである。
「6時過ぎには帰るんだぞ、暗くなるのも早いしな」
「うん、みんなありがとうまた・・・・明日」
軽く手を振り、反対方向へと歩きだしていった。
「なんか瑠奈ちゃん元気なかったな」
「そうだね、明日皆で遊べばきっと元気になるよ」
そう言うと、僕らも喫茶店のある方角へとあるき出した。