しゅじんこーほせー?なにそれおいしいの?
遅れてすいません。
「....はい!!これでオールスキラーとしての登録が完全に済みました!!今からあなたは冒険者の一員です!!正規の転生に向けて、頑張ってくださいね!!」
とりあえず、登録に関しては一段落ついたようだ。これで俺は冒険者として生きることとなった。職業「勇者もどき」として。
....まあ、済んだことをうじうじ言っても仕方ない。それに魔法と剣技どちらも操れるなんて、すごいじゃないか。
と、自分に言い聞かせ、なんとか自分を納得させようとする。
よし、それよりミッション!!ミッションだ!!この異世界を出て、普通の転生をするには、ミッションをしなければ!!
「すいません、受付さん?ミッションの依頼って、どうやって受けるんですか?」
「ああ、ミッションですか。ええっとですね、今来てる依頼が....って、ソウタ様、ミッションについてはもうご説明を受けてるんですか?」
「え?いや、特に細かい説明は受けてないですけど」
というか、この異世界に来てからまだ一時間も経ってないんだ。察してくれ。
「ああ、やっぱりそうでしたか。では、私が簡単にミッションについて説明しちゃいますね」
「はい。よろしくお願いします」
「それでは、説明致します。実はミッションというのは、二種類に分かれております。一つ目は『自由ミッション』二つ目は『重要ミッション』です。一つ目の自由ミッションの内容は、主に町内での雑用や労働、この町の周りにいる危険度の低いモンスターの駆除となっています。逆に二つ目の重要ミッションは、洞窟の最深部やモンスターの巣などに潜むモンスターを倒すなど、危険度の高い依頼です。それ故、依頼主が『レベル○○以上の冒険者のみこの依頼を受けられる』と設定することが多く、ほとんどの駆け出し冒険者は、レベルが上がるまでは自由ミッションの方をやることになりますね」
「はあ、なるほど....じゃあ俺って、自由ミッションの方しか受けられませんか?」
「ええ、まあ、ソウタさんはまだレベル1ですし....もう少しレベルを上げてからではないと、自由ミッションのモンスター駆除も危険かもしれません」
なるほど。つまりレベルを上げろと。
「....分かりました。あと、一つ質問なんですけど、レベルってモンスターと戦闘したりすれば上がるんですか?」
「そうです。モンスターと戦うと経験値が貯まって、一定の経験値が貯まったらレベルが上るようになってますよ」
うん。ここら辺は完全にRPGだな。
「じゃあ、町の周りにいるモンスターとか倒すと、経験値が貯まるんですか?」
「はい!!そうですよ!!駆け出し冒険者の九割はそうやってレベルを上げてますよ!!」
そうと分かったらこうしちゃいられない。今すぐ外のモンスターを倒してレベル上げしよう!!
「そうなんですか!!では俺もレベル上げのために早速モンスター狩って来まーす!!」
俺はそう言って、走りながらギルドを出て行った。その時、受付は俺を制止するように叫んでいたらしいが、その時の俺の耳には全く入っていなかった。
〜城の外〜
「....さて、どいつと戦おうか....」
城の外にまで来て、俺は早速迷っていた。まあモンスターの数が多いだけで、種類は少ないのだが。
「よし決めた。あいつにしよう」
俺はちょうどさっき俺が寝ていた所ににいたスライム?に近寄って行った。
うんうん。やっぱりRPGの雑魚キャラといえばスライムが定番だよなあ。などと思いながら。
「....これがスライムか....なんだ、ド○クエのヴィジュアル通りだな。本当はもっとおぞましいものだと思ってたわ....」
そして、遂に俺はそのスライムに拳を振りかざした。
「すまんな....これも俺のレベルアップのためだ....はぁ!!」
バキッ、と、確かに何かを殴った感触がする。
が、スライムは倒れない。こちらを睨み、攻撃体制に入る。
「あ、ああ。そうか。確かに一回の攻撃じゃさすがに倒せねえよな....ってなんで攻撃体制に入ってんの?....俺とやる気なのか?」
俺がそう喋っている間に、もうスライムは跳び上がっていた。多分、体当たりをしてくるつもりだろう。
「はっ!!体当たりをしてくるんだろ?見え見えなんだよ!!俺にそんな攻撃が通じっ....ぐはあっ!!」
俺はスライムに吹っ飛ばされた。一見簡単によけれそうに見えるこの体当たりだが、跳び上がった後の速度変化により、避けるのは不可能に近い。まあ今回の場合は初めてくらったというのもあるが。
それよりも、分かった事がある。この攻撃....
すげえ痛い。
ナンダコレ。一瞬意識が飛びかけたぞ。怪我....どころか、骨折してるかもしれないと思うほどだ。
「な.....ふざけんじゃねえぞ....なんで初戦闘がこんなんなんだよ....」
俺が怯えながらそう言うと、スライムはまた攻撃体制に入る。
「ぐっ....仕方ない。ここは....」
「戦略的撤退!!」
俺は戦闘から逃げた。
「はぁ、はぁ、はぁ....危なかったー!!」
戦闘から逃げた俺だったが、「にげる」コマンドひとつで簡単にモンスターを振り切れるように、この世界は甘くない。激怒して俺をしつこく追い回してくるスライムからなんとか逃がれようと、俺はギルドに逃げ込んだ。
「ふう。やっと一息つけるぜ....」
と、安堵したのもつかの間、ギルド入り口のドアがドンドン叩かれた。これはまさか....
「はい?空いてますよー?」
受付が反応する。
やめろ。
ドンドン
「空いてますよー?」
今度はギルドの冒険者たちも反応する。
駄目だ。
ドンドン
「空いてますよー!!入ってきて大丈夫ですよー?」
やめてくれ。
「だから、空いてるって!!」
そう言ってギルド内にいた冒険者の一人が、ドアノブに手をかけた。
「駄目だっ!!」
その叫びも虚しく、ドアは開放された。そして中に入ってきたのは....もちろん、あの忌々しきスライムだ。
「あちゃー....」
スライムはギルドの中に入り込み、溜まっていた怒りを発散するように暴走した。
「っ!?なんだこれ!?スライム!?」
ギルドの冒険者達はザワザワと騒ぎ出した。
俺はヤバイと思ってとっさに隠れた。俺を含め、ギルドにいる冒険者達が、血祭り(オーバーな表現)にあげられると思ったからだ。
だが、俺と違ってレベルの上がっている冒険者には、スライムの攻撃をよけるなど容易いこと。
襲われた冒険者たちのほとんどはそれをかわし、中には、攻撃をくらったものの、姿勢すら崩さない者もいた。
だが、一人。一人だけ逃げ遅れた者がいた。
しかも運悪く、俺と同じような駆け出し冒険者、しかも女性というオマケ付きだ。
「ちょっと!!なにこれ!!うわあっ!!やめっ....」
その女性が叫ぶ。
俺だって助け出したい。だがさっきのトラウマが蘇り、なかなか身体が動こうとしないのだ。
その時、俺の前にいたガタイのデカイ冒険者が急に歩き出し、ドスドスとスライムと女姓に近づいた。
「待ってろ。いまこいつを追い払ってやるからな」
その冒険者が、女姓に向かって言った。その直後、男の顔は急に厳つくなり、いかにも『ギロッ』といった感じで、スライムを睨んだ。
それに対して、スライムも負けじと睨み返した。が、男の睨みの迫力に押され、スライムは怖じけづき、しまいには逃げて行ってしまった。
「お、おおー!!」
スライムを追い払った彼に、拍手喝采が沸き起こった。
「さすがですエースさん!!スライムを睨みだけで追い払うなんて!!」
「俺もさすがにスライムを潰すってのは抵抗あったんですけど、まさか睨みだけで追い払っちゃうなんて!!さすがっす!!」
「はは、俺なんて全国の猛者どもに比べればまだまださ。ははっ」
「「「ははははははははは!!」」」
そんな会話をして、冒険者達の群れは何処かへ行ってしまった。
「はあ....なんだったのよ、一体....」
スライムに襲われていた女性が、気の抜けた声で言う。
「....あの、大丈夫ですか?」
「あ、うん。ありがとう。」
まあスライムをここに連れてきた俺が「大丈夫ですか」なんていうのもおかしな話だが。
「なんでギルドにスライムが侵入してきたんだろ....野良のスライムが意味もなく町に入り込んで来るとは思わないし....」
「いや、そのそれが」
俺は本当のことを打ち明けようとした。だが女性の言葉に遮られ、真実を伝えることは出来なかった。
「しかもあのスライム、すごく怒ってるようだったし....あ、分かった!!もしかして誰かがスライムと戦おうとしたけど、スライムの体当たり攻撃をくらってスライムの強さを実感し「な.....ふざけんじゃねえぞ....なんで初戦闘がこんなんなんだよ....」とかいってスライムから逃げ、なんとかギルドに逃げ込んだ、とか!!....なーんて、そんなバカなことする人なんていないか。ねえ、あなたはどう思う?」
「........」
俺は黙った。
「どうしたの?汗すごいわよ?」
「........」
俺は尚も黙り通す。
「え、え、なに?なんなの?どうして急に押し黙るの?」
「........」
俺はまだ粘る。
「あ、わかったー!!なんか隠してるとか!!」
「ギクゥッ!!」
「え....」
「わかりやすっ」
青年説明中....
「ふーん、なるほど。つまりは私の言ったとおり、スライムの攻撃をくらって、それから逃れるためにギルドに逃げ込んだと」
「はい。大体その通りでございます....」
俺は、これまでのことを大体説明した。
「あんたねえ....装備無しで挑むとかどれだけ馬鹿なのよ....受付さんに初期装備渡されなかったの?」
「え、そんなのがあるのか?」
「ええ!?あんたそれすら知らないの!?」
確かに、俺がここから出ていく時に受付が俺を引き止めるように叫んでいたような気がする。これを渡すためだったのか....
「馬鹿じゃないの....」
「すいません....じゃあ、装備もらって来ます」
俺は受付に向かおうとした。
「あ、ちょっと!!なんで1人でいくのよ!!仲間も連れて来ないと受付は認識してくれないわよ!!」
彼女がそう言ったのを聞き、俺は足を止めた。
「....は?俺は一人なんだが?」
「....え?」
彼女は戸惑ったような表情を見せる。
「だから、俺は一人なんだって。仲間なんていないよ」
「え、あんたのパーティーは、え?え?」
「いや、パーティーとかないから。俺は一人冒険するんだって」
「え、じゃあなに?スライムにあんた一人で挑んだわけ?」
「ああ。そうだy」
「あははははははははは!!ば、ばっかじゃないのあんた!!ははははははははは!!」
彼女は俺の言葉を聞いた瞬間、腹を抱えて笑い始めた。
「なんだよ急に笑い出して」
「いやっ、装備着ないで冒険した人は何人か見て来たけど、さらに仲間も無しで行くなんてばっ、あははははは!!馬鹿じゃないの?あはははははははは!!」
「....え、え?」
どういうことなのか。俺には全く分からない。
「あ、その様子じゃ本当に何も分かってないみたいね。どんだけ馬鹿なのよ。あんた」
こいつ、馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿うるせえな。
「....はぁ」
「あんたね、4人パーティーでフル装備してスライムと戦ったら、どれぐらいの確率で勝てるか知ってる?」
「....9割ぐらいか?」
「3割よ3割!!だから初期状態の冒険者が集まったパーティーは、他のパーティーと組んでやっとスライム一匹を倒せるのよ!!」
「なのにそれを....何の装備も無しに一人でって....ふふっ」
言い終わると、彼女はまた少し笑い出した。その態度に、俺はムカついた。
「....さっきから」
「?」
「さっきからお前、一体何様なんだよ!?人の失敗ばっか笑いやがって!!」
「はっ、何を言い出すかと思ったらそんなこと」
「少なくとも、あんたよりは実力あるし、キャリアも長いわよ」
....こういう場合って、実力ある方がないよりムカつくんだが。まあ無くてもムカつくんだが。
「....ああ、そうかそうか。分かったよ。じゃ、俺はお前に言われたとおり諸々準備して来るよ。スライムここまで連れて来てすまなかったな。じゃ」
俺は今度こそ受付に向かおうとした。
「装備忘れて」
....
「一人で戦おうとする奴のパーティーに、」
....
「入りたいと思う奴がいるかねぇ」
....こいつ、うぜえ....
「まあ、初心者冒険者を集めれば、パーティーくらいはできるかもねー」
「....ふっ」
俺は少し笑った。
「? どうしたn」
「ふっ、ふっ、ふはははははははは!!」
俺はギルド全体に響き渡るくらいの声で高笑いした。
「今、俺に初心者寄せ集めのパーティーしか作れないと言ったか?」
「え、そうだけど」
「それこそ本当の笑い話だよ。お前、俺の職業をなんだと思う?」
「はい?いきなりなんの話ですか?」
彼女はなんだかよくわからないといった顔をする。
「な・ん・だ・と・思・う・?」
俺は迫真の表現で彼女に迫った。
「は、はあ。戦士、とか」
「違うな」
「え、じゃあ魔法使い?」
「それも違うな」
「じ、じゃあ盗賊とか、商人とか武闘家とか僧侶とか」
「全部違う!!」
俺はきっぱり言い切った。
「じゃあなんなのよ!!....って、別にあんたの職業なんて知っても意味ない気が」
「はっ、俺の職業を聞いて、はたしてそんなことを言ってられるかな?」
「はあ?で、結局あんたの職業ってなんなのよ?」
「ふっ、聞いて驚け見て笑え!!俺の職業はな....」
「それおじゃる丸....いやなんでもない。職業は?」
「戦士と魔法使い両方のスキルを操り、そのオールマイティな性能から、受付の人も絶賛の『かの』職業なんだよー!!」
『かの』職業。こんな言い方をすればほとんどの人間が俺を勇者だと勘違いするだろう。
「な、な、」
「なんだってー!?」
彼女が大声を出す。
「この職業は、強いパーティーから弱いパーティーまでが、喉から手が出るほど欲しい....かもしれない(小声)職業なわけだ」
「まあそんな訳で、俺にはパーティーを作ることなんざ、赤子の手をひねるようなもんってことよ」
俺は再び受付に向かって歩き出した。
「な、まさかあいつが....そんな訳....そうだ、受付に!!」
俺が受付に着くのより先に、彼女は走って受付に着いた。
「はぁはぁ....あの!!受付さん!!」
「はい?なんでしょうか?」
「あの冒険者が、戦士と魔法使い両方のスキルを操る、受付さんオススメの『かの』職業だったりするんですか?」
....よし来たっ!!釣れた!!計画通り!!
「えーっと....ああ、ソウタ様ですね!!そうですよ!!ソウタ様は、戦士と魔法使い両方のスキルを操る、私オススメの職業です!!」
「な、な、な、な、なにー!?」
ふっ、ナイス対応受付。勇者もどきとか余計な事を言わないのもさすが。
「すいませーん!!その、パーティーをつk」
そこで俺が受付に向けてそう言うと、彼女がすかさず俺の言葉を遮る。
「ストォーープッ!!」
「....どうしたんだよ。なぜ引き止める?パーティーを作ろうとしただけだろ?」
俺は彼女を見下すように言った。
「....あの....その....」
「どうした?言ってみろ」
「パーティー....作るん....なら....その....」
彼女が震えた声で言う。もちろんこの場合の震えるは、怒りと屈辱に打ち震える、だろう。
「パーティーに....入れて、下....さい」
「....」
「やだ」
「え」
「なんでさっきまで俺に対して色々言ってた奴を俺のパーティーに入れなきゃいけないんだ?」
「ぐ....」
「でも!!」
「?」
「まあでも、さっきのことを全部謝って、頭下げるなら考えてやろうかなあ....」
「え.....ええ!?」
「さっきのアレをそれだけで水に流してやろうって言ってるんだ。むしろ良心的だろ?」
もちろん良心的な要素など一つもない。
「分かり....ました」
お、やけに素直だな。勇者の力ってすげー。
「この度は、スライムに襲われたからといって、その仕返しにと色々不快になることを言ってしまいすいませんでした!!反省するので、どうかパーティーに入れてくださいっ!!」
彼女は、頭をさげてそう言った。ここまで丁寧にやられると、むしろ罪悪感を感じてくる。
「....分かった。そこまで言うなら入れてやろう。すいませーん、受付さーん!!」
「はい?ああ、パーティーの作成ですか?これは細かい設定は必要ないんで、パーティー名とメンバーだけ決めてくれればいいですよ」
「はぁ....パーティー名、ですか....うーん」
「あ、今は(仮)ってことにしといて、後から決めることも可能ですよ?」
「あ、じゃあ今は(仮)ってことで。お願いします」
「分かりました!!あと、メンバーは」
「俺....とこいつで」
こいつで、と言った瞬間、彼女が目を輝かせる。俺が勇者じゃないと知ったら、あいつは一体どんな反応をするんだろう。
「はい!!かしこまりました!!ソウタ様と、カズハ様で登録いたしました!!メンバーは、申請さえすれば後から追加することもできますよ。あ、あと、こちらさっき渡し損ねた装備です。割と強度が強いので、是非使って見てくださいね!!」
そう言って、受付から防具一式と武器を渡された。
「ありがとうございましたー!!」
「登録してくれてありがとうございます!!それで、その....ギルドの冒険者カードを見せてもらえますか?」
彼女、さっき聞いた限りではニックネームカズハが言う。ああ、職業決めた時に受付からもらったやつか。あれに色々書いてあるのか....
「えーっと....これ、か?」
俺がカズハにカードを差し出す。
「はいはい!!それで....す?」
彼女の笑顔がピタリと固まる。
「え、なんですかこれ?職業『オールスキラー』って....これ、勇者もどきって言われてる職業じゃないですか!!」
「ああ。そうだな」
「ど、どういうことですか!!勇者じゃないんですか!?どういうことですか!?」
カズハがものすごい剣幕で怒鳴ってくる。
「なにがだよ。『戦士と魔法使い、両方のスキルを操り、そのオールマイティな性能から、受付の人も絶賛の『かの』職業』なんも間違ってないだろ?」
「あ、あんたぁ....騙したな!!この野郎!!完全に語り方が自慢気だったのも全部騙すためだったのね!!氏ね!!あんたなんか氏んじゃえ!!」
「はっ!!ざまあwwwwwwwww.」
「くそが!!氏ね氏ね氏ね氏ね氏ねしね!!!!」
「まあいいだろ?お前に謝らせたり色々したから俺も満足だし、お前もこれを機会に俺とはきっぱりおさらばだ。な?それで平和的解決と行こうじゃないか」
「そんなことできるわけないでしょ!!」
カズハが叫ぶ。
「どうしてだ?もしかして、おさらばする前に十分に俺に暴言を吐いておきたいのか?勘弁してくれよぉ」
「違うわよ!!そんなわけないでしょ!!....られないのよ!!」
「は?なんて?」
「だから、偉い人の会議で決まった制度で、パーティーに加入してから1年はそのパーティーから抜けられないようになってるのよ!!」
「え、はあ!?じゃあ、え!?お前、このパーティーから抜けれないのか?」
「だからおさらばなんてできないのよ!!この馬鹿野郎!!」
もちろん初耳である。
「え、あ、」
「マジか....」