異世界に飛んだ
深夜にもうろうとしながら書いたので色々おかしいかもしれません。すいません。
「....ここは?」
気がつくと、俺は草原に寝転がっていた。
「ああ、そうか。あの天使に異世界に飛ばされたんだった....って....え?」
俺は起き上がり、辺りをキョロキョロ見渡す。そこには幻想的な世界が広がっていた。
辺り一面に広がっている草原、かわいい鳴き声でそこら中を飛び回る鳥たち。ちっこいものから大きいものまで、様々な特徴を持ったモンスターのような生物。極めつけは「この世界はRPGの世界です」と言わんばかりの城と城下町。どれも俺の想像していたものをはるかに超越している。
「マジかよ....もっと地獄みたいなところでなんかやらされるんだと思ってたのに....」
「っと、そういえばあの天使からマニュアルみたいなのをもらったな....ちょっと見てみるか」
ポケットにしまっておいたマニュアルを取り出し、内容を見る。
「『このマニュアルでは、あなたがこれからしなければいけないことを解説します。重要な手続きの方法なども書いてあるので、誤ってやらないように、必ずこれに従って行いましょう』」
「『あなたがこの異世界から抜け出し、新たに転生するためには、『ミッション』というものをクリアしていかなければなりません。が、このまま洞窟のボスを倒しても、町の平和を救っても、世界を支配する魔王を倒しても、転生することは出来ません。それらは個人的な活動と認識され、ミッションをクリアしたことにはなりません。ミッションは依頼されるものだからです。ですが、このまま何もしないとミッションの依頼なんて来ません。じゃあどうするか、『冒険者登録』をしましょう。冒険者登録をすれば、依頼が来ます』」
「『冒険者登録は、様々な場所で出来ますが、あなたが飛ばされた場所に一番近い、大きな城、「ラルズムーン城」の城下町でするのが一番手っ取り早いです。』....ふぅ、つまりはラルズムーンって城に行って冒険者登録とやらをすればいいんだろ?こんな長ったらしく書く必要無いのに....」
「よし、行くか」
俺は城に向かって走って行った。
「よし、着いたぞ」
城下町は、活気で溢れかえっていた。そのため建物が多く、冒険者登録をする所を見つけるのは難しそうだ。
「ってか、どこで登録するのか書いて無かったな....自力で探すしかないか」
そう言ってため息をつくと、町の入り口に立っていた人に声をかけられた。
「君、もしかして冒険者登録しに来たのかい?」
「え、あ、はい。そうなんですよ。登録しに来たはいいものの、どこに行けばいいのかわからなくて....」
「やっぱりね。どうりで見ない顔だと思ったよ。で、冒険者登録なんだけど、実は僕がやってるんだ」
「へえ....って、え?あなたが冒険者登録してくれるんですか?」
「ああ。細かい項目については、そこのギルドって建物でやるんだけどね。でも簡単な登録は僕がするんだよ」
ギルド。転生ものの定番、冒険者ギルド。ここまでテンプレに沿ってあると、本当に転生したんじゃないかと思えてくる。
「そうなんですか。でもなんでこんな目立たない所でやってるんです?」
「実は、ここの町は人気のあまり、知名度も上がっちゃってね。多種多様な人が来るから、ならずもの、みたいな奴らも割と来ちゃうんだ。そんな奴らを冒険者にしたらダメだって事で、僕が大丈夫と判断した人だけに声をかけてるんだ」
確かに、この人はそこまで目立たない。この役はぴったりだろう。
「でも、ならずもの達は冒険者になりたがるんですか?」
「ああ。冒険者というのは一応剣などの武器の携帯が許されてるから、それを狙ってるんだろう....はいコレ」
その人はそう語ると、俺にカードのようなものを手渡してきた。
「あ、君は初めてだったね。ごめんごめん。これは冒険者の情報が記してあるカードさ。これで君の登録が完了したよ。あとはギルドに行って、名前とかの細かい登録をしてきてね」
「あ、ありがとうございます!!じゃ、ギルドに行ってきます!!」
「ああ!!気をつけてね〜!!」
俺はその人に別れを告げ、ギルドに向かった。
テクテクテクテク....
「しかし、ものすごくにぎわってるな。....確かに、あの人の言う通りすごい人気なんだな....」
異世界なのにこんなにも人がいるのか、と思ったが、ほとんどはNPCだと考えると、すぐ合点がいった。一体、どこまで手のこんだ作りと設計なんだ。死人の扱いがすごいと、改めて感じた。
そんなことを考えていると、もう目の前に『冒険者ギルド』の看板が見えていた。
「お、ここがギルドか。早速入ってみよう」
ガチャッ ギィー....
ザワザワ、ザワザワ
ドアを開く。が、そこは俺の想像していたかっこいいイメージとは全く違う空間だった。
ほとんどの人は真っ昼間だというのに酒を飲んでおり、格好も変だ。服がボロボロの魔法使い?や、いかにも「初期装備」といった装備を身につけた戦士?など。まあこの世界のおしゃれだという可能性も....うん、ねえわ。
人ごみを避け、「細かい冒険者登録はこちらで」と大きな文字で書かれている受付に向かう。
「すいません、冒険者登録についてなんですけど」
俺は受付の人に話しかけた。
「あ、はい。細かい登録ですね。では、仮登録カードの方を見せていただけますか?」
「さっきもらった....これですね?」
俺は入り口にいた人にもらったカードを渡した。
「ありがとうございます。では、こちらに記入をお願いします」
「これは?」
「こちらは、冒険者様のニックネームなどを書いていただきます」
....ニックネームか。どうしよう。全く思いつかん。いやまあ一応思いついてはいるんだけど。地味だからなぁ....
二十分後
「では、こちらの内容でよろしいでしょうか?」
ニックネーム ソウタ
性別 男
年齢 16
誕生日 7/24
「はい」
ニックネーム「ソウタ」って....本名丸出しじゃねえか。地味すぎだろ。あーあ、もっと中二くさいのでもよかったかなぁ....
「では、最後にソウタ様の職業を決めていただきたいと思います」
「職業?」
「ええ。この世界のミッションは戦闘系が基本ですからね。いわゆるRPGの職業のようなものですよ」
おっ、それらしいそれらしい。ていうか、異世界に飛ばされてギルドで職業選びって、これもはや普通の転生じゃね?←フラグ
「ちなみにソウタ様の身体能力ですと....「オールスキラー」がオススメです!!」
「オール....スキラー!?」
なにそれかっこいい。世界を救う主人公的職業みたいなやつか?
「それ、詳しく教えていただけませんか!!」
「オールスキラー。いわゆる魔法使いと戦士の間のような役割です。あ、魔法使いや戦士はわかります?」
「分かりますよ。一応ドラ○エファンなんで」
「? なんですかそれ?」
あ、こっちの人には通じないんだった。
「いえ、その....それより、続けて下さい」
「あ、すいません。それで、オールスキラーは、魔法と剣技、どちらも操ります」
それはもはや勇者じゃないんだろうか。と思ったが、さすがに口には出さないでおいた。
「その万能ぶりからつけられたオールスキラーの別名はなんと....」
「な、なんと?」
「勇者」
「ゆ、勇者!?」
やっぱり勇者なのか!?
「もどき」
「え」
「だから、勇者もどきです。いやー、あの最強職勇者のもどきなんてね。すごい職業ですよね!!是非、ソウタさんもどうです!?」
おいおい。なんだ勇者もどきって。ふざけてんのか。そこは「第二の勇者」ぐらいにしろよ。ネーミング考えろや。
「あ、あのー、他にオススメの職業は?」
「え、他ですか?他はですね....一応あるにはあるんですが、こちらの方が合っていると思いますよ」
「え、あ、はい。じゃあその....それで」
「はい!!では職業オールスキラーということで!!今登録しますね!!」
「は、はい....」
こうして、俺は「オールスキラー」もとい「勇者もどき」として冒険者になった。