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プロローグ
転生もの?です。
死んだらどうなるんだろう。学校の帰り道、俺はふと思った。天国に行くのだろうか。それとも地獄か。はたまた「無」に還るのだろうか。....もしくは、「転生」する、とか。
....駄目だ。俺の思考は完全に麻痺している。寿命で死ぬ寸前の老人ならまだしも、現在進行形で青春を謳歌している高校生の俺が、死ぬなんてことを考えてはいけない。しかも「転生」するかも、なんて。ラノベの読みすぎか....
「いや、あのアニメが始まったのも影響し」
キキィー!!
その音の方へ振り向くと、いつの間にか自分の目の前にトラックが迫って来ていた。
バーン!!
体が宙に浮き、即座に地面に叩きつけられる。それに何秒か遅れて痛覚が全身に走ると、俺はもう意識を失い始めていた。
「ぐふっ....かっ...はっ」
なんとか声を振り絞る。
「トラック、に、轢かれて....転生....?....ふふっ」
「ここ、まで....テンプレ....ってやつか...」
それが、俺の最後の言葉だった。