あの世界に転生して中学校に行ける事になった2
中学校に入学した。
まだ、右も左もわからない……
でも、ここなら生きていける気がした。
「貴女はだぁれ?」
あぁ……甘ったるい声が聞こえる……
砂糖を入れ過ぎたミルクティーと一緒にバタークリームのケーキを食べてる感じ。
「私は私よ。先に名乗らないなんて貴族の少年少女が通ってる学校なんて嘘だったのね。」
「クスクス……そうね。でも確かに貴族の少年少女が通う学校だわ。黒い感情が渦巻いてるわ。」
確かにね。漬け込みやすそうな未熟でそれでいて一人前な欲望や羨望だわ。
此処に悪魔を連れてきたら喜んで食事を始めるでしょうね。
「そう。ところで貴方はダレ?」
「ふふふ……貴女と言わなかった辺り褒めてあげるわ。そうねぇ……私は悪魔よ。」
ふぅん。案の定ね。
面白くないわ。早くヒロインが登場しないかしら?
男を侍らす淫乱女ビッチは大好きだわ。
見てて滑稽ですもの。
「貴女……性格変わったわね。」
「失礼ね。今までは元の私をひた隠しにしていただけよ?これが、本当の私……どう?幻滅した……DOLLさん?」
後ろを振り向くと紅いボンネットにプラチナブロンドのツインテール。
紅い膝丈のドレスに紅いおでこ靴。
紛うことなき私が考えたKeyキャラだ。
「ふふふ……幻滅なんてしないわ。どうして貴女が生きてるのかしら?」
「さぁね?強いて言うなら私がこの世界の創作者だもの。」
DOLL……
幾つもの時代に存在し、幾つもの時代で人を導いた。
それを、悪であると主張する物も、それを、善であると主張する物も居た。
だが、それは悪魔なのだ。
紛うことなき悪魔だ。人を導いた代償にうら若き穢れを知らない少女を要求し喰らうのだ。
あぁ……それを、悪と呼ばずして何と例え用ぞ……
って唄が有るぐらい有名な存在。それがDOLL。
「ふふふ……そうね。こっちに来てから神とコンタクトは?」
「無いわね。面白いぐらい私の思いどうりに進むのだもの。彼が何もしてない訳無いわ。」
「少しは神を信じてあげたら?だって……貴女は神に捧げられた供物ですもの。」
「私が……あの邪神に?信じられないわ。私より優れた見目の少女は沢山居るもの。」